【ロードバイクトレーニング】飲酒は悪いが強くなる!?【アルコール】
お酒はロードバイクトレーニングに良くないよね?
飲酒がトレーニングに及ぼす影響については諸説あるけど、少なくとも有益ではないよ!
具体的にアルコールの何が悪いの?
この記事は以下の論文を参考にしました。
陸上競技の理論と実践(筑波大学陸上競技研究室)
トレーニングによる筋機能の向上がアルコール代謝に及ぼす影響(北海道大学 瀧澤一騎)
Contents
目次
アルコール代謝は筋肉も関係する!
アルコール分解と聞くと肝臓を思い浮かべるけど筋肉も関係しているよ!
アルコール代謝の仕組み
飲酒するとアルコールが体内に取り込まれます。
アルコール代謝に最も大きな役割を果たすのが肝臓です。
飲酒によって体内に入ったアルコールは20%が胃で、80%が小腸で吸収されます。
吸収されたアルコールは血液で肝臓に運ばれます。
肝臓に運ばれたアルコールはアセトアルデヒドを経て酢酸に分解されます。
酢酸は血液によって筋肉や脂肪組織に運ばれ二酸化炭素と水に分解され排出されます。
アルコールの代謝には肝臓が大きな役割を果たしますが筋肉もアルコール代謝に関わっています。
高地や気圧の低い場所ではアルコールの分解が遅くなります。
低酸素がアルコール分解を阻害するためです。
アルコール摂取量の計算方法
アルコール度数によってアルコール量は違うよ!
ビールと焼酎では同じ350mlを飲んでも摂取するアルコール量は違います。
摂取するアルコールの量を純アルコール量といいます。
商品ごとにアルコール度数が違うので自分がどれだけアルコールを飲んだかは計算する必要があります。
純アルコール量=お酒の量(㎖)×アルコール度数×0.8
(例)アルコール度数5%のビールを350㎖飲んだ場合
純アルコール量=350(㎖)×0.05×0.8=14g
どうして0.8をかけるの?
エタノールは水より比重が小さいので0.8をかける必要があります。
厚生労働省が推奨するアルコール摂取量は20gです。
ビール500㎖に相当します。
アルコールは筋肉の回復を妨げる!
アルコールは筋肉の回復に悪影響があるよ!
トレーニング後にお酒を飲むと・・・
トレーニング後にアルコールを摂取すると回復が遅れることが実験から分かりました。
レッグエクステンションで大腿四頭筋のトレーニングをしました。
トレーニング後に体重1kgあたり1gのアルコールを摂取しました。
そして36時間後のパフォーマンスを測定しました。
体重1kgあたり1gっていうと・・・
体重60kgの人ならビール1.5リットルになるよ!
実験はウォッカのオレンジジュース割で行われたよ!
飲みすぎ・・・
アルコールを摂取しなかった場合のパフォーマンス低下は12%から28%でした。
同じ被験者がアルコールを摂取するとパフォーマンス低下は34%から40%にもなりました。
アルコールの摂取により回復が遅れ、パフォーマンスが低下したよ
筋肉痛の出現に差はありませんでした。
アルコールで筋肉痛が酷くなることはなかったね
トレーニングせずにお酒を飲むと・・・
片脚だけトレーニングしてお酒を飲んでみたよ!
片脚だけレッグエクステンションによりトレーニングを行い、その後アルコールを摂取しました。
トレーニングした脚はアルコール摂取によりパフォーマンスが低下しました。
しかしトレーニングしなかった脚はアルコールを摂取してもパフォーマンス低下はありませんでした。
アルコールは筋肉の回復に影響があるが、パフォーマンスには影響しない可能性があります。
お酒を飲むと回復は遅れるけど、通常の状態ならパフォーマンスに影響しない可能性があるよ!
レース後に飲むと回復が遅れるけどレース前ならレース結果に影響しない可能性があるのか
ただし、飲酒がメリットにはならないよ!
アルコールはテストステロンの分泌を妨げる!しかし女性はテストステロンの分泌を促進するかも!?
アルコールはテストステロンの分泌に影響があるよ!
テストステロン?
テストステロンとは
テストステロンは男性ホルモンのこと!
テストステロンとは男性ホルモンの一種です。
筋肉の増大や骨格の発達を促進します。
テストステロンで筋肉が発達するよ!
男性は女性に比べて最大10倍の分泌量があります。
アルコールの急性または慢性的な摂取はテストステロンの分泌を阻害します。
テストステロンが減少すると筋肉が萎縮します。
アルコール依存症の男性患者は男性ホルモンが減少するため女性的な特徴が発達することがあります。
異常な量の飲酒が続くと男性は体形が女性化することがあるよ!
テストステロンの分泌に影響しない飲酒量
東京大学の石井直方教授によるとテストステロンの分泌に影響しない飲酒量は白人の場合で一日あたりビール1.2リットルです。
平均的な日本人はアルコール分解能力が低いので1.2リットルの半分程度だと影響しないと言われています。
海外の研究では体重1kgあたり1gのアルコール摂取はテストステロンの分泌に影響しないとされています。(Jakob and William 2006)
日本人のアルコール分解能力は白人に比べて低いよ!
海外の研究結果は日本人には当てはまらない可能性があるね
男性はアルコールの摂取でテストステロンの分泌が抑制されます。
逆に女性はアルコール摂取によりテストステロンの分泌が促進されるとする研究があります。(Cigolini et al.,1996)
飲酒すると男性は女性化し、女性は男性化する可能性があるよ!
筋トレで酒に強くなる!?
筋肉が増えることでアルコール分解能力が上がる可能性があるよ!
筋トレするとお酒に強くなるの!?
筋トレがアルコール分解能力に与える影響
運動習慣のない被験者に12週間にわたって有酸素運動と筋力トレーニングをそれぞれ行いました。
トレーニング開始前とトレーニング開始12週間後にアルコール分解能力を調べました。
有酸素運動をしたグループは有酸素能力は向上したものの、アルコール分解能力に変化はありませんでした。
筋力トレーニングをしたグループは筋量が増え、アルコール分解能力も向上しました。
筋トレしたグループだけアルコール分解能力が上がったよ!
体内に入ったアルコールは肝臓で酢酸に分解され、筋肉や脂肪組織に運ばれ二酸化炭素と水に分解されます。
筋肉が増えることでアルコール分解能力が向上した可能性があります。
ロードバイクトレーニングと飲酒の関係 まとめ
- アルコール代謝に最も大きな役割を果たすのは肝臓
- 筋肉もアルコール代謝に関わっている
- 純アルコール量=お酒の量(㎖)×アルコール度数×0.8
- トレーニング後にアルコールを摂取すると回復が遅れる
- アルコールは筋肉の回復に影響があるが、パフォーマンスには影響しない可能性がある
- アルコールの急性または慢性的な摂取はテストステロンの分泌を阻害する
- テストステロンが減少すると筋肉が萎縮する
- 海外では体重1kgあたり1gのアルコール摂取はテストステロンの分泌に影響しないとされているが日本人には当てはまらない可能性がある
- 飲酒すると男性は女性化し、女性は男性化する可能性がある
- 筋肉が増えるとアルコール分解能力が向上する可能性がある
飲酒の影響は個人差が大きいので美味しく適量を!