「ツアーオブ九州2022」 ジュニアロードステージレースが過酷に進化
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ジュニアロードステージレース「ツアーオブ九州2022」
2022年8月18日~8月21日開催
ジュニア選手唯一のステージレースである「ツアーオブ九州2022」が2022年8月18日から8月21日にかけて開催されます。
ジュニアのステージレースとしては2007年まで「ツール・ド・とうほく」、2008年から2013年まで「みちのくステージ・レース in いわて」が5回開催されています。
現在、ツアーオブ九州は唯一のジュニアステージレースとなります。
ツアーオブ九州2021についてはこちらの記事を参考に
ツアーオブ九州 2021年11月19日開催決定 国内唯一の本格的ジュニアステージレース 全4ステージ&参加チーム紹介
3日間5ステージ 総走行距離263km
熊本県で3日間合計5ステージのレースです。
5ステージの中には個人タイムトライアル、山岳ステージ、市街地クリテリウムも含まれます。
8月19日(金) | 第1ステージ | 熊本県HSR九州 | 個人タイムトライアル | 4.6km |
8月19日(金) | 第2ステージ | 熊本県HSR九州 | ロードレース | 69km |
8月20日(土) | 第3ステージ | 熊本県南阿蘇村 | 山岳ロードレース | 79km |
8月21日(日) | 第4ステージ | 熊本県湯前町 | ロードレース | 78km |
8月21日(日) | 第5ステージ | 熊本県人吉市 | 市街地クリテリウム | 32km |
総走行距離は263kmです。
「ツール・ド・九州2023」のプレ大会として開催
ツアーオブ九州は2023年秋に開催される国際自転車ロードレース「ツール・ド・九州2023」のプレ大会として開催されます。
ツール・ド・九州2023は福岡県、熊本県、大分県をまたいで開催されます。
クリテリウムとステージレースが予定されています。
国内外18チームが参加予定です。
全5ステージ コースプロフィール&見どころ
第1ステージ 8月19日9:00~HSR九州 個人タイムトライアル
第1ステージは個人タイムトライアルから始まります。
2.3km×2周回=4.6kmで争われます。
タイムトライアルですが、TTバイク、DHバーの使用は禁止です。
タイムトライアルは選手の実力差が出やすい種目です。
トップ選手は数十秒から1分のアドバンテージを稼ぐことが予想されます。
昨年行われたツアーオブ九州2021はチームタイムトライアルでした。
タイムトライアルについてはこちらの記事を参考に
ロードバイク タイムトライアル必勝方法 必ずやるべき10のこと!!
第2ステージ 8月19日15:30~HSR九州 サーキットコース
第1ステージと同日開催です。
2.3km×30周回=69kmで争われます。
HSR九州はフラットコースで車幅も広いため、逃げが決まり難いコースです。
下位選手にとっては、第1ステージでついたタイム差を第2ステージでどう埋めるかが、レース展開のポイントになりそうです。
上位選手が保守的なレースをした場合は、集団スプリントになる可能性が高くなります。
第3ステージ 8月20日8:30~南阿蘇周回コース 山岳ステージ
第3ステージは山岳ステージです。
13.2km×6周回=79.2kmで争われます。
総獲得標高は約2000mで、過酷なコースです。
コース断面図の通り、平坦がほぼありません。
選手の実力差が出やすく、大きなタイム差がつくステージとなることが予想されます。
ヒルクライムについてはこちらの記事を参考に
ヒルクライムが速くなるテクニック3選 ペーシング・補給カロリーを最適化してダンシングを使いこなす方法
第4ステージ 8月21日9:00~湯前町特設コース 平坦ステージ
第4ステージは平坦ステージです。
9.8km×8周回=78.4kmで争われます。
第3ステージで遅れている選手が、ジャンプアップを狙って逃げを試みる可能性があります。
上位選手は、互いのタイム差を意識して保守的なレース展開になるかも知れません。
3日目の最終日であり、疲労が溜まっている選手にとって、過酷なステージとなりそうです。
第5ステージ 8月21日16:00~人吉市特設コース クリテリウム
最終ステージは人吉市街地で行われるクリテリウムです。
人吉市の中心部である、人吉城跡周囲で行われます。
ツアーオブ九州は九州豪雨災害復興祈念を掲げて開催されます。
人吉市の中心市街地は2020年7月の豪雨で大きな被害を受けました。
クリテリウムのコースとなっている付近も浸水被害を受け、復興途上にあります。
1.6km×20周回=32kmで争われます。
総合優勝を狙う選手や団体総合優勝、ステージ優勝を狙う選手など、それぞれの思惑が交差するステージとなりそうです。
日曜日の夕方に中心市街地で行われるクリテリウムに、ジュニア選手が走れる機会は貴重です。
クリテリウムについてはこちらの記事を参考に
クリテリウムの走り方徹底解説!初心者・上級者別レース展開・ZWIFTワークアウト
参加チーム
参加チームは全国9ブロックの選抜チームとその他の選抜チームです。
1チームは6名(最少4名)です。
個人総合と団体総合で争われます。
個人総合は各ステージの合計タイムで争われます。
団体総合は各ステージのチーム上位 3 名の合計タイムで争われます。
2021年はポイント賞も設定されました。
2004年、2005年生まれのジュニア選手が参加します。
特別措置として、ジュニアと同等の走力があるU17選手の参加も認められています。
全国地域選抜 | 北海道・東北、関東、東海、北信越、近畿、中国、四国、九州 |
全国高体連選抜 | 全国高体連自転車競技専門部 選手強化部会推薦 |
主催者推薦 S | JCF ジュニアロード部会推薦、日本学生連盟推薦ほか |
主催者推薦 A | 主催者が指定する大会の上位チームより主催者が推薦するチーム |
主催者推薦 B | 主催者推薦チーム |
全国の有力選手が一堂に会するステージレースとなります。
注目のジュニアロードレーサーについてはこちらの記事を参考に
2022年インターハイ自転車ロードレース コース・見どころ・注目選手
より過酷なステージレースへ進化した3つの理由
①ステージ数は増加するが、開催日程は短縮
日程短縮でよりハードなステージレースとなる
2021年は4ステージで4日間の日程でした。
1日1ステージでした。
2022年は5ステージで3日間の日程です。
初日と最終日は1日で2ステージのダブルヘッダーです。
2日目のみ1ステージですが、過酷な山岳ステージです。
1日目は午前中に4.6kmの個人タイムトライアル、午後に69kmのロードレースです。
3日目最終日は、午前中に78kmのロードレースを走ります。
移動を挟んで、午後から市街地クリテリウムとなります。
最終日の開催地である湯前町と人吉市は隣接しており、車で1時間程度の距離にあります。
移動時間は短いものの、連日のレースで疲労した選手にとって過酷な最終日となりそうです。
②11月開催から8月開催に変更
2022年は酷暑との闘い
2021年はコロナの影響で11月下旬に開催されました。
九州でも11月下旬は涼しい気候です。
最終日はオートポリスという高地の開催地で、しかも雨だったこともあり、低体温症になる選手もいました。
2022年は8月中旬の開催となります。
気温も30℃を大幅に超える気温となることが予想されます。
過酷な暑さでのレースとなります。
③チームタイムトライアルが個人タイムトライアルに変更
チーム力に個人総合が左右されにくくなる
2021年の第2ステージはチームタイムトライアルでした。
チームタイムトライアルはチームの力の差が大きく出ます。
11.5kmの距離でトップチームと下位チームは3分近いタイムギャップがありました。
力のある選手でも、下位チームに所属していると総合ではかなり不利な状況でした。
2021年は、第1ステージの優勝選手が第2ステージでタイムを大幅に失い、下位に沈みました。
2022年は個人タイムトライアルに変更されました。
チームの強い弱いに関わらず、力のある選手が総合上位を狙える状況になりました。
チーム力を使って個人成績が上がる、という事もなくなりました。
熊本県内のみで開催
移動距離の短縮
2021年のツアーオブ九州は熊本県、宮崎県、大分県の3県にまたがって開催されました。
2022年のツアーオブ九州は熊本県内のみの開催になります。
熊本県全域を使って開催されるため、移動を伴いますが、距離は大幅に短縮されます。
レース結果
藤村一磨選手(九州選抜)が圧倒的な強さで総合優勝
個人総合優勝 | 藤村 一磨 | 九州選抜 |
ポイント賞 | 藤村 一磨 | 九州選抜 |
山岳賞 | 自檀地 一 | 奈良選抜 |
チーム総合 | 九州選抜 |
第3阿蘇ステージが降雨のため周回数が変更になった以外は、予定通りに実施されました。
個人総合優勝の藤村選手は、タイムトライアルを除く全てのステージで単独または2人で逃げ切りました。
レース序盤から中盤にかけて自ら積極的に仕掛け、個人総合優勝とポイント賞を獲得しました。
ステージ1からステージ5の累計タイムは2位以下を約10分引き離しました。
直前に行われたインターハイ個人ロードレースの上位8選手のうち、7選手が参加している本レースで力のあるところを見せました。
TKU(テレビ熊本)によるLIVE配信が素晴らしい
最終日の第4ステージ、第5ステージはTKU(テレビ熊本)によるLIVE配信がありました。
LIVE配信はバイクカメラ2台+固定カメラをスイッチングしながら行われました。
プロのアナウンサーによる実況と解説も行われました。
初めてロードレースを観る方にも分かりやすい内容でした。
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