ロードバイクが速くなる鳥ハムで食中毒にならないために注意すべきこと

Contents

鳥ハムを食べてロードバイクが速くなる

鳥ハムとは、鶏むね肉を低温調理して食べやすくしたものです。

鶏むね肉は、高温で焼くとパサパサした食感になります。

鶏の部位の中でも、最も脂質が少ないのでパサついた食感になります。

鳥ハムは、パサつかない程度の温度でじっくりと加熱するのでコンビニで売っている商品と同じ食感が再現できます。

鶏むね肉は、100gあたり23gのタンパク質が含まれています。

一般的な大きさの鶏むね肉を1枚食べると、約50gのタンパク質を摂取できます。

ロードバイクトレーニングをしている人に最もおススメな食事が、鶏むね肉を低温調理した鳥ハムです。

鳥ハムについてはこちらの記事を参考に

【ロードバイク】鳥ハムの作り方!低温調理を使って安心・安全・食中毒防止!!

鳥ハム作りに最適!低温調理器 アイリスオーヤマ LTCー01

低温調理は、焼く・煮る・蒸すに次ぐ第四の調理法とも呼ばれています。

低温調理は、正しいやり方に従えば焼くよりも食中毒の危険性は低くなります。

低温調理は、食材の温度を0.5℃刻みで完璧にコントロールできるためです。

しかし、間違った方法で調理すると、食中毒菌が爆発的に増殖します。

低温調理器の普及により、家庭は飲食店で低温調理された肉を食べる機会が増えました。

中には、加熱が十分でない場合もあります。

YouTubeなどのSNSでも、間違った加熱時間を紹介しているものが多数あります。

適切な加熱時間は、計算により求められるようになっています。

低温調理する場合は、食材の種類や厚さによって加熱時間を変える必要があります。

鳥ハムの材料となる鶏むね肉に含まれる主な食中毒菌はカンピロバクターとサルモネラ菌です。

カンピロバクターとサルモネラ菌は、十分な加熱で死滅させることができます。

しっかりと加熱することで、食中毒を防ぐことができます。

危険なカンピロバクター

鳥ハムで食中毒の原因になるのが、カンピロバクターです。

カンピロバクターは牛や豚、鶏の排泄物にいます。

鶏肉に特に多いです。

スーパーなどで売られている鶏肉は高確率でカンピロバクターに汚染されています。

カンピロバクター

鶏肉の加熱が不十分だとカンピロバクターによる食中毒になります。

南九州では生の鶏肉を食べる習慣がありますが、加工技術が不十分な鳥刺しを食べた場合も同じです。

2016年のゴールデンウイークに開催された「肉フェス」でハーブチキンささみ寿司を食べ、49人がカンピロバクターによる食中毒になる事件もありました。

4月28日から5月8日まで東京・お台場で開催された「肉フェス TOKYO 2016 春」の来場者が発熱、腹痛、下痢などを訴えた問題で、都の福祉保健局は16日に調査結果を発表し、食中毒と断定した。

「肉フェス TOKYO 2016 春」では、「ハーブチキンささみ寿司」を食べた8歳から41歳までの男女49名が、下痢・腹痛・発熱・頭痛などの症状を訴え、3名が入院。江東区保健所が調査したところ、複数の患者からカンピロバクターを検出した。イベントを主催したFood Nations実行委員会は、「出店店舗の衛生管理について周知徹底を図ってまいりましたが、このような事態を招く事となり、発症された皆様とそのご家族、関係者の方々に対し、心より深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

食中毒のイラスト

カンピロバクターは、乾燥に弱く低温に強い特徴があります。

空気中では長時間生きる事ができません。

調理器具を乾燥させることで死滅します。

低温には強く、冷蔵庫内でも死滅しません。

冷凍するとある程度死滅しますが、完全にはいなくなりません。

海外の調査では汚染率が生で40%、1日冷凍すると24%、7日冷凍で12%でした。

冷凍によりある程度汚染率が下がるのでアイスランドやデンマーク、ニュージーランドでは鶏肉の冷凍が義務付けられています。

輸入肉によるカンピロバクター食中毒が少ないのは冷凍が要因と言われています。

カンピロバクターは食品中では増殖しにくい特徴があります。

適切に調理された食事では増えることはありません。

カンピロバクターは、少量でも食中毒になります。

汚染された肉は味見程度の量でも危険です。

5月から6月が、最も多くなります。

食中毒原因で一番多いのが、カンピロバクター菌です。

汚染された肉を食べると5日間から7日間は潜伏期間があり、無症状です。

その後消化管の症状が現れます。

吐き気や嘔吐、下痢、腹痛の症状があります。

下痢は100%の確率で出現します。

腹痛はとても強く、虫垂炎と間違うこともあります。

血便が出る確率も高いです。

90%の確率で38℃から40℃の発熱があります。

症状は1週間程度続きます。

治療は対処療法が基本です。

治療しなくても1週間で自然と治ります。

下痢症状による脱水になりやすいので経口補水液による水分補給が大切です。

下痢止めはカンピロバクターが排出できなくなるので逆効果です。

死亡例はありません。

カンピロバクターによりギランバレー症候群に罹患することが近年になり分かってきました。

ギランバレー症候群とは筋肉が麻痺する病気です。

細菌に対する抗体が自分自身の末梢神経を攻撃するために起こります。

10万人あたり1人から2人の割合で発症します。

死亡率は2%から5%で重症化することは少ないです。

ギランバレー症候群の患者の少なくとも30%がカンピロバクターの先行感染がありました。

階段の上り下りができなくなったりします。

呼吸に関わる筋肉が麻痺することで呼吸困難に陥ることもあります。

筋肉系youtuberの芳賀セブンさんがギランバレー症候群により入院しました。

芳賀セブンさんは体に力が入らないのは減量のせいだと最初は思っていました。

しかし、ペットボトルの蓋が開けられない、階段の上り下りが困難になるなどの症状が出て救急搬送されてしまいます。

※カンピロバクターとの関連性は不明です

芳賀セブンさんがギランバレー症候群になった原因がカンピロバクターであるかは不明です。

ギランバレー症候群は下痢や発熱など感染性腸炎の症状があった1週間から4週間後に手足の筋肉が低下します。

力が入らなくなると同時にしびれや痛みがあることもあります。

発症後4週間で徐々に症状は改善します。

多くの場合、半年から1年後に元に戻ります。

しかし20%の患者は1年後にも何らかの神経障害が残ります。

死亡率は2%から5%です。

生肉を汚染するサルモネラ菌

鶏むね肉は、カンピロバクターの他に、サルモネラ菌にも汚染されています。

サルモネラ菌は、生肉の他に犬や猫などのペットからも感染します。

食品としては、卵を介しての食中毒が最も多いくなります。

サルモネラ菌は、生物の腸に存在します。

乾燥に強く、様々な環境でも生き残るため食中毒を引き起こす原因になります。

サルモネラ菌は、カンピロバクターよりも潜伏期間が短く8時間から48時間です。

下痢、嘔吐、発熱といった症状が出ます。

サルモネラ菌と同じく、治療は対処療法となります。

多くは3日から4日で自然治癒します。

免疫力が低いと、サルモネラ菌が血液を通して全身に広がる事があります。

鶏むね肉に含まれる主な食中毒菌はカンピロバクターとサルモネラ菌です。

カンピロバクターはサルモネラ菌より熱に弱いので、サルモネラ菌を死滅させる温度を加えればカンピロバクターも死滅します。

カンピロバクターやサルモネラ菌は、適切に加熱すれば安全な程度に死滅します。

サルモネラ菌を死滅させる温度は、下の表の通りです。

63℃8分42秒
60℃35分
57.8℃1時間21分24秒
サルモネラ菌のバスチャライゼーション

カンピロバクターは30℃から40℃で爆発的に増殖します。

増殖温度は31℃から46℃です。

鳥ハムを作る時は、この温度になる時間を極力少なくする必要があります。

加熱が大切!

低温調理は、鶏むね肉だけでなく豚肉や牛肉など様々な種類に応用できます。

食材や厚さによって、加熱温度と加熱時間を変える必要があります。

その際に使うのがD値です。

D値とは、ある温度で生菌数を10分の1にする時間です。

鶏むね肉に含まれるサルモネラ菌の場合、D値は50℃で5分、60℃で9.3分です。

温度を上げれば、加熱時間は短くなります。

安全に食べるには、生菌数を6Dレベルにする必要があります。

6Dレベルで加熱した場合、生菌数は10⁻⁵=10万分の1まで減らせます。

このレベルまで生菌数を減らせば、安全に食べられるとされています。

60℃の場合、D値は9.3分なので、6Dにするには9.3分×6=55.8分加熱する必要があります。

ここで注意が必要なのは、肉の中心部をこの温度と時間で加熱する必要がある事です。

15mmの板状の肉は、中心温度が周囲の水温と同等になるには35分必要です。

従って、15mmの鶏むね肉を60℃で安全に加熱するには55.8分+35分=90.8分必要となります。

温度を上げれば、時間はすくなくなります。

Z値を使えば、温度と時間の関係を計算することができます。

熱湯につける方法では温度管理が難しいので安心・安全に鳥ハムを作るには低温調理器がおススメです。

肉を切った調理器具はすぐに洗って乾燥させましょう。

カンピロバクターは乾燥に非常に弱いです。

乾燥状態では数時間で死滅します。

サルモネラ菌は乾燥に強いので、注意が必要です。

十分な量の熱湯をかけることでも殺菌できます。

70℃では2分半で死滅します。

調理前の胸肉を洗うのは避けましょう。

洗う時の水しぶきにカンピロバクターが含まれています。

水しぶきがシンク内で飛び散ると食中毒の原因になります。

生野菜の近くで調理するのも危険です。

調理した手にもカンピロバクターが付着しています。

鳥ハムを作った後はしっかりと手洗いしましょう。

作った鳥ハムは、粗熱をとってすぐに冷やしましょう。

30℃から40℃になる時間を少なくするためです。

数日で食べきれるなら冷蔵でかまいませんが、大量に作った場合は冷凍しましょう。

適切に加熱すれば食品中で増殖することはありませんが、冷凍することでより安全性が高まります。

Follow me!

<応援クリックお願いします!> ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です