ロードバイクのレースやトレーニングで必要な炭水化物量の計算方法と炭水化物酸化量を維持する方法

Contents

ロードバイクに炭水化物が必要な理由

炭水化物はペダルを回すエネルギー源

炭水化物は、体に燃料を供給する重要な栄養です。
1gあたり4㎉あります。
ロードバイクのペダルを回す原動力になります。
炭水化物は、筋肉や肝臓にグリコーゲンとして蓄えられます。
蓄えられる量は1500㎉から2000㎉です。
筋肉や肝臓で蓄えられる量は決まっています。
貯蔵量以上の炭水化物は肝臓で脂肪に変換され、エネルギー源として蓄えられます。

脂肪についてはこちらの記事を参考に

【ロードバイクと食事】ロードレーサーにとって「良い脂質」「悪い脂質」 脂質を知れば速くなる!

炭水化物の枯渇は疲労の最大要因

体内の炭水化物が少なくなると、低血糖になりペダルを漕げなくなります。
この状態がハンガーノックです。
ロードバイクなど、長時間の運動で疲労する大きな原因は糖質の枯渇です。

VO2MAXの80%以上でペダルを漕ぐと、エネルギー源の大半は炭水化物になります。
筋肉に蓄えられた筋グリコーゲンと、血液に溶けた血中グルコースが、筋収縮に最も重要な栄養素です。

競技時間が2時間を超えるマラソンは、後半に失速する「30kmの壁」があります。

「30kmの壁」は、筋グリコーゲンの低下が大きく影響していると考えられています。

ロングライドで100kmを超えると、糖質が枯渇して失速しやすくなります。

肝臓に蓄えられるグリコーゲンは100g程度とされています。

長時間ロードバイクに乗るには限界があります。
筋グリコーゲンと血中グルコースを高く保つことで、長時間に渡って高いパフォーマンスを発揮できます。

ロードバイクにおいて、炭水化物の補給は非常に重要です。

ロードバイクの疲労についてはこちらの記事を参考に

なぜロードバイクは疲れるのか 3種の疲労とその原因

ロードバイクに大切な炭水化物とは

炭水化物=糖質+食物繊維

糖質と食物繊維を足したものが、炭水化物です。
エネルギー源になるのは、糖質です。
食物繊維は、エネルギー源にはなりません。
糖質は体内で分解され、単糖類になります。
単糖類は、グルコースとフルクトースがあります。
細胞内にあるミトコンドリアがグルコースを使ってエネルギーを作ります。

ミトコンドリアについてはこちらの記事を参考に

ミトコンドリア増殖でロードバイクが速くなる理由と効率的な増やし方

毎日の炭水化物摂取量

ロードレーサーが一日に必要な炭水化物の量

通常のトレーニング量の人に必要な炭水化物の量は、体重1kgあたり5gから12gです。

トレーニングの頻度や量によって、必要な炭水化物の量は大きく異なります。
極度にトレーニング量の多い人は、体重1kgあたり12g程度摂る必要があります。
体重が60kgの人なら必要な炭水化物の量は、300gから720gになります。
現実的にはあり得ませんが、全て白米から摂る場合は3合から7合になります。

貯蔵量を増やせばロードバイクが速くなるとは限らない

日常生活で糖質を摂る目的は、筋肉や肝臓にグリコーゲンを貯蔵させることです。
炭水化物の摂取量が多ければ、筋肉や肝臓に貯蔵される量が増えます。
貯蔵量が増えれば、必ずロードバイクが速くなるとは限りません。
貯蔵量を限界まで増やすことが、パフォーマンス向上に繋がる訳ではないとする研究もあります。

貯蔵量を増やせば体重が増加する理由

体内のグリコーゲン貯蔵量が増えると、体重が増加する場合があります。

グリコーゲンを貯蔵するには、水が必要です。
グリコーゲン1gを貯蔵するのに必要な水は3gです。
グリコーゲンの貯蔵量が増えると、体重が増加します。

ダイエットについてはこちらの記事を参考に

ZWIFTでダイエット 必ず成功する3ステップ

レースやトレーニング中の炭水化物摂取量

必要量は時間と強度で変わる

炭水化物の消費量は、トレーニングの強度と時間で変わります。
トレーニング強度が高く、時間が長いほど多くの糖質を必要とします。
トレーニング中は、グリコーゲンの合成がほぼなくなります。
トレーニング中に摂取した炭水化物のほぼ全ては、筋肉を動かすことに使われます。

複雑な炭水化物は吸収されにくい

炭水化物は複雑なほど、吸収に時間がかかります。
食物繊維を含む豆類は、吸収に1時間から2時間を要します。
食物繊維があるほど、吸収に時間がかかります。

食物繊維は糖質の消化・吸収を阻害し、抑制する作用があります。
トレーニング中は、単純な炭水化物を摂るようにします。
吸収速度が速いことが重要です。

体重が重い人と軽い人の炭水化物摂取量が同じな理由

炭水化物摂取量の上限を決める要因は、吸収速度です。
炭水化物の吸収速度と体重は関係がありません。
体重が重い人と、軽い人の吸収速度に差はありません。
従って、炭水化物の摂取量は体重当たりではなく、絶対量で決める必要があります。

レースやトレーニング中は単糖類を摂る

グルコースやフルクトースなどの単糖類は、15分から20分で吸収されます。
グルコースはブドウ糖です。
フルクトースは果糖です。
フルクトースはバナナなどの果物に多く含まれます。
トレーニング中の糖質摂取の目標値は1時間あたり60gから90gです。
吸収力に優れる人は、もっと多くの糖質を摂ることもできます。
1時間あたり60gから90gの炭水化物を摂取した場合、20kmタイムトライアルのタイムが短縮できたとする研究もあります。

ようかんに含まれる砂糖はバナナより吸収されやすい

ようかんに含まれる砂糖は、グルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)が1:1の割合で合わさったものです。
グルコース:フルクトース=2:1の場合は60gから90g吸収することができます。
グルコース:フルクトース=1:1の場合は140g吸収できるとする研究があります。
ようかんに含まれる砂糖は、バナナよりも多くの糖質を吸収できる可能性があります。

ようかんを1時間毎に1本から2本食べる

ようかんで糖質を摂取する場合の目安は、60gの製品なら1時間あたり1.5本程度になります。
トレーニング中の糖質摂取量は人によって大きく異なります。
自分のベストな量を見つけるには試行錯誤が必要です。
トレーニング中の糖質摂取は必ず必要ですが、過剰摂取は体調不良になります。

ようかんについてはこちらの記事を参考に

ロードバイクの補給食に「ようかん」が最適な理由

短時間のトレーニングは中枢神経系の刺激を目的に摂取

30分から60分の比較的短時間なトレーニングに、多量の炭水化物摂取は必要ありません。
短時間のトレーニング中に炭水化物を摂取すると、中枢神経系が刺激されます。
短時間のトレーニングで体内の糖質が枯渇することはありません。
短時間のトレーニングで炭水化物を摂取すると、中枢神経が刺激され、パフォーマンスが向上します。
中枢神経の刺激は少量の炭水化物摂取で可能です。

短時間のレースやトレーニングでは、少量の糖質を摂って中枢神経系を刺激しましょう。

補給についてはこちらの記事を参考に

ロードバイク補給 水分・カロリーの適正量を知る方法

レースやトレーニング後の炭水化物摂取

炭水化物は、貯蔵量が少ない時ほど吸収されやすくなります。

レースやトレーニング後は、炭水化物の貯蔵量が枯渇しています。

レースやトレーニングの30分後から40分後は吸収速度が速くなります。

その後、吸収速度は落ちていきますが、48時間は高い状態が維持されます。

レースやトレーニング後の炭水化物の補給は、食事から行います。

その際、タンパク質も同時に摂ります。

炭水化物:タンパク質=4:1が理想的です。

理想の食事についてはこちらの記事を参考に

食事のPFCバランスを整えて最速ロードレーサーになる方法

炭水化物の吸収量をトレーニングで増やすことは可能か

腸は鍛えられるのか

炭水化物を吸収するのは、腸です。

腸の中でも、小腸中部で吸収されます。

腸の表面積が大きく、流動が速い人はグルコース吸収が促進されます。

自律神経や消化管ホルモンも影響します。
グルコースの吸収能力が上がれば、多くの炭水化物を摂取できるようになります。
腸はトレーニングが可能と言われています。
トレーニング中に多くの炭水化物を摂る事で、吸収能力がアップする可能性が示されています。
高炭水化物食を28日継続した場合、炭水化物の酸化率が上昇した研究もあります。

血糖値を維持する能力である血糖上昇閾値(GT)を鍛える

以前は、VO2MAXやLT(乳酸性作業閾値)がロードバイクの能力を決めると考えられていました。

近年になり、血糖値もVO2MAXやLTと同じくらい重要な指標であると考えられています。

VO2MAXについてはこちらの記事を参考に

ロードバイク VO2MAXとFTPの深い関係

LTについてはこちらの記事を参考に

乳酸閾値(LT)トレーニングを冬にやるべき理由と方法

血糖値の運動強度に対する閾値は、血糖上昇閾値(GT)と呼ばれています。

GTとLTは運動強度と相関関係があります。

ロードバイクにおいて、VO2MAXの70%から85%でペダルを漕ぐには、炭水化物酸化量を高く保つ必要があります。

血糖値が低下すると、VO2MAXの40%から60%しか維持できなくなります。

ロードバイクなど長時間の運動は、血糖値を保つ能力が必要です。

この能力は、レース後半にかけてますます重要になります。

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