ツアーオブ九州 2021年11月19日開催決定 国内唯一の本格的ジュニアステージレース 全4ステージ&参加チーム紹介
2023年UCI認定ステージレース「ツール・ド・九州」に先駆けて国内唯一のジュニアステージレース「ツアーオブ九州」の開催が決定したよ!
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目次
2023年 ツール・ド・九州開催決定! UCI認定ステージレース
2023年にツール・ド・九州が開催されることが発表されました。
九州経済連合会(福岡市中央区渡辺通、麻生泰会長)は5月19日、自転車レースの国際大会「ツール・ド・九州」を2023年に福岡県、熊本県、大分県で開催すると発表した。
同会に加え九州・山口の各県知事が参加する九州地域戦略会議で検討が進められていたもので、5月19日の同会議で開催の基本方針や概要などが報告された。開催時期は23年10月の4日間。レース形式は転戦型のステージレースで、福岡ステージでは県内を縦断するラインレースを、熊本ステージでは南小国町から南阿蘇に入り、特定エリアを周回するルートを、大分ステージでは日田オートポリスと周辺ロードを周回するコース計画を策定。チームは9人編成で国内から10組、海外から8組を招く予定で、参加者は選手とスタッフで160人を見込む。
ふくおか経済WED
海外チームを招待した九州初の本格的なステージレースになるよ!
ツール・ド・九州はUCI認定のステージレースです。
九州を舞台にした全4ステージ、総走行距離490kmが予定されています。
チームは9名で構成します。
海外から8チーム、国内から10チームを招く予定です。
第1ステージ 北九州ステージ
競輪発祥の地である北九州市でのクリテリウムとタイムトライアルです。
クリテリウムは短い周回コースを何周回もするので観客は迫力のレースを長時間楽しむことができます。
同じ九州で開催されているおおいたいこいの道クリテリウムも成功を収めている都市型レースです。
第2ステージ 福岡ステージ
福岡県を縦断するラインレースが予定されています。
総走行距離約190km、獲得標高約3500mで開催されます。
第3ステージ 熊本ステージ
九州の主要観光地である阿蘇山系で行われるラインレースです。
南小国町から南阿蘇村の後は周回コースを回ります。
阿蘇くじゅう国立公園を北から南に駆け抜けるコースです。
総走行距離約170km、獲得標高約3400mの山岳コースです。
第4ステージ 大分ステージ
九州モータースポーツの聖地であるオートポリスで開催されます。
オートポリスは2007年全日本選手権ロードの開催地でもあります。
アップダウンのあるコースで1周あたりの獲得標高52mです。
スプリントになる可能性の高いコースです。
サーキット周囲の公道もコースに使われる可能性があります。
総走行距離約130kmで開催されます。
2021年ツアーオブ九州開催決定! ジュニア選手ステージレース
2023年のツール・ド・九州に先駆けてジュニア選手のステージレースであるツアーオブ九州が開催されます。
開催は2021年11月19日から11月22日です。
チームタイムトライアルを含む全4ステージで開催されます。
サーキット場と公道のレースです。
1チーム6名のチーム戦で争われます。
ジュニアカテゴリーとして国内唯一の本格的なチームでのステージレースが誕生しました。
2021年は三重国体や全日本選手権ロードジュニアが中止になりました。
ジュニア選手にとっては全国選抜ロード、インターハイロードに続く2021年最後のビックレースになります。
インターハイロードについてはこちらの記事を参考に
【リアル弱虫ペダル】2021インターハイ自転車競技個人ロードレース【コース紹介&リザルト!】
全日本選手権ロードについてはこちらの記事を参考に
2021年全日本選手権自転車競技ロード 10月22日(金)~24日(日)開催決定!広島県中央森林公園ロードコース徹底解説!!
過去にもジュニアステージレースは開催されていたよ!
ジュニアのステージレースとしては2007年まで「ツール・ド・とうほく」、2008年から2013年まで「みちのくステージ・レース in いわて」が5回開催されています。
現在ツアーオブ九州は唯一のジュニアステージレースです。
ジュニア選手が4日間を通してロードレースをする機会はありません。
最終日まで体調をコントロールして走る能力が求められます。
ごまかしの効かない過酷な4日間になります。
全4ステージ 総走行距離277km
全4ステージ・総走行距離277km!
ツアーオブ九州はチームタイムトライアルを含む全4ステージ・総走行距離277kmで実施されます。
第1ステージ 11月19日 熊本ステージ HSR九州 92km
第1ステージは11月19日に熊本県にあるホンダのモーターレース場「HSR九州」で開催されます。
HSR九州はモータースポーツが行われるサーキットなのでグリップも良く、コース幅も十分にあります。
熊本県自転車競技連盟主催のシリーズ戦も行われています。
コースは1周2.3kmでほぼフラットです。
レースは2.3km×40周回=92kmです。
コの字型をしています。
レースは高速の展開が多く、ラップタイムは3分から3分30秒です。
上位選手のスプリントになる展開が多いですが、稀に逃げ切りもあります。
HSR九州で開催された2021年九州総体は逃げ切りの展開でした。
第1ステージは2時間以上のレースになると思われます。
HSR九州についてはこちらの記事を参考に
第2ステージ 11月20日 熊本ステージ HSR九州 チームタイムトライアル 11.5km
第1ステージと同じHSR九州で開催されます。
ジュニアレースでは珍しいチームタイムトライアルです。
2.3km×5周回で行われます。
ツアーオブ九州は選抜メンバーのチームです。
高校選抜のチームは別ですが、地域選抜チームは普段から一緒にトレーニングしているわけではありません。
お互いの脚質や癖を熟知している必要のあるチームタイムトライアルを即席のチームでやるのは難しいです。
予期せぬハプニングが起こる可能性が高いステージです。
ディスクホイールやハンドルバーエクステンションなどは使用不可です。
第3ステージ 11月21日 宮崎ステージ 西都市森林公園向陵の丘 80km
3日目となる第3ステージは宮崎県に移動して開催されます。
宮崎ステージが開催される西都市は宮崎県のほぼ中央に位置します。
1.6km×50周回=80kmで行われます。
平坦基調のコースですが1周で28mの獲得標高があるので50周で1400mの獲得標高になります。
インターハイロードレースとほぼ同じ獲得標高になります。
HSR九州ステージがスプリントだった場合、タイム差が開いていない可能性があります。
宮崎ステージは登りはきつくないものの、車幅が狭い区間があるので逃げが決まる可能性があります。
レースも3日目であり、疲労が溜まった選手には過酷なレースになりそうです。
獲得標高は28m/周です。
車幅の広い区間は2車線です。
狭い区間は1車線なので集団が伸びる可能性が高いです。
集団の前々で展開することが重要です。
第4ステージ 11月22日 大分ステージ オートポリスレーシングコース 93.4km
最終日となる4日目は大分県のオートポリスレーシングコースで開催されます。
オートポリスは大分県と熊本県の県境の高原にあります。
4.67km×20周回=93.4kmで行われます。
オートポリスレーシングコースは国内モータースポーツの最高峰であるスーパーGTも開催される国際規格コースです。
2021年8月8日にJCL「コーユーレンティアオートポリスロードレース」が開催されました。
JCLレースもツールド九州と同じ25周回で実施されました。
キナンサイクリングチームの畑中勇介選手が2時間52分のタイムで優勝しました。
完走率26%の厳しいレースでした。
ツアーオブ九州でも3時間程度のレースになると予想されます。
全長 | 4.67km |
高低差 | 52m |
最大傾斜(上り) | 7.2% |
最大傾斜(下り) | 10% |
コーナー数 | 18 |
1周の獲得標高は52mなので総獲得標高は1040mです。
注意すべきはオートポリス名物の10%直線ダウンヒルです。
T10からT11の区間です。
ダウンヒル直後に直角右カーブがあり、その直後に登りが始まります。
ダウンヒルは70km/h以上の速度で下ります。
オートポリスは高地にあるため濃霧になることも多いです。
レースは9時スタートです。
11月下旬のオートポリスで雨が降った場合は寒くハードなレースになりそうです。
コース後半の攻略が勝敗を決します。
4日間のステージレースの最終日に93km・獲得標高1040mなので疲労の蓄積しているジュニア選手にとって過酷なレースになります。
参加チーム&注目選手
17チーム・98名で争われるよ!
参加チーム
ツアーオブ九州は17チーム98名で争われます。
全国のブロック選抜チーム、都道府県選抜チーム、高校選抜チームがあります。
九州選抜 | 四国選抜 | 中国選抜 | 福島選抜 |
奈良選抜 | 京都選抜 | 東京選抜 | 大分選抜 |
佐賀選抜 | 松山学院 | 北桑田 | 浦和北 |
福井科技 | 福井坂井 | 祐誠 | 千原台 |
埼玉選抜 |
インターハイロードレースは個人戦の側面が強いです。
ツアーオブ九州はチームタイムトライアルもあり、ジュニア選手のレースでは珍しいチーム戦となります。
注目選手
参加選手の中から全国大会上位入賞者を紹介するよ!
参加者から2021年ロード強化指定選手・インターハイロード入賞選手・インターハイトラックポイントレース・3kmインディヴィデュアルパーシュート3位表彰台選手を紹介します。
山下虎ノ亮選手
奈良選抜チームで参加します。
2021年ロード強化指定選手です。
インターハイトラックポイントレースでは圧倒的な強さで優勝し、ロードレース8位入賞です。
平坦での独走力が高く、HSRステージで逃がすと大きなタイム差がつきそうです。
梅澤幹太選手
四国選抜チームで参加します。
2021年ロード強化指定選手です。
インターハイトラックポイントレースでは山下選手に続く2位です。
小学生の頃から高校生に混ざり100kmレースを完走するなど持久力に優れた選手です。
アップダウンのあるコースに強く、宮崎ステージやオートポリスステージでの走りが注目されます。
4日間を通したステージレースでも強さを発揮すると予想されます。
林原聖真選手
中国選抜チームで参加します。
2021年インターハイロードレースの優勝者です。
インターハイロードレースでは何度もアタックをして最後は逃げ切る完璧なレース展開でした。
インターハイトラックポイントレースでは梅澤選手に続く3位です。
林原選手は所属の倉吉東高校に自転車部がなく、近隣の高校の自転車部に通って練習をしています。
山下選手、梅澤選手と共にトップ争いに絡むことが予想されます。
藤村一磨選手
九州選抜チームで参加します。
1年生ながら2021年インターハイロードレースで林原選手に続く2位でした。
レースでは林原選手と共に後半逃げ切りましたが最後のスプリントに勝てませんでした。
藤村選手はU17カテゴリーです。
年齢がジュニアカテゴリーに満たないため本来は参加資格がありません。
ジュニアと同等の走力を有すると認められ、特別措置として参加が認められています。
逃げの展開での勝利が多い選手です。
地元九州での活躍が期待されます。
レースリザルト
第1ステージ HSR九州 92km
晴天のコンディションで開催されました。
9時にスタートしたレースは序盤から散発的にアタックがかかり、1周のラップが3分前半とかなりのハイペースで進みます。
5周回毎に上位4名にポイントが与えられるためペースが緩むことがありません。
100名近くでスタートした集団は開始3周回で60名程度に絞られます。
選手層の厚い松山学院が単独で逃げを試み、他のチームが追う展開が続きます。
松山学院は8回のポイント周回のうち5回をトップ通過しました。
レース中盤も逃げを試みる選手と追う集団という展開が続きます。
松山学院は選手が交互に逃げを試みるなどチームプレイを見せます。
ペースが緩まないため集団から脱落しラップされる選手も散見されます。
集団は依然として60名程度です。
レースが動いたのはラスト5周でした。
ポイント周回を終え集団のペースが緩んだタイミングで2名がカウンターアタックをかけます。
この2名に更に2名がジョイントし4名の逃げが形成されます。
4名には松山学院、九州選抜、北桑田といった有力チームが含まれていました。
それ以外のチームが集団を牽引し追う必要がありましたが、タイムギャップは開いていきます。
最終的に4名は30秒近いタイムギャップを作ることに成功します。
最終スプリントを制した東京選抜の泉颯太選手がステージ優勝しリーダージャージを獲得しました。
ポイント賞は11ポイントを獲得した福井科学技術の篠島瑠樹選手でした。
団体は上位3選手の合計タイムで決まります。
初日は松山学院が獲得しました。
個人総合トップ | ポイントトップ | 団体トップ |
泉颯太選手(東京選抜) | 篠島瑠樹選手(福井科学技術) | 松山学院 |
第2ステージ HSR九州 チームタイムトライアル 11.5km
2日目はチームタイムトライアルです。
初日の団体総合下位チームから出走します。
天候は晴天ですが早朝のスタートとなりました。
第1組から第4組に分けられます。
各チーム30秒毎にスタートし、3番目選手のタイムが計測されます。
チームタイムトライアルは選手層の厚さがポイントとなりました。
一人の選手だけが強くても3番目選手が遅れると大きくタイムを失います。
ここでも強さを見せたのは松山学院でした。
30秒前にスタートした九州選抜を捕えかける好走でした。
松山学院は2位の四国選抜より20秒速いタイムを記録し、団体優勝に向けて大きく前進しました。
個人総合でも鎌田晃輝選手がリーダージャージを獲得しました。
逆に前日ステージ優勝した東京選抜の泉颯太選手は1分31秒を失い総合31位になりました。
チームタイムトライアルの重要性が浮き彫りになるステージとなりました。
個人総合トップ | ポイントトップ | 団体トップ |
鎌田晃輝選手(松山学院) | 篠島瑠樹選手(福井科学技術) | 松山学院 |
第3ステージ 宮崎県 西都市森林公園向陵の丘 80km
宮崎県に舞台を移して開催されました。
ツアーオブ九州唯一の公道レースとなりました。
晴れて宮崎らしい穏やかな気候です。
幅の狭い1.6kmのコースを50周回します。
大集団での走行は落車の危険性が高いためパレード走行を2周回した後にリアルスタートとなりました。
パレード走行がかなりのハイペースだったため最初の3周で先頭集団は35名程度に絞られます。
集団から脱落した選手は1分差でDNFとなります。
3回目のポイント周回を終える頃には集団は20名程度にまで減っています。
ペースが緩まない上にポイント周回で更にペースアップするためかなり過酷なレース展開になりました。
総合上位の選手が順当に残っています。
このステージで圧倒的な強さを見せたのは福井科学技術の篠島瑠樹選手でした。
残り19周回で逃げ集団3名から篠島選手が更に抜け出し、独走を開始します。
そのまま約30kmを単独で逃げ切りステージ優勝しました。
後続集団に37秒差をつける圧勝でした。
篠島選手は前日までの個人総合33位から個人総合7位まで大きく順位を上げました。
終始独走したためポイントを荒稼ぎし、ポイント賞獲得へ大きく前進しました。
リーダージャージは前日に続き松山学院の鎌田晃輝選手がキープしました。
完走者14名の厳しいステージとなりました。
個人総合トップ | ポイントトップ | 団体トップ |
鎌田晃輝選手(松山学院) | 篠島瑠樹選手(福井科学技術) | 松山学院 |
第4ステージ 大分県 オートポリス 93.4km
最終ステージは大分県に移動して開催されました。
オートポリスは前夜からの雨が降り止まず、霧の立ち込めるコンディションです。
気温は11℃ですが風も強いため体感温度は更に低くなります。
前日までの3ステージを走り抜いた選手にとってこのコンディションはかなり過酷なものとなりました。
最初の2周回はパレード走行ですが疲労や気温の低さもあり、早くも遅れる選手がいます。
4周回目で上位選手を含む25名の集団が形成されます。
先頭集団からも散発的にアタックがかかりペースは緩みません。
残り12周で先頭は10名に絞られます。
残り10周で鎌田選手(松山学院)篠島選手(福井科学)、山下選手(奈良選抜)3名が飛び出します。
3名は追走集団7名に最大1分40秒差までタイムギャップを広げます。
残り8周回の時点で運営本部から2周回減らすことが発表されます。
気温が上がらず、低体温症の選手が出ていることが考慮されました。
残り3周で追走集団がペースアップしタイムギャップを縮めにかかります。
このペースアップで1名が脱落し追走集団は6名になります。
最終周回までに追走集団はタイムギャップを20秒程度まで縮めるも追いつかず逃げ3名によるスプリント勝負となります。
スプリントは山下選手が制するも斜行判定により最終ステージは篠島選手の優勝となりました。
篠島選手はステージ2勝をあげると共にポイント賞を獲得しました。
鎌田選手はステージ3位で個人総合優勝を決めました。
完走者21名の厳しいステージとなりました。
個人総合トップ | ポイントトップ | 団体トップ |
鎌田晃輝選手(松山学院) | 篠島瑠樹選手(福井科学技術) | 松山学院 |