ロードバイクのための筋トレをTSSで数値化し、レースに活用する方法

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筋トレがロードバイクに与える影響
バーベルや自重を使った筋トレ(レジスタンストレーニング)は、ロードバイクのパフォーマンス向上に欠かせないものです。
ロードレースは有酸素運動であり、レース中に必要なエネルギーの多くは有酸素回路で生成されます。
筋トレは有酸素トレーニングではありませんが、多くのメリットがあります。
スプリント力の向上、体幹の強化、骨密度の向上、関節可動域(ROM)の増加などです。
ロードバイクは、ペダルを漕ぐという特殊な動きです。
ロードバイクのみでトレーニングしていると、長期的には故障の可能性が高くなります。
筋トレを行うことでバランスの良い身体になることができます。
筋トレについてはこちらの記事を参考に

筋トレをTSSで数値する目的
筋トレは、ロードバイクのパフォーマンスを向上させるために行います。
ロードバイクのパフォーマンス向上を妨げてはいけません。
筋トレの量を数値化することで、強度や疲労を管理することができます。
数値化はTSSを用います。
TSSとはトレーニング・ストレス・スコアの略です。
TSSについてはこちらの記事を参考に
【ロードバイク】TSSのトレーニングへの活用方法と4つの限界
トレーニングの全てをTSSで数値化することで、全体のトレーニングボリュームが管理しやすくなります。
筋トレのTSSは、パワーメーターから算出されるTSSのように厳密ではありません。
ベースとなるのは「自分が感じた疲労感」です。
人によって感じる疲労感は大きく異なります。
同じ人でも、時期やトレーニングの進捗状況で大きく異なります。
筋トレのTSSを算出することの目的は、ワークアウトの数値化です。
筋トレを数値化することで、レース前の調整がやりやすくなります。
疲労を管理し、長期的なパフォーマンス向上が期待できます。
最も重要なことは、筋トレにより成長が実感できるか、です。
疲労についてはこちらの記事を参考に

筋トレをTSSで数値化し、活用するための3ステップ
ステップ① 筋トレをRPEで表す
1回の筋トレを行った時の疲労度をRPEで表します。
RPEとは、主観的運動強度を意味します。
筋トレが「どの程度きつかったか」を10段階で表します。
RPE | 主観的強度 |
0 | 疲労を感じない |
0.5 | 非常に楽 |
1 | かなり楽 |
2 | 楽 |
3 | わずかに疲労 |
4 | やや疲労 |
5 | 疲労 |
6 | かなり疲労 |
7 | かなり疲労 |
8 | 非常に疲労 |
9 | 非常に疲労 |
10 | 疲労困憊 |
筋トレを1時間かけて行い、RPEが6だった場合はTSSは60となります。
ステップ② 筋トレの総重量を算出
筋トレで扱った総重量を計算します。
下の表のメニューで筋トレを行ったとします。
スクワット | デッドリフト | ベンチプレス |
30kg×10回 | 40kg×10回 | 30kg×10回 |
40kg×10回 | 60kg×10回 | 40kg×10回 |
60kg×10回 | 80kg×10回 | 45kg×10回 |
80kg×10回 | 100kg×10回 | 50kg×10回 |
扱った総重量はスクワットが2.1トン、デッドリフトが2.8トン、ベンチプレスが1.65トンです。
総重量は6.55トンです。
スクワットについてはこちらの記事を参考に
ロードバイクが速くなるスクワット徹底解説【フォーム・効果・注意点】
自重トレーニングで筋トレを行う場合は、「腕立て伏せ1回で20kg」などの基準を自分で決めます。
自重トレーニングは体重やフォームにより負荷が大きく変わります。
同じ腕立て伏せでも体重や手の幅、下げる距離などにより体にかかる負荷は全く異なります。
自重トレーニングを数値化するには、バーベルなどを用いた筋トレよりも更に主観的になります。
ステップ③ 1TSS当たりの重量を計算
筋トレを1時間かけて行い、RPEが6だった場合、TSSは60です。
筋トレが30分でRPEが6の場合、TSSは30です。
1時間でTSS60の場合
【6.55÷60≒0.1トン(100kg)】
1TSS当たりの重量は0.1トンとなります。
1TSS当たりの重量を算出することで、筋トレのボリュームを増やす際の目安になります。
週当たりの筋トレのTSSを20増やしたい場合は、使用総重量を【20×0.1トン=2トン】増やします。

心拍数を使ったTSSは筋トレの指標にならない理由
VO2MAXを超えるトレーニングで心拍数は指標にならない
心拍数を使って、トレーニングのストレスを数値化する方法もあります。
心拍数は、運動強度の上昇に対して直線的に増加します。
しかし、直線的に増加するのはVO2MAX強度までです。
VO2MAXを超える強度では、心拍数は増加しなくなります。
最大心拍数は人によって異なりますが、200bpm程度です。
そのため、VO2MAXを超えるトレーニング強度では心拍数は全く反映されません。
心拍数は筋トレの指標にならない
筋トレは、多くのセットが30秒から1分程度です。
強度は高いですが、時間は短いです。
心拍数が反応する前にトレーニングが終わります。
心拍数が反応したとしても、強度が高いためストレスを正確に反映させるのは困難です。
筋トレのTSSをロードレースへ活用する方法
目的とするレースの10週間から12週間前は、レース準備期です。
筋トレにより、筋力を向上させる必要があります。
週2回程度の筋トレを行います。
レースの3週間から4週間前は、パワーの向上に注力します。
筋トレは回数とセット数を少し減らします。
筋トレのTSSは、減少します。
ロードバイクのトレーニングとのバランスを考えます。
筋トレの頻度は、週1回から2回にします。
ストレッチを多く取り入れ、体のメンテナンスを重視します。
レース1週間から2週間前は、筋トレをかなり減らします。
ロードバイクに特化した体を心がけます。
ロードバイクのトレーニングに、筋トレが影響を与えないようにします。
レースのある週は、月曜日に筋トレを行います。
疲労を抜くことが最重要です。
レースについてはこちらの記事を参考に
