ロードバイクの「苦手」を克服してレースに勝つ10の方法
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目次
ロードレースで「得意なこと・苦手なこと」があるのは当たり前
持って生まれた特性は変えられない
スプリントが苦手な人はトレーニングである程度補えるけど、スペシャリストにはなれないよ!
残念なことだね・・・
人には生まれ持った身体的特性があります。
身体的特性により進むべき方向もある程度決まります。
速筋の割合が高くなければスプリンターにはなれません。
VO2MAXが低ければタイムトライアルのスペシャリストになることは難しいです。
全ての能力に秀でた選手は非常に稀です。
速筋・遅筋についてはこちらの記事を参考に
得意なこと・苦手なことを認めてレースに勝つ
ロードレースは総合力が必要!
工夫次第で勝てるのが面白いね!!
持って生まれた特性を無視して苦手分野で勝負するのは時間の無駄かも知れません。
トレーニングにより苦手分野を克服しその分野のスペシャリストになるのはほぼ不可能です。
苦手な平坦を克服するのにトレーニング時間の大半を使うよりも得意な上りを極めた方がレースで勝つことができます。
苦手分野のトレーニングも大切
苦手なことはトレーニングしない方が良いの?
得意なことを伸ばしつつ、苦手なことを補うことが大切!
苦手分野のトレーニングが不要というわけではありません。
ロードレースは集団についていけなければ勝つことが不可能な競技です。
最後のスプリントがどんなに強くても途中で集団から遅れれば勝利できません。
コースの上りは一番速くても、平坦で疲弊すれば上りの強さを発揮することはできません。
ロードレースを何度か走ったことのある人なら自分の得意分野と苦手分野の見当がついているはずです。
ロードレースに勝つためのトレーニングは弱点を補い、強みを更に高めることです。
得意分野で勝つために苦手なこともトレーニングしよう!
得意分野・苦手分野を知る方法の一つがパワーデータの解析です。
パワーデータの解析方法についてはこちらの記事を参考に
①スプリントが得意なら持久力を高める・苦手ならアタックする
スプリンターでも持久力がなければ勝負に絡めないよ!
ロードレースは基本的に持久系スポーツです。
ワールドツアークラスのトップスプリンターでも持久力を重視したトレーニングを行っています。
世界的なスプリンターであるマーク・カヴェンディッシュもトレーニングの大半は持久走だよ!
スプリントは得意な選手でも、レース終盤の先頭集団にいなければ勝つことはできません。
最後のちょっとした上りを超えるための持久力は欠かせません。
トップ選手でも持久力向上のトレーニングは欠かせません。
スプリントが苦手ならアタックと逃げ切りを狙おう!
スプリント力が全くない選手は戦術で勝つ方法を選びます。
スプリント力の全くない選手は遅筋の割合が高い可能性が高いです。
そいった選手の得意な上りなどでアタックを繰り返し他の選手を消耗させます。
逃げを狙うのも良い戦略です。
アタックや逃げは体力を消耗し、多くは失敗に終わる辛い選択です。
集団スプリントで勝機が見いだせないならこの戦略しかありません。
自分の得意なことで勝負できるレース展開にするんだね!
②テクニック不足を認め、改善する
ロードレースのテクニックは身体的特性とは違い、トレーニングで変えられるよ!
身体的特性とは異なり、テクニックはトレーニングで身に付けることができます。
テクニックってどんなの?
ロードレースにおけるテクニックはバイクコントロールやブレーキング、コーナリングテクニックなど多岐に渡ります。
ロードレースは水泳などに比べるとテクニカルな競技ではありません。
しかしテクニックを高めることでレースを楽に走ることができます。
自分に不足しているテクニックを認めるのは辛い作業です。
なるべく客観的に自分を見つめましょう。
自分の欠点を認めることから始めよう!
落車が多い人はレース運がないのではなく、テクニック不足です。
自分の欠点を認めることで次のステップに進めます。
レース仲間に聞くのも良い方法です。
レース仲間は自分以上にあなたのことを知っています。
客観的に分析して改善しましょう。
他人に巻き込まれるのも含めて、落車は自分のテクニック不足!
集団内での位置取りのスキルはトレーニングでは補いにくい分野です。
位置取りのスキルが低いと無駄に先頭で風圧を受けたり、落車に巻き込まれたりします。
ハンドリングテクニックが低いと周囲から危険な選手と思われ、良い位置取りができなくなります。
コーナリングテクニックが不足していると曲がり角の度に遅れることになります。
テクニックが高いと、楽に安全に走れるね!
集団内の位置取りについてはこちらの記事を参考に
③正しいトレーニングをする
正しい努力をしよう!
苦手を克服するためのトレーニングは今まで取り組んでいなかった分野かも知れません。
やらなければ勝てないことは何となく分かっていたけれど避けていたトレーニングかも知れません。
苦手分野のトレーニングは馴染みがないため最初は戸惑います。
苦手なトレーニングは何をすれば良いか分からないよ・・・
正しい方向性のトレーニングをすることが大切です。
スプリント力を高めたいなら6秒間の全力スプリントやスクワット・デッドリフトなどの筋トレが有効です。
VO2MAXを高めたいなら3分間や5分間の全力疾走だけでは不十分です。
ベースとなる有酸素能力を高めなければなりません。
スプリント力向上トレーニングについてはこちらの記事を参考に
VO2MAX向上についてはこちらの記事を参考に
方向性の間違ったトレーニングは最初は効果がありかも知れませんが、後々に伸び悩みます。
正しいトレーニングは地味で目新しい方法ではないことが多いです。
間違ったトレーニングは斬新で派手なことが多いです。
正しいトレーニングは地味なことが多いよ!
遠回りしないために、トレーニング方法はよく考えて取り組みましょう。
④苦手克服のためのトレーニング計画を立てる
計画を立て、実行することが大切!
シーズンを通した計画を立てます。
目標とするレースや達成したいパワー値などを基準にします。
シーズンを通したトレーニング計画はいくつかのブロックに分けます。
ブロック毎に目標とトレーニング内容を決めます。
インターバルの内容やブロックごとにどの大会に出るかを決めます。
なぜブロックに分けるの?
ブロックに分けることで長いレースシーズンの見通しがつきやすくなります。
前期・後期や前期・中期・後期が良いでしょう。
⑤ミニ目標を立てる
トレーニングの「一里塚」を作ると達成感が得られるよ!
苦手分野のトレーニングは成果が出にくく、面白みに欠けます。
面白くないので、いつの間にかトレーニングしなくなります。
達成感がないといつの間にか辞めてしまうね・・・
モチベーションを保つために小さな目標を立てましょう。
小さなステップアップが大きな進化を生みます。
目標は具体的な数値で設定するのがベストです。
シーズン最大の目標から逆算して小さな目標を立てます。
小さな目標は集中力を高めモチベーションを維持する手助けになります。
ミニ目標は小さければ小さいほど良いよ!
少しの進歩が大きなステップアップを生むね
レースシーズンは長いです。
ケガや病気など、物事が上手くいかないことも起こります。
その様な時でも小さな目標を達成することで集中力を維持できます。
オーバートレーニングについてはこちらの記事を参考に
⑥マーカーを使って自己分析
計画の進捗状況を定期的に分析しよう!
シーズンを通して立てた計画の進捗状況を自己分析します。
計画が当初の予定通り進んでいなくても修正することができます。
自己分析を小まめにすることで手遅れになる前に修正することができます。
思ったように伸びない場合はトレーニング方法を見直そう
計画通りに進まない場合はトレーニング方法が間違っている可能性もあります。
少しでも進歩しているなら計画通りに進める価値があるかも知れません。
一定期間トレーニングしているのに停滞する、若しくは後退する場合は思い切ってトレーニング方法を変更しましょう。
進捗状況の確認は体感ではなく具体的な数値で示そう!
進捗状況の確認は客観的な数値によるものが望ましいです。
FTPテスト、峠のタイム、TTテストなどが良いでしょう。
スプリント能力の向上を目指しているなら3秒平均パワーや5秒平均パワーを目安にします。
数値化することで何パーセント伸びたか分かるね
パワートレーニングの専門用語についてはこちらの記事を参考に
⑦サイクリング効率を高める
ペダリング効率アップは効果の高いトレーニングだよ!
サイクリング効率を高めるのは全ての基本です。
パワーが出ていてもスキルが不足していると速度に直結しません。
ロードレースはパワーを競う競技ではありません。
誰が最初にゴールラインを通過するかを競う競技です。
ケイデンスドリルなどでペダリングスキルを高めましょう。
初心者の人には片脚ペダリングも良いドリルだよ!
片脚ペダリングはペダリングスキルが高い人には効果が低いですが、初心者が取り組むには良いドリルです。
空気抵抗の低いポジションも効果が高いよ!
空気抵抗の少ないポジションも非常に重要です。
スマートトレーナーより実走の方がトレーニングしやすいね!
スマートトレーナーではトレーニングしにくい分野です。
スマートトレーナーでのトレーニングに偏りすぎると空気抵抗を無視したポジションになってしまいます。
スマートトレーナーを使うとインターバルトレーニングが効率的にできます。
反面、実走でのテクニックが低下する場合があります。
バランス良くトレーニングすることが大切です。
⑧ロードレースに有酸素能力は必須
スプリントが得意でも有酸素能力向上は避けられないよ!
有酸素能力はロードレースなど持久系スポーツに欠かせません。
どうやってトレーニングすれば良いの?
一般的にゆっくり長く走ればいいとされていますが、効率的に高めるには工夫が必要です。
ある程度の強度で長く走ることが大切です。
脂肪をエネルギーにして走れることが目標!
???
脂肪をエネルギーに使える体になると有酸素能力が向上します。
どんなに優れたスプリンターでも集団スプリントまで残れなければ勝てません。
ロードレースを走るなら持久力は決して避けられない能力です。
有酸素能力を高める方法はこちらの記事を参考に
⑨乳酸閾値の向上
有酸素能力が上がると乳酸閾値もアップするよ!
有酸素能力の向上と乳酸閾値の向上は表裏一体です。
乳酸閾値を高めると乳酸の蓄積をパワーに変えることができるようになります。
乳酸閾値を高めると乳酸が筋肉に蓄積しにくくなります。
乳酸自体は決して悪いものではありません。
乳酸はエネルギーに変換できることが分かっています。
乳酸の蓄積により疲労原因物質が蓄積しやすくなります。
乳酸閾値を高めると高強度で長時間ペダリングできるようになります。
体重の減少も有効な手段です。
乳酸閾値の向上についてはこちらの記事を参考に
⑩得意分野で勝負する
勝つことが目標なら自分の得意分野で勝負しよう!
得意分野を活かせるレースを選ぶことは最も大切です。
スプリンターはヒルクライムレースで勝てません。
ヒルクライマーはクリテリウムで勝てません。
上りの多いコースではパワーウェイトレシオの向上が有効です。
クリテリウムや平坦のコースならパワーウェイトレシオは大きな問題ではありません。
重要なのは絶対的なパワーです。
バイクコントロールが得意ならコーナーの多いレースで有利に動けます。
得意分野を活かせるレースを選びましょう。
プロ選手と違い、ホビーレーサーは勝つことだけが目的ではありません。
一番は好きなレースに出ることです。
好きなレースに出ることが最重要だね!