ロードレースのテーパリングが失敗する5つの原因

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大切なレースで最高のパフォーマンスを発揮するテーパリング

ロードレース当日に最高のパフォーマンスを発揮するには、テーパリングが必要です。

テーパリングとは、徐々に疲労を抜き最高のコンディションを作り上げることです。

テーパリングは主に2種類の方法があります。

レース前にトレーニング量を大幅に上げ、その後に休息期間を作るのが「超回復理論」です。

「疲労は早く低下するが、パフォーマンスはゆっくり低下する」という特徴を利用したのが「フィットネス理論」です。

以前は、超回復理論に基づくテーパリングが行われていました。

現在は、フィットネス理論に基づくテーパリングが主流です。

失敗しないテーパリングのために、先ずはこれらの理論を理解することが最も重要です。

「超回復理論」と「フィットネス理論」についてはこちらの記事を参考に

【ロードバイクのテーパリング】メカニズムと実践法を知ってレースで最高のパフォーマンスを発揮する方法

勘や経験に頼った方法で、運よく最高の体調でロードレース当時を迎えることもあります。

しかし、同じ方法で次も上手くいくとは限りません。

勘や経験に頼った方法は、再現が難しいためです。

テーパリングは、トレーニングの期間、量、強度を調整することです。

テーパリングは理論に基づいて、再現性のある方法を選択することが重要です。

ロードバイクのパワートレーニングを行っている人の多くが、トレーニングピークスなどの解析ソフトを利用しています。

パワートレーニングでは疲労をATL、パフォーマンスをCTL、調子をTSBで表します。

トレーニングピークスでは、疲労をFITNESS、パフォーマンス(体力)をFATIGUE、調子をFORMで表します。

ロードレース当日に最高のパフォーマンスを発揮するには、徐々に疲労を抜き調子を上げる必要があります。

ATL、CTLとTSBの関係についてはこちらの記事を参考に

ロードバイクでパワートレーニング CTL・ATL・TSBでパフォーマンス管理

テーパリングに失敗し、ロードレース当日に最高のパフォーマンスを発揮できない5つの原因

ロードレース当日に最高のパフォーマンスを発揮することが理想ですが、最も避けるべきなのはテーパリングの失敗です。

テーパリングが失敗すると、体調不良のままレース当日を迎えることになります。

スタート前から体が重い状態だと、心理的にも負担が大きく望んだ結果を得ることはできません。

テーパリングは成功することよりも、失敗しないことを重視します。

失敗を避けるためには、「フィットネス理論」をしっかりと理解し、実践することが大切です。

レースの数週間前に限界まで追い込んで、その後に疲労を抜く「超回復理論」を実践する人もいます。

この方法は、科学的根拠に乏しく失敗する可能性の高い方法です。

「超回復理論」でもピーキングに成功し、ロードレースで良い結果を残せる場合もありますが再現性は低いです。

「超回復理論」は追い込んでから回復する過程で、疲労が抜けるので調子が上がっているように錯覚します。

疲労が抜ける感覚と、調子が良いと感じる感覚は似ています。

しかし、実際は疲労が抜けるだけで調子がピークなる訳ではありません。

また、「超回復理論」は疲労が抜けきらないままレース当日を迎える可能性があります。

「フィットネス理論」を使ったテーパリングは、この失敗を避けることができます。

ピーキングは、ロードレース当日に自分の能力を最大限に発揮する方法です。

ピーキングをする前に、自分の能力を最大限に引き上げておく必要があります。

トレーニングが不足しているのに、ピーキングを行ってもパフォーマンスは低下していしまいます。

持っている以上の力を発揮することはできません。

自分の能力を引き上げるトレーニングは数週間ではなく、数か月は必要です。

トレーニングが体に及ぼす影響はマイナス要因である疲労と、プラス要因であるパフォーマンスという2つの要素があります。

トレーニングが不足していると、疲労が低いレベルにあります。

疲労が低いレベルでテーパリングを行うと、パフォーマンスは低くなります。

マイナス要因である疲労は、テーパリング前にしっかりと蓄積させる必要があります。

もしトレーニングが不足した状態でロードレース当日を迎える場合は、テーパリング方法を変える必要があります。

方法は2つです。

  • テーパリング期間を短くする
  • テーパリング期間に減らす負荷を小さくする

テーパリング中は負荷を4割から6割減らします。

もしトレーニングが不足している場合は、減らす割合を2割から4割にします。

ロードレースが近づいているのに調子が良くならず、焦ってトレーニン量を増やす場合があります。

この方法は、かえって調子を下げてしまい失敗する可能性が高くなります。

調子が上がらない要因は次の2つが考えられます。

  • トレーニング量が不足していて調子が上がらない
  • トレーニング量が多すぎて調子が上がらない

どちらの場合も、テーパリング中の負荷を調整することで対応します。

トレーニング量が不足している場合は、テーパリング中の減らす負荷の割合を2割から4割にします。

トレーニング量が多すぎる場合は、テーパリング中の減らす負荷の割合を6割から8割にします。

トレーニング量が不足している場合は、ロードレースに対する準備が不足している状態です。

テーパリングによって準備不足を補うことはできません。

トレーニング量が多すぎて調子が上がらない場合は、疲労を抜くことに専念します。

トレーニング量が多すぎる状態は、燃え尽き症候群につながります。

レースの結果が伴わないと、心理的ダメージも大きくなります。

燃え尽き症候群についてはこちらの記事を参考に

バーンアウト(燃え尽き症候群)を防げ!~いつまでも情熱的にレースするために~

テーパリングの理想は、ロードレース当日に体調のピークを迎えることです。

ロードレース当日よりも早く体調のピークを迎えた場合は、体力が低下していきます。

体力の低下を防ぐためには、疲労を増やす必要がありますが調子が低下してしまいます。

ピークのタイミングが早くなりすぎる要因は次のことが考えられます。

  • テーパリング期間が長すぎる
  • 疲労を急激に落としすぎる
  • レースとレースの間隔が短い

テーパリング期間を適切に設定し、徐々に疲労を抜くとピークを合わせやすくなります。

ピークのタイミングが早く来すぎる失敗は「超回復理論」で、多く見られます。

トレーニングピークスなどの解析ソフトを使えば、ピークをロードレース当日に合わせることができます。

トレーニングの予定を解析ソフトに入力することで、調子を予測できるためです。

テーパリングは、自分の能力を最大限に引き出す方法です。

テーパリングによって、自分の能力以上の力を発揮することはできません。

テーパリングによる能力の向上は平均で3%です。

最も重要なのは、毎日のトレーニングです。

テーパリングは最後の仕上げです。

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