【本当は怖い熱中症のリスク】ロードバイクで治らない筋肉痛やコーラ色の尿は「横紋筋融解症」のサインかも!?

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熱中症から発症する横紋筋融解症のサインを見逃さないために

本当は怖い熱中症→横紋筋融解症

真夏の高温多湿の環境でロードバイクに乗ると、熱中症のリスクがあります。

熱中症の危険性は広く知られていますが、合併症である横紋筋融解症のリスクはあまり知られていません。

横紋筋融解症は病院での治療が必要になる深刻な症状です。

横紋筋融解症は、原因を理解することで予防が可能です。

横紋筋融解症とは

横紋筋融解症は、筋肉の損傷により、筋組織が破壊されることにより起こります。

横紋筋とは、心臓を動かす心筋と身体を動かす骨格筋を指します。
筋組織が破壊されると、筋肉中のタンパク質が急激に血液中に放出されます。
筋肉中のタンパク質とは、ミオグロビンなどです。

横紋筋融解症は腎臓にダメージを与える

横紋筋融解症でダメージを受けるのは、腎臓です。
腎臓は、血液中の老廃物を取り除くフィルターの役割があります。
ミオグロビンは、腎臓のフィルターシステムを詰まらせ、腎機能に深刻なダメージを与えます。
腎臓が血液中の老廃物を十分に取り除けないと、腎不全が起こります。
マラソンやロードバイクを行う持久系アスリートは、横紋筋融解症の発症リスクが高くなります。
高温環境で作業する消防士や鉄工所作業員も、発症リスクが高くなります。
真夏の高温環境でのロードバイクは、横紋筋融解症の発症リスクが極めて高いと言えます。

補給についてはこちらの記事を参考に

ロードバイクの糖質補給量=酸化速度が最大かつ胃腸の不快感がない量

横紋筋融解症の原因を知って予防する方法

横紋筋融解症の発症リスク

横紋筋融解症の原因は、筋肉の損傷です。
骨格組織が破壊され、筋タンパク質であるミオグロビンが血液中に放出されることにより起こります。
筋肉の損傷は、様々な原因で起こります。
交通事故での筋損傷でも起こります。

ロードバイクでの発症リスク

ロードバイクのトレーニングで大きなリスクは、次の通りです。

  • 高強度のトレーニング
  • 脱水
  • 心窩部体温の上昇
  • 熱中症

心窩部体温が40℃を超えると、横紋筋融解症の発症リスクが高まります。
長時間の低体温でも起こり得ます。
横紋筋融解症は成人に多く見られます。
小児の発症は稀です。

横紋筋融解症はエキセントリック収縮で発症しやすいとされています。

エキセントリック収縮とは、筋肉が伸びながら力を発揮する運動です。

ロードバイクは太もものエキセントリック収縮を伴います。

横紋筋融解症のリスクが高い運動と言えます。

トレーニングのレベルが高い人ほど危険性が高い

横紋筋融解症を発症するのは、トレーニングやレースでかなり追い込んだ状態です。

ロードバイクを始めたばかりの人が、横紋筋融解症を発症するまで追い込むのは稀です。
トレーニングレベルが高く、身体的、精神的能力の高い人の方が横紋筋融解症の発症リスクが高くなります。

たまにロードバイクに乗る場合は、横紋筋融解症のリスクは低いです。

初心者のトレーニングについてはこちらの記事を参考に

ロードバイク初心者が初めてのFTPテストで好成績を出す方法

治らない筋肉痛・コーラ色の尿は横紋筋融解症のサイン

横紋筋融解症の主な症状

横紋筋融解症の症状は、様々です。
最も一般的な症状は、次のとおりです。

  • 治らない・酷くなる筋肉痛
  • 疲労感
  • 脱力
  • コーラ色の尿

筋肉痛は、筋肉が損傷した部位に起こります。
横紋筋融解症は、手足に起こることが多いです。
ロードバイクの場合は、太ももの筋肉が痛むことが多いです。
通常の筋肉痛は、翌日をピークに痛みが軽減します。

筋肉痛についてはこちらの記事を参考に

ロードバイクで筋肉痛になるメカニズムとトレーニング再開のタイミング

酷くなる筋肉痛とコーラ色の尿

横紋筋融解症による筋肉の痛みは、数日経っても消失しません。
数日後でも、痛みが増していきます。
痛みが強くなる筋肉痛は、横紋筋融解症の可能性があります。
吐き気や嘔吐も、横紋筋融解症の症状です。
筋肉痛に加えて、発熱とコーラ色の尿が出ます。
尿量が減少し、色がコーラ色になります。

尿の変化はトレーニング直後ではなく、12時間から24時間後に現れる場合もあります。

錯乱やせん妄が起こる場合もあります。
しかし、横紋筋融解症の患者の中には、これらの症状が全く見られない場合もあります。
横紋筋融解症の結果、腎障害、腎不全、多臓器不全が引き起こされます。

横紋筋融解症の診断と治療

横紋筋融解症は血液検査により診断

横紋筋融解症は、筋肉に痛みがあるかで判断します。
筋肉が壊死しているかどうかを医師が診断します。
最終的には、血液検査と尿検査が必要です。
横紋筋融解症の患者は、血液中のミオグロビン濃度が高い値を示します。

血液検査でCK(クレアチンキナーゼ)値を調べます。

CK値は運動直後に高い値を示します。

トレーニング習慣のある人は、普段から高い値を示します。

CK値だけで診断することはありません。

他の検査結果と複合的に判断します。
心電図を用いて、心臓に障害がないかも確認します。

横紋筋融解症の治療

横紋筋融解症により死亡することは、稀です。

多臓器不全が起きた場合は、死亡することがあります。
迅速に治療すれば、致命的な症状になることはありません。

しかし、症状があるのに放置していると深刻な状況を招きます。
治療は、点滴により行います。脱水を補正する必要があるためです。
体内の水分量を、大幅に増やす必要があります。
点滴により、等張食塩水を大量に投与します。
急性腎不全が発症した場合は、透析が必要なこともあります。

横紋筋融解症のリハビリ

治療後のトレーニングは、少しづつ再開します。
トレーニングが再開できるようになるには、2週間から8週間かかる場合があります。

横紋筋融解症の防ぎ方

横紋筋融解症は予防できる

横紋筋融解症は、防ぐことができます。
横紋筋融解症の原因は、過度の脱水と体温の上昇です。
横紋筋融解症は、高温多湿の環境でトレーニングする時に、十分な水分補給がされていないと発症します。

横紋筋融解症を防ぐには、熱中症にならないことが大切です。

暑熱順化と適切な水分補給

横紋筋融解症を予防するポイントは、暑熱順化と適切な水分補給です。

真夏は早朝トレーニングや高地でのトレーニングが有効です。

暑熱順化についてはこちらの記事を参考に

真夏のロードレースで勝つために 熱中症のリスクと暑熱順化を徹底解説

水分補給についてはこちらの記事を参考に

ロードバイク補給 水分・カロリーの適正量を知る方法

マッサージガンと横紋筋融解症

マッサージガンとは

マッサージガンとは、電動で筋肉をほぐす器具です。
電動ドリルのような形をしており、好みのアタッチメントを付けて筋肉を解すことができます。
電動で強度を調整できるため、非常に人気があります。
低強度でマッサージするのは問題ないのですが、製品の中にはパワーを重視したものもあります。

横紋筋融解症のリスク

局所的に高いパワーでマッサージを行うと、横紋筋融解症のリスクを高めるとする研究もあります。
マッサージガンと横紋筋融解症の関係性はまだはっきりと分かっていません。
マッサージガンを使用する場合は、横紋筋融解症のことも考えながらの方が良いかも知れません。

フォームローラーなどを使うと、横紋筋融解症を気にすることなくマッサージができます。

フォームローラーについてはこちらの記事を参考に

筋膜リリース徹底解説!トリガーポイントをフォームローラーでほぐしてけが予防

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