湿潤療法(ラッピング療法)!ロードバイクの擦過傷に最適!!
ロードバイクのトレーニングやレースをしていると落車することもあるよね!
落車でできた傷は治りにくくていつまでも痛いよ~
Contents
目次
落車すれば擦過傷(すり傷)!
ロードバイクトレーニングやロードレースで絶対避けたいのが落車です。
しかし長年ロードバイクに乗っていると落車はしてしまうもの。
ロードバイクの落車での擦過傷(すり傷)の治し方です。
落車すればほぼ間違いなく擦過傷(すり傷)ができるよ!
擦過傷の治し方の一つに湿潤療法(ラッピング療法)があります。
落車での対応方法についてはこちらの記事も参考に
擦過傷に湿潤療法
ラッピング療法って聞いたことあるな
湿潤方法は治りが早く、傷跡も残りにくい優れた治療法です。
しかしやり方を間違えると化膿したり、最悪の場合は敗血症などの重篤な病気になる可能性もあります。
正しい知識を付けて傷の手当をしましょう!
湿潤療法は優れた治療方法だけど、やり方を間違えると危険だよ!
擦過傷ってなに!?
擦過傷とは簡単に言えばすり傷です。
ロードバイクの落車で最も多いケガです。
すり傷のことを擦過傷っていうんだね!
落車すればほぼ間違いなく擦過傷ができます。
擦過傷は皮膚の表面に開放性の損傷が出来ることです。
落車などにより地面と強い摩擦が生じてできます。
この時に、砂などの異物が入り込むこともあります。
傷そのものは深くありません。
擦過傷でできる傷は深くないよ!
傷の範囲が広いのが特徴です。
皮膚の表面を傷つけるため、神経の末端を傷つけます。
このために強い痛みがあります。
擦過傷が痛いのは神経の末端が傷つくからなんだね!
傷の表面がざらざらになるので砂などの異物が取れにくくなります。
異物が付いたままになるのでそこから雑菌が入り込み、化膿しやすくなります。
砂が付いたままだと化膿するよ!
擦過傷は大量出血しないのが特徴です。
皮膚表面の毛細血管が傷つくだけなので血がにじみ出るようになります。
出血量は多くないので圧迫止血で簡単に止血できます。
圧迫止血法は簡単なのに優れた止血法!
覚えておいて損はないよ!
擦過傷の治り方
擦過傷の治り方は3つの段階に分かれるよ
①炎症期(受傷後4日~5日)
血管が収縮し炎症します。
4日間から5日間続きます。
②増殖期(受傷後3日~14日)
傷ついた血管が修復します。
毛細血管が発達します。
皮膚の表面は赤くなったままです。
③成熟期(受傷後2週間~6か月)
毛細血管が消退します。
赤かった皮膚表面が徐々に白っぽくなります。
傷跡が平坦になっていきます。
完全に治るには半年から数年かかります。
完全に治るのにこんなに長くかかるんだね
昔の擦過傷の治し方
年配の方が小さいころは転んで血が出たら赤チンやヨードランを塗られたことと思います。
赤チンやヨードランを塗る理由は傷口の消毒と乾燥です。
赤チンは2020年12月31日で販売が禁止されます。
赤チンってなくなるんだね・・・
傷口がジクジクしている状態は悪いものと考えられていました。
傷口がジクジクしているうちは治らないっていわれていたね!
①傷口に消毒液を塗る。
②ガーゼを当てて乾燥させる。
③かさぶたができる
④治る
という流れでした。
湿潤療法のいいところ
消毒薬は雑菌を殺せます。
しかし同時に再生しつつある細胞も殺してしまいます。
消毒薬は殺菌作用があるので消毒できるけど再生した細胞も殺してしまうよ!
再生組織は乾燥によって簡単に死滅します。
傷口をジクジクさせているのは滲出液(しんしゅつえき)です。
ジクジクするのは滲出液っていうんだね
滲出液とは細菌性の炎症を起こしたときに血管の外へしみ出てくる液体です。
滲出液は栄養が多く細胞を増殖させる成分がバランスよく含まれています。
滲出液には40種類を超える細胞成長因子が含まれています。
ガーゼで覆うと細胞を増殖させる優れた滲出液を除去してしまいます。
ガーゼで覆うとせっかくの滲出液を吸収してしまうよ
細胞を再生させるには消毒や乾燥ではなく滲出液で湿潤を保った方がいいという考え方が生まれました。
これが湿潤療法です。
湿潤療法は滲出液で治すんだね!
湿潤療法のやり方
湿潤療法は1960年代には効果が証明されていました。
1970年代になると湿潤療法のための傷口を覆う被覆材が市販されます。
意外と歴史があるよ
湿潤療法には3原則があります。
- 傷は消毒しない
- 乾かさない
- 水道水でよく洗う
滲出液を保持することで痛みが少なく治療が早くなります。傷跡が残りにくいことも特徴です。
滲出液を清潔な状態で保つのがポイント!
湿潤療法のやり方
- 生理食塩水や流水で傷口の砂をきれいに洗い流す
- 目に見える砂や石はピンセットで取り除く
- 砂が取れない場合は湿ったガーゼで軽く傷口の表面を撫でる
- 市販の被覆材を貼る
サランラップ療法の危険性
湿潤療法の最も簡易的なものはサランラップで覆うことです。
サランラップには問題点があります。
サランラップには水蒸気の浸透性がありません。
夏場は悪臭がして化膿しやすくなります。
感染症にかかる可能性も高くなります。
湿った状態は細胞が再生しやすいと同時に細菌も増殖しやすくなります。
サランラップは応急的な方法と考えた方がいいです。
現在市販されている湿潤療法の被覆材はポリウレタンテープが主流です。
ポリウレタンテープは伸縮性があるので関節も覆うことができます。
皮膚呼吸を妨げないのも特徴です。
汗が多くてもはがれにくくなっています。
サランラップを使うやり方は応急処置。
市販されている被覆材を使おうね!
湿潤療法のまとめ
落車すればかなりの確率で擦過傷(すり傷)ができます。
昔は擦過傷を消毒して乾燥させ治療していました。
しかしその方法だと再生細胞を殺し、滲出液を有効活用できません。
痛みがあり、治りも遅く傷跡が残りました。
そこで滲出液を保持する湿潤療法が生み出されました。
湿潤療法は傷口を流水で流し、被覆材で覆って治します。
被覆材にサランラップを使う方法もありますが感染症の可能性が高くなります。
安全に治すには市販の被覆材を使いましょう。