トラック競技の走り方!~200mFTT・1kmTT・4kmIP

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Contents

トラック競技トップレベル選手を分析

トラック競技はギア比やペース設定、ケイデンスの最適化でタイムを縮めることができるよ!

トラック競技はしたことがないからよく分からないけど・・・

ロードレースはレース毎にコースや参加選手がちがうので不確定要素が大きいけどトラック競技のタイムトライアルは自分の実力通りの結果が出るよ!

ギア比やケイデンス、ペース配分が結果に直結するからおもしろそうだね!

トラック競技についてはこちらの記事を参考に

脚が太けりゃ速いのか!?太ももの太さとタイムの関係を検証!

競輪界のZWIFTパイオニア!佐々木雄一選手のZWIFTトレーニング徹底解説!!

第10回チャレンジザオリンピック

今回はトラック競技のペース配分やケイデンス(クランク回転数)、ギア比がタイムにどう関係するかを調べた論文を基にします。

自転車競技(200mFTT,250mTT,500mTT,1kmTT,4kmTT)における記録とレース中の速度変化特性,クランク回転数変化特性およびギア比との関係」太田洋一 高嶋歩 他
この論文では第10回チャレンジザオリンピックに参加した選手177名を分析しました。
第10回チャレンジザオリンピックは2010年に群馬県前橋市のグリーンドーム前橋で行われた大会です。

日本代表選手の選考やオリンピックを狙える人材の発掘を目的とした大会です。

リザルトを見ても大会のレベルの高さが分かります。

第10回チャレンジザオリンピック リザルト
グリーンドーム前橋は日本初の全天候型屋内バンクで周長は333m(現在は335m)です。
200mFTT(フライングタイムトライアル)、1kmTT、4kmTTに参加した男子選手の分析結果を紹介します。

今回は200mフライングタイムトライアル、1kmタイムトライアル、4kmタイムトライアルの分析結果を紹介するよ


参加選手をタイム上位からA群(最も速い)、B群、C群、D群(最も遅い)に分けます。

タイムが速かったのがA群、遅かったのがD群だね

ただし、大会のレベルが高いのでD群でも十分に速いタイムだよ!


200mFTT(フライングタイムトライアル)

200mフライングタイムトライアルとは?

200mFTTは加速した状態(フライング)で測定ラインを通過し、200m区間のタイムを競います。

陸上競技なら100m走に該当するスプリント種目です。

200mFTTは陸上に例えると100m走!


コーナーの傾斜を最大限に利用して最高速度で測定ラインを通過し全力で200mを駆け抜けるのがポイントです。

この動画は新田祐大選手の200mフライングタイムトライアルです。

速い選手は10秒前半で200mを走りきるよ!


タイムの目安

アマチュアレベルなら12秒前半で走れれば速いと言えます。

今回のトップタイムは10秒042。

52位の選手でも12秒202でした。

大会のレベルの高さが分かります。

スプリント能力の他に、レース当日の自分に合ったギア比を選択することも重要です。

分析結果を見てみよう!

200mフライングタイムトライアル分析結果

200mフライングタイムトライアルで大切なこと

200mFTTで重要なのはレース中の最高速度とスタート区間速度です。

タイムを出すには計測開始ラインを最高速度で通過するのがポイント!


スタートで最高速度に達し後半に徐々に低下します。
最高速度とスタート区間速度が早いほどタイムが良いです。

分析結果

速度曲線

スタート地点の0mで最高速度になっているね!

スタート区間まで速度が上昇し測定ラインで最高速度となります。
50m地点で低下し、一定を維持します。
110m地点で上昇しゴールまで低下します。

スタートから100mまでは速度が下がって110mでもう一度上がるよ!

A群からD群まで同じような速度変化なんだね

200mフライングタイムトライアルのケイデンス変化

ここでの注目はタイムの悪いD群がB群、C群よりケイデンスが高いこと!

どういうこと?

自転車のスピードはギア比と回転数(ケイデンス)で決まるよ!
D群は軽いギア比で高回転で回してるってことだね!

速い選手ほど重いギアを踏んでいます。
速い選手はケイデンスも高いです。
速い選手は重いギアを高ケイデンスで回す脚力があると言えます。

重いギアを速く回せるので最高速度も速くなります。

A群は重いギアを高回転で回すのでタイムが速くなるよ!

当然と言えば当然のことだね


D群はB群、C群よりケイデンスが高いのにタイムは遅かったです。
D群は軽いギア比で高ケイデンスと言えます。
200mFTTではギア比を落としてケイデンスを上げてもタイムは出ません。
高いギア比を踏めるようになる必要があります。

軽いギアを高回転で回すより重いギアが踏める脚力が必要ってことか

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1kmタイムトライアル

1kmタイムトライアルとは?

1kmタイムトライアルは選手の技量を見る目安となる種目!

競輪養成所の試験にもある種目だね

スプリント力と持久力の両方が必要だよ

1kmTT(タイムトライアル)は200mFTTとは異なり停止状態からスタートします。
333mバンクの場合は3周回してタイムを競います。
ホーム側とバック側に分かれて2選手同時に出走します。

1kmTTはスタート時のスプリント力と持久力が必要なため選手の力量を知る目安となります。
競輪養成所の試験にも1kmTTがあります。

タイムの目安

アマチュアレベルでは1分15秒で走れれば速いと言えます。

今回のトップタイムは1分4秒863。

30位までが1分11秒台でした。

国内トップクラスの大会と言えます。

1kmタイムトライアル分析結果

分析結果

1kmタイムトライアルはスタートも重要ですが前半の平均速度と最高速度がタイムに直結します。
スタートから300mまで加速し、最高速度になった後にゴールまで徐々に低下します。

停止状態から素早く最高速度まで引き上げるのが重要!

300m地点で最高速度になっているね!

競技レベルに関わらず中盤から後半にかけて徐々に速度が落ちていくよ!


この速度パターンは1kmよりも短い距離と同じです。
競技レベルが違ってもこのパターンは同じです。
タイムを出すには最初から全力で行くことが大切です。

1kmタイムトライアルは最初から全力!


後半の速度低下は競技レベルに関わらず一定です。
タイムとの関連性は低いと言えます。

後半にペースを落とさないように前半を抑えるのは意味ないって事か

クランク回転数(ケイデンス)も速度と同じく300m付近で最も高くなるよ!

後半にかけて徐々に落ちていくんだね

700m付近でラスト1周になるので速度、回転数ともにわずかに上昇するよ

トラック競技は固定ギアなのでケイデンスが上がれば速度も上がります。

300m付近でケイデンスは最高値となり、後半にかけて徐々に落ちます。

700m付近で一旦上昇するのはラスト1周となりラストスパートを意識するためです。


ギア比はB群が高いです。
ケイデンスはA群が高いです。
A群はB群よりも軽いギア比でケイデンスを高めて速度を上げています。

200mFTTではA群が一番重いギア比だったけど1kmタイムトライアルではB群が一番重いギア比だね!

A群は回転数を上げて速度を上げているんだね!

200mFTTは加速してからスタートするけど1kmタイムトライアルは停止状態からスタート。
停止からの加速は軽いギア比の方が有利だから200mFTTとは事情が違うね


A群はスタート区間での速度が高く、このことがタイムにつながっています。
1kmTTではスタート区間で高いケイデンスを出せるギア比を選択することが良いタイムにつながります。

素早く加速してそのまま維持できるギア比を選ぶのが大切なのか



4kmタイムトライアル

4kmタイムトライアルとは?

4kmTTは現在では4km個人パーシュート(インディビジュアルパーシュート)と呼ばれています。

200mFTTや1kmとは走り方が違います。

スタート区間の加速も大切ですが速度を維持する力が重要です。

タイムの目安

アマチュアで5分を切れるとかなり速いと言えます。

今回のトップタイムは4分48秒。

18位の選手で5分12秒でした。

4kmタイムトライアルは成人男子のみの種目。
高校生は3kmインディヴィデュアルパーシュートだよ!


2選手がホーム側とバック側に分かれて4kmのタイムを競います。
スタートは停止状態からです。
スタートから素早く巡航速度に引き上げ、それを維持する能力が求められる競技です。

対戦相手を抜かすと競技終了!
個人追い抜きとも呼ばれるよ

東京五輪内定・橋本英也選手の大学生時代の4km個人追い抜き 対戦相手は窪木選手です!


4kmタイムトライアル分析結果

分析結果

4kmタイムトライアルで大切なのは300mでのスピードを維持すること!

4kmタイムトライアルはスタートから300mまで速度が上がりますがその後はゴールまで徐々に低下します。
競技レベルによってレースパターンに違いが出ました。

スタート区間は最もタイムの悪いD群が一番速いんだね!

タイムの良いA群はスタート区間は最も遅いよ

A群ほど速度を維持してゴールまで走ることができます。
タイムに影響があるのはレース前半速度よりもレース後半速度です。
レース後半に高い速度を維持することが大切です。

D群は速度を維持できずにタイムを落としているね


最高速度やスタート区間速度とタイムは直結しません。
最初に速度を上げすぎたD群はその後著しく速度を落とします。
イーブンペースでの走行が結果的に好記録につながります。

D群は後半に著しくケイデンスが落ちています。

A群、B群は後半でもあまりケイデンスが落ちません。

A群は2000m以降ケイデンスを上げています。

タイムを出すには速度を維持することが大切だということが分かります。


A群は最高速度の90%を維持します。
C群やD群は前半がオーバーペースであると言えます。
レース中に維持できる速度を上げることがタイム向上の鍵です。

記録の良い選手は最高速度は低いけど90%維持距離が長くて速度低下量も低いんだね

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200mフライングタイムトライアル・1kmタイムトライアル・4kmタイムトライアルの走り方

分析結果をまとめます。

200mフライングタイムトライアル

  • 最高速度が大切
  • 高いギア比で踏めるようになる
  • スタートライン手前から速度を高め、計測開始ラインで最高速度に達する
  • 軽いギアで高ケイデンスはタイムがでない

重いギアを踏める力をつけることが大切!
軽いギアで回すのは意味ないよ!


1kmタイムトライアル

  • 最高速度とスタート区間速度が大切
  • 後半の速度低下はタイムに影響しにくい
  • 後半の速度を落とさないようにするよりも最高速度やスタート区間のタイムを縮める方が重要

1kmタイムトライアルにペース配分は必要なし!
300mまでの最高速度がタイムを決めるよ!


4kmTT

  • 他の種目のような最高速度やスタート区間速度とタイムとの関係性はない
  • 記録の良い選手は後半に速度が落ちない
  • レース中の速度のばらつきがない
  • 一定ペースで走れる速度を上げることが大切

自分が5分間維持できるギア比、ケイデンスを把握することが大切!
イーブンペースで走り切った選手が勝つよ!

トラック競技は不確定要素が少なく、走り方がタイムに直結する競技です。

ぜひ一度挑戦してください!

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