ロードバイクトレーニング的高地トレーニングのすすめ やり方からメリット・デメリットまで解説!

ロードバイクで高地トレーニングって酸素が薄いから強くなるイメージがあるけど

高地トレーニングにもメリット・デメリットがあるよ!

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Contents

高地トレーニングのメリット

ロードバイクトレーニングだけでなく、トライアスロンや陸上の選手も高地トレーニングします。

高地トレーニングのメリット、デメリットは何でしょうか。

一番大きな違いは平地に比べて酸素が薄いこと!

酸素が薄いとどうなる!?
高地は平地と比べて空気が薄いです。

高度が上がると気圧や気温が低下するので空気が薄くなります。

標高が上がっても空気が薄くなるだけで酸素濃度は平地と同じ約21%だよ!

空気が薄くなるので空気抵抗が減ります。

標高1000mを超えると短距離種目は良い記録が出やすくなります。

逆に長距離種目は酸素不足によりパフォーマンスが低下します。

標高が2000mを超えると酸素運搬能力に影響が出始めます。

体に大きな影響が出るのは標高2000m以上!

標高5000mを超えると人体への悪影響は深刻なものになります。

標高8000m以上はデス・ゾーンと呼ばれ、人体が順応することは不可能です。

エベレストの頂上付近の標高だね

デス・ゾーン

高地順化での体の変化

EPOの上昇

高地ではすぐにEPOが上昇するよ!

EPOって?


酸素の薄い環境に滞在するとEPOが上昇します。
EPOとはエリスロポエチンのことです。
EPOは血液中で酸素を運搬する役割である赤血球を作るように指示する物質です。

EPOは赤血球を作るように指示する物質


EPOが上昇すると赤血球の数が増え、酸素運搬能力が高まります。
同じ強度でトレーニングしても疲れにくい体になります。
EPOは製剤でも摂取できますが、血液ドーピングとなるため禁止されています。

EPOを使ったドーピングが1990年代から2000年にかけて行われていたよ!

ミトコンドリアの増加
低酸素でトレーングすることによりミトコンドリアも増加します。
ミトコンドリアは細胞内でエネルギーを作る役割があります。

ミトコンドリアについてはこちらの記事を参考に

【ロードバイク】ミトコンドリアを増やしてVo2max上昇!

酸素運搬能力の向上
高地順化すると毛細血管が発達します。
EPOの上昇、赤血球数の増加、毛細血管の発達により高地でトレーニングすると酸素摂取能力が向上します。
標高2500m程度の酸素濃度でトレーニングすると疲労困憊までの時間が9分間短くなります。
最大心拍数は変化しません。
最大酸素摂取量は15%低下します。
血中乳酸濃度は変化しません。
ただし高地では低地に比べて血中乳酸濃度が急上昇します。

最大心拍数は変わらないけど最大酸素摂取量が低くなるよ!

同じ強度でも無酸素運動になりやすくなるんだね


無酸素運動に切り替わるのが早くなります。
筋肉への酸素供給能力が低下するためです。

高地トレーニングのデメリット

高地トレーニングは良い事ばかりじゃないよ!


高地順応できない人もいる

メリットばかりではない!

高地では体調管理が難しい!


高地に滞在すると体調管理が難しくなります。
標高2000m相当の低酸素環境に滞在しトレーニングすると多くの選手が4日目から5日目に体調不良になります。
低酸素環境により体の回復が遅れるためです。

高地に順応できるかどうかは個人差が大きいよ!


低酸素環境に順応できるかは個人差が大きいです。
標高2200mの環境で心拍数160回/分の運動を行いました。
動脈血酸素飽和度(SPO2)を測定すると86%から93%と大きな差がでました。

SPO2は動脈血の酸素濃度のこと
通常は99%から100%だよ


SPO2が低くなりやすい人は高地環境で体調不良になりやすい傾向がありました。
SPO2が低くなりやすい人が高地トレーニングを繰り返しても順応性が高い人と同じになることはありませんでした。

高地が向かない人がトレーニングによって改善することはないんだね・・・


トレーニングの質・量の低下

高地では平地と同じ強度のトレーニングができないよ!

同じ強度のトレーニングでも平地より疲れやすいので運動強度が下がります。
低酸素の環境では血漿量が減ります。
血漿量が減ることで血液の粘性が上がります。
その結果、筋肉への血流量が減少し筋力が低下します。
標高2000mから2500mに30日間滞在しました。
最初の2週間は筋力が低下しましたが4週間目に元に戻りました。

高地に長期間滞在することでトレーニングの質も上げる事ができるよ!

高地トレーニングに効果のある標高・日数

標高何メートルに何日くらい居れば効果があるの?

標高2000m以上が効果的
標高2000m以上に滞在すると直後からEPO分泌量が上昇します。
EPO分泌量の上昇は2日後から3日後がピークです。

EPOが分泌されてから赤血球が増えるまではタイムラグがあるよ!


1週間程度ではヘモグロビン濃度や赤血球数に変化はありません。
有意に上昇するまでには20日間以上かかります。

赤血球が増えるには3週間程度かかるんだね


骨髄で赤血球新生が開始されて血液中に放出されるには日数が必要です。
Vo2maxを上昇させるためにはヘモグロビン濃度や赤血球数の増加が必要です。
確実にVo2maxを上げるには高地環境に3週間から4週間滞在する必要があります。

効果的なのは標高2000m以上に3週間から4週間滞在してトレーニングすること!

大変だね・・・

無酸素能力は短期間で向上

無酸素能力はもっと短い期間で上がる可能性があるよ


無酸素能力は短期間で上昇する可能性があります。
高地環境では有酸素的代謝機能が抑えられます。
その結果、無酸素的代謝機能が亢進されるためと考えられます。
高地環境に10日間滞在すると400m走のタイムが短縮されたとするデータもあります。

高地では最大パワーはあまり低くならないけど回復に時間がかかるよ!


高地環境でも最大パワーはあまり低下しません。
最大パワーは無酸素域運動になるので酸素を使わないためです。
しかし、無酸素パワーインターバルをする場合は回復に時間がかかります。

高すぎる標高はデメリット

標高は高ければ高いほど良いの?

標高3000mを超える高地でのトレーニングは否定的な結果が出ています。

効果的な高地トレーニングは標高2000mから2500mです。

日本では標高3000mを超える高地トレーニングは難しいね!

低地で過ごして高地でトレーニング Living Low Training High法

高地トレーニングのデメリットを打ち消す方法も考えられているよ!

高地で過ごすことによる体調悪化を軽減するための方法です。

トレーニングのみ高地で行うことで体調不良を防ぎ、疲労を回復させることができます。

標高3000m程度に設定した低酸素室で5日間トレーニングしました。
低地でトレーニングした人に比べてVo2maxが上昇することが分かりました。

1時間程度の高地トレーニングでも効果があることが分かったよ!

高地で過ごして低地でトレーニング Living High Training Low法

トレーニングの質を保つために低地でトレーニングして高地で過ごす方法だよ!

高地トレーニングのデメリットであるトレーニングの質の低下を防ぐ方法です。
標高2500mに滞在し、トレーニングは標高1300mで行いました。
標高の低い所でトレーニングすることによりトレーニングの質を保つことが出来ました。
結果としてVo2maxが5%上昇し、5000mのタイムが縮まりました。

この方法は高地順応できない人には不向きだよ!

トレーニングせずに高地で過ごすだけだと効果あるの?

トレーニングせずに高地に滞在する
標高3000mにトレーニングせずに滞在しても血液性状は変化しませんでした。

高地で過ごしてもトレーニングしないと強くならないよ!

国内で出来る!高地トレーニング

高地トレーニングと言えばアメリカのコロラド州にあるボルダーが有名です。

高地トレーニングで有名なボルダーの標高は約1700mだよ!

アリゾナ州になあるフラッグスタッフ(標高2100m)や中国の昆明(標高1900m)も有名です。

国内で高地トレーニングできる場所は限られています。

高地トレーニングが最も盛んなのは長野県です。

長野県は高地トレーニングに最適!

長野県 東御市 GMOアスリーツパーク湯の丸

長野県東御市には「GMOアスリーツパーク湯の丸」があります。

GMOアスリーツパーク湯の丸は標高1735mにあるよ!

GMOアスリーツパーク湯の丸には日本で最も高所にある400mトラックと国内唯一の高地トレーニング専門屋内プールがあります。

長野県 菅平高原

菅平高原は標高1200mから1600mにあり、高地トレーニング合宿が盛んに行われています。

菅平高原は箱根駅伝出場大学も合宿しているよ!

長野県 小諸市

小諸市の浅間山周辺には標高2000mの高地が広がっています。

小諸市にはチェリーパークラインと呼ばれる車坂峠があります。

平均斜度が8.8%で標高2000mまで上がれます。

標高差は940mです。

山形県 蔵王坊平アスリートヴィレッジ

蔵王坊平アスリートヴィレッジ」は標高1000mにあります。

ナショナルトレーニングセンター(NTC)競技別強化拠点に指定されています。

一般の人でも宿泊できます。

各種のトレーニング室や低酸素室もあるので標高は低いものの、高地トレーニングを体感したい人には向いています。

標高は低いものの、トレーニング施設が充実しているよ!

岐阜県 飛騨御嶽高原高地トレーニングエリア

飛騨御嶽高原高地トレーニングエリア」は標高1200mから2200mにあります。

ナショナルトレーニングセンター(NTC)競技別強化拠点に指定されています。

日本陸連の強化合宿にも使われています。

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高地トレーニング まとめ

  • 高地トレーニングのメリットはEPOの上昇、赤血球数の増加、毛細血管の発達による酸素運搬能力の向上
  • ミトコンドリアも増加する
  • デメリットはトレーニングの質の低下
  • 高地順応できない人もいる
  • 高地トレーニングには標高2000mから2500mが適している
  • 期間は3週間から4週間が効果的
  • 標高3000mを超えるとデメリットが大きい
  • 高地で過ごして低地でトレーニング Living High Training Low法や低地で過ごして高地でトレーニング Living Low Training High法がある
  • 国内で高地トレーニングできる場所は長野県に多い
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