ZWITがもっと楽しくなる8つのワード
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目次
ZWIFをもっと楽しむための専門用語
ZWIFには専門用語が多い
ZWIFには、FTPやSST、TSSなど、日常では使わない言葉が出てきます。
ZWIFを楽しむための専門用語であるFTP、PWR、TSS、IF、NP、Vo2max、LT、SSTについて解説します。
これらの言葉の意味を知っていれば、ZWIFTワークアウトをもっと楽しむことができます。
①全ての基本「FTP」
トレーニングの基礎となる数値「FTP」
ZWIFワークアウトで最初に出てくる言葉です。
FTPとは「機能的作業閾値パワー」のことです。
60分間全力走行で出るパワー値を意味します。
ZWIFTワークアウトはこの値を入力して強度を設定します。
FTPは個人の能力を測るうえで、一つの大きな指標になります。
測定方法によって微妙に値が違います。
屋外の上り坂で20分間走をして出した値に0.95をかけた値とZWIFTのFTP測定機能で出た値は通常異なります。
FTP測定の目的を理解する
厳密に正しいFTP値について悩むのは、あまり意味がありません。
FTPを測定する目的は、運動強度を決めるためです。
屋外でトレーニングする時は実走で測定したFTP値を使い、ZWIFTでトレーニングする時はZWIFTで測定したFTP値を使うと良いでしょう。
正しいFTP値を測定するのは、トレーニングのスタートラインです。
FTP測定自体がかなりキツイトレーニングになります。
レベルアップを確認するためにも、定期的に測定しましょう。
ZWIFでFTPテスト
ZWIFでFTPをテストすることができます。
テスト方法は4種類です。
詳しくはこちらの記事を参考に
②ヒルクライムに重要「パワーウェイトレシオ(PWR)」
PWR=体重1kg当たりのパワー値
PWRはパワーウェイトレシオのことです。
体重1kgあたり何ワット出せるかを示します。
パワーウェイトレシオは、FTP値を体重で割った値です。
例えば、FTP250Wで体重60kgの人のPWRは4.16W/kgになります。
体重が軽く、パワーが高いほどヒルクライムが速い
もし同じFTPの人がいても、体重が違うとPWRの値は異なります。
FTP | 体重 | パワーウェイトレシオ | |
Aさん | 250W | 60kg | 4.16W/kg |
Bさん | 250W | 70kg | 3.57W/kg |
AさんとBさんのFTPは同じです。
体重当たりのパワー値はAさんが高いです。
その結果、ヒルクライムレースではAさんが勝つ可能性が高いです。
ヒルクライムにおいては、FTP値を体重で割ったパワーウェイトレシオ(体重1kg当たりのパワー値)が高い方が有利となります。
ヒルクライムレースについてはこちらの記事を参考に
タイムトライアルやクリテリウムでは絶対的なパワー値が重要
平坦のタイムトライアルやクリテリウムでは、絶対的なパワー値が高い方が有利になります。
体重が重くても、パワー値の高い人の方がタイムが速い傾向があります。
タイムトライアルについてはこちらの記事を参考に
クリテリウムについてはこちらの記事を参考に
クリテリウムの走り方徹底解説!初心者・上級者別レース展開・ZWIFTワークアウト
③トレーニングボリュームの指標「TSS」
TSS=トレーニングボリューム
TSSはトレーニングストレススコアの略です。
ZWIFTワークアウトを終えると、ライドレポート右上に表示されます。
TSSは、ワークアウト中どれくらい疲労したかを示す値です。
トレーニング全体のボリュームを示します。
FTP値で60分間トレーニングした場合、TSSは100となります。
理論上、60分間のTSSは100以上にならない事になります。
100以上になる場合はFTPの設定が低すぎる事になります。
トレーニング量は、時間や距離ではなく、TSSを基準に考えるのも一つの方法です。
回復への指標になるTSSは、リカバリーに要する時間の指標にも使えます。
TSS | 疲労回復度 |
~150 | 次の日に回復 |
150~300 | 次の日は疲労が残るが翌々日には回復 |
300~450 | 翌々日も疲れが残る |
450~ | 数日間疲労が残る |
ZWIFTでTSS200を超えるのは、かなり困難です。
実走では3時間くらい走るとTSS200を超えます。
ZWIFTで走るよりも屋外を走った方がTSSは高くなります。
TSSについてはこちらの記事を参考に
トレーニング・ストレス・スコア TSSはロードバイクトレーニングの優れた指標だが限界もある!!
④トレーニングのキツさ「IF」
IF=トレーニング強度
IFは強度係数を示します。
トレーニングでどれくらい頑張ったかを表します。
1時間FTP強度で走ると、IFは1.0になります。
この場合、TSSは100です。
TSSとの違い
IFとTSSは似ていますが異なる数値です。
2時間走ってTSSは120、IFは0.75
1時間走ってTSSは80、IFは0.9
上記のトレーニングを行った場合を考えます。
2時間走った方がTSSは120と高いですが、IFは1時間の方が高いです。
この場合、強度は1時間のトレーニングの方が高かったと言えます。
TSSはトレーニング全体の疲労を表します。
IFはトレーニング中の平均的な強度を表します。
ウォーミングアップやクールダウンの時間が長いと、IFは低くなります。
インターバル中の強度が知りたい場合は、ラップをとってIFを確認しましょう。
IFの活用方法
トレーニング全体の強度はTSSで判断します。
インターバル中の強度はIFを使うと良いでしょう。
レースはIFが高く出ます。
1時間レースでIFが1.05を超えた場合は、FTP設定が低すぎる可能性があります。
IF | 運動強度 |
~0.75 | リカバリーライド |
0.75~0.85 | 持久系トレーニング |
0.85~0.95 | 乳酸閾値トレーニング |
1.05~1.15 | 15km、20分程度の短距離タイムトライアル |
1.15~ | トラック競技 |
⑤トレーニングの標準パワー「NP」
トレーニング中のパワー値を標準化
NPは標準化パワーを示します。
「平均」ではなく「標準化」したパワー値です。
例えば、近所の峠にトレーニングに行ったとします。
210Wで登り、100Wで下ったので平均パワーは140Wでした。
次の日、平坦な道でトレーニングしました。
かるく踏んだので平均は前日と同じ140Wでした。
平均パワーだけみると同じ140Wですが、NPは峠が170Wに対して平坦は140Wでした。
このように、NPは「トレーニング中にパワーが出ていないない時間もパワーが出ていたら」を算出してくれます。
NPは信号待ちや下り坂など、パワーが低い時間を省いた数値です。
平均パワーに比べて、本当の意味でのパワー値を示します。
ZWIFTワークアウトより、屋外の実走で有効な値です。
⑥持久力の指標「Vo2max」
VO2MAX=持久力
Vo2maxは最大酸素摂取量の事です。
体内に体重1kgあたり1分間に取り込める酸素の最大量を示します。
単位はml/kg/分です。
Vo2maxが高くなると、トレーニング中に筋肉に供給できる酸素の量が増えます。
VO2MAXが上昇すると、更に力強くペダルを踏むことができるようになります。
Vo2maxの上昇により乳酸閾値も上昇します。
より強い強度でより長くトレーングできるようになるのです。
VO2MAXの測定
一流のアスリートのVo2maxは、男性で70~80ml/kg/分、女性は60~70ml/kg/分と言われています。
正確なVo2maxを測定するには、正式な機関で測る必要があります。
アマチュアにはハードルが高いです。
簡易的なVo2max測定方法として、5分間の全力疾走があります。
5分間の平均パワーをVo2maxの値とします。
屋外でトレーニングする場合は、この値でインターバルを組みます。
ZWIFTワークアウトの場合、FTPを入力するだけでインターバルを組むことができます。
Vo2maxを高める方法は、Vo2maxでトレーニングする事です。
非常にシンプルですが、Vo2max域でどれくらい長時間トレーニングできたかが勝利の分かれ目です。
Vo2maxについてはこちらの記事を参考に
⑦疲労の始まり「乳酸閾値(LT)」
LT=乳酸閾値
LTは乳酸閾値を示します。
トレーニング中は、脂肪と糖質が同時に使われます。
トレーニング強度によって、脂肪と糖質の使われる比率が変わります。
強度の低いトレーニングでは、脂肪が多く使われます。
強度が高くなるにつれて、糖質が使われる割合が増えます。
糖質についてはこちらの記事を参考に
【ロードバイクと食事】糖質を使いこなしてロードレースに勝つ方法
乳酸閾値(LT)とは、血中の乳酸濃度が上昇し、糖質の使われる値が増えるパワー値のことです。
LT以下でトレーニングすると、脂肪をエネルギーに使います。
LTとロードレースの関係
LT以下のトレーニングは疲労感は少ないです。
LT値を上げることにより、同じパワーで踏んでいても糖質に依存しなくなります。
より疲労感が少なく感じられるようになります。
ロードレースにおいては、LTを上げることが大切です。
LT値を正確に測るには、トレーニング中の血液を採取し、乳酸値を測定する必要があります。
LTは、FTP値から推測することもできます。
UTTとLTT
LTには、上方閾値と下方閾値があります。
上方閾値をUTT、下方閾値をLTTと呼びます。
LTTは、体が糖質をエネルギーに変換し始めるパワー値です。
UTTは、糖質が分解された結果の副産物である乳酸や水素イオンが体内処理できなくなる限界のパワー値です。
LTTはFTPの55%から75%です。
UTTはFTPの85%から95%です。
FTPが250Wの人は、137Wから糖質をエネルギーとして使い始め、237Wで乳酸を処理しきれなくなります。
UTTやLTTに幅があるのは、その人の有酸素能力によってLTは大きく違うからです。
LTを上げる目的
LTは有酸素能力の指標です。
有酸素能力の高い人ほど、パワーが高くても脂肪を燃料にできます。
有酸素能力の低い人は、低いパワーでも糖質を燃やします。
糖質をエネルギー源にすると、疲労が蓄積します。
LTTを上げることは有酸素能力を引き上げるうえで非常に重要です。
⑧時間効率の良いトレーニング「SST」
時間効率が良いトレーニング方法
SSTとはスイートスポットトレーニングの略です。
スイートスポットの強度は、FTPの88%から92%です。
前述のLTTに近い値です。
LTTは、糖質を分解した結果出てくる乳酸を体内で分解できる限界値のパワーです。
SSTは、率的にFTPをアップする事ができます。
SSTとVO2MAXトレーニングの違い
Vo2maxインターバルは非常にきつく、取り組むのが大変です。
SSTはFTPの下ですので取り組みやすいです。
VO2MAXは最大酸素摂取量を高めます。
SSTは有酸素能力を高めます。
ZWIFTワークアウトには、SSTに特化したプログラムも多数用意されています。
SSTトレーニングについてはこちらの記事を参考に。
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