【ロードバイク】心臓の力を高めればVO2MAXが最大化する理由とそのトレーニング方法
Contents
目次
心拍出量を高めればVo2maxが上昇する理由
ロードバイクの能力を引き上げるVO2MAXとは
VO2MAXとは、最大酸素摂取量を意味します。
体内に取り込める酸素の量を表します。
筋収縮には、必ず酸素が必要です。
ロードバイクなどの持久系種目は、多くの酸素を体内に取り入れる必要があります。
酸素を多く取り込み、筋肉を効率よく収縮できる人ほど速く走ることができます。
有酸素能力についてはこちらの記事を参考に
ロードレースで勝つには有酸素トレーニングが絶対に必要な理由とその方法
VO2MAXが上昇する要因は一つではない
ロードバイクでVo2maxを決める要因は、いくつかあります。
主なものは次の5つです。
- 肺の酸素取り込み能力
- 心臓の血液拍出量
- 毛細血管密度
- 酸素運搬能力
- ミトコンドリアの密度
VO2MAXを決める要因についてはこちらの記事を参考に
心拍出量は、VO2MAXを上昇させる要因の1つです。
心拍出量を上げることで、心肺機能は大幅に向上します。
心拍出量≒血液循環量
心拍出量とは、1分間に心臓が循環させる血液量です。
心臓が1回で送り出せる血液量を、1回拍出量といいます。
心臓が1分間に動く回数を、心拍数といいます。
体に血液を送る力は、1回拍出量と心拍数で決まります。
心拍出量=1回拍出量×心拍数
心拍出量を決める要因
心拍出量は、次の3つの要因で決まります。
- 心筋収縮力
- 心拍数
- 前負荷・後負荷
VO2MAXトレーニングについてはこちらの記事を参考に
ZWIFTワークアウトで速くなるためのVo2maxインターバル5選
3つの要因について、説明します。
心拍出量を高める要因① 心筋収縮力
血液を送り出す心臓の働き
心臓は、収縮と弛緩を繰り返すことで血液を全身に送ります。
収縮する時に、動脈に血液を送ります。
弛緩する時に、血液は心臓に戻ります。
心筋収縮力とは
心筋収縮力とは、心臓の筋肉が収縮する力です。
心臓というポンプの強さを決めます。
心筋収縮力は、前負荷・後負荷と交感神経、迷走神経の影響を受けます。
心筋の拡張
持久トレーニングを繰り返すことで、心筋が拡張します。
心筋が拡張すると、心臓の容積が大きくなります。
心臓の容積が大きくなるので送り出せる血液の量が増えます。
心筋が肥大化し、収縮力が強化されます。
心臓の収縮力も高まります。
スポーツ心臓
トレーニングにより心臓が肥大化することを、スポーツ心臓といいます。
心臓の疾病である肥大型心筋症とは、分けて考えられています。
トレーニングを辞めると、1年程度で肥大化した心臓は元に戻ります。
心筋が肥大化すると、安静時の心拍数が低くなります。
一般の人の心拍数は60回/分から70回/分です。
スポーツ選手の心拍数は45回/分を下回ることも珍しくありません。
スポーツをしていない人の心拍数が50回/分を下回ると、徐脈性不整脈と診断されます。
交感神経・アドレナリン
心拍出量は、アドレナリンも関係します。
レース中やトレーニング中は、交感神経が活性化してアドレナリンが出ます。
アドレナリンは、人が戦闘モードに入るためのホルモンです。
アドレナリンは、筋肉の血管を拡張させ、心拍数を増加させます。
皮膚表面の血管は収縮します。
ケガをした時に出血量を抑えるためです。
内蔵への血流量も減ります。
心拍出量を高める要因② 心拍数
トレーニングしても最大心拍数は変わらない
最大心拍数は、人によって上限が決まっています。
トレーニングにより増えることはありません。
最大心拍数の数値と運動能力に、関連性はないとされています。
年を取ると最大心拍数は低くなる
加齢に伴い、最大心拍数は下がる傾向があります。
加齢に伴い、心臓の電気活動が低下するためです。
ロードバイクを継続することで、最大心拍数の低下はある程度抑えることができます。
心筋収縮力が大きくなると、安静時の心拍数が少なくなります。
トレーニングを重ねると安静時心拍数が少なくなるよ
中高年のロードバイクトレーニングについてはこちらの記事を参考に
血液を送るポンプが大きくなると、少ない収縮回数で足りるようになります。
一般男性の安静時心拍数は、1分間に60回から70回です。
心筋収縮力が高くなると、40回/分程度になります。
有酸素トレーニンについてはこちらの記事を参考に
心拍出量を高める要因③ 前負荷・後負荷
前負荷・後負荷とは
前負荷・後負荷とは、心筋が収縮するときの負荷のことです。
手で握る力が心筋収縮力です。
握る力が強くても、血液が入ってこないと送り出すことができません。
血液が心臓に入ってくる力が、前負荷です。
前負荷は大静脈圧で決まります。
血液が出ていく量は、抵抗が強いと減ります。
血液が出ていく抵抗が、後負荷です。
後負荷は大動脈圧で決まります。
供給圧(前負荷)が大きく、握る力(心筋収縮力)が大きく、出口圧(後負荷)が小さければ拍出量が増えます。
心臓に入ってくる圧が大きくて、出ていく抵抗が低ければ拍出量は多くなるよ
心拍出量を決める3つの要因 まとめ
- 心拍出量は心筋収縮力、心拍数、前負荷・後負荷で決まる
- 心拍出量=1回拍出量×心拍数
- 心筋収縮力とは心臓の筋肉が収縮する力
- ロードバイクトレーニングにより心筋が肥大化し、収縮力が強化される
- 最大心拍数は上限が決まっておりトレーニングにより増えることはない
- 加齢に伴い、最大心拍数は下がる傾向がある
- 前負荷・後負荷とは心筋が収縮するときの負荷
- 血液が心臓に入ってくる力が前負荷
- 血液が出ていく抵抗が後負荷
- 前負荷が大きく、心筋収縮力が大きく、後負荷が小さければ拍出量が増える