「ジャンク」とは、無駄や無意味ということです。
ロードバイクの「ジャンクマイル」とは、走行距離を伸ばすためだけに自転車に乗ることを意味します。
距離を伸ばす以外に、特定の目的のないライドはジャンクマイルと言えます。
ジャンクマイルは、ネガティブな意味で使われることが多い言葉です。
ロードバイクなどの持久系種目は、ある程度のトレーニングボリュームが必要です。
距離を乗る事で、ある程度速くなれることも事実です。
意味のある距離と意味のない距離の違いは、何でしょうか?
トレーニングボリュームについてはこちらの記事を参考に
ロードバイクのトレーニングボリュームを決める3つの基準【距離・時間・パワーデータ】ベストな方法は!?
トレーニング時間が短すぎると、レースを完走出来なくなります。
トレーニング時間が長すぎると、回復に時間がかかるため強度が落ちる傾向があります。
トレーニング強度が低いと、レース中のペースアップに付いていけなくなります。
トレーニング時間と強度の最適なバランスを見つけるのは、非常に難しい課題です。
回復走や有酸素能力を引き上げるためのロングライドは、ジャンクマイルではありません。
これらのトレーニングは、目的があり目標とするパワーゾーンがあります。
ジャンクマイルと持久系トレーニングを混同する事は、避けなければいけません。
ジャンクマイルは、無目的に走る事を意味します。
パワーゾーンについてはこちらの記事を参考に
【ロードバイク】パワー・心拍・RPEを使ったゾーン設定とトレーニングへの活用
トレーニング強度を上げるのは、身体的にも精神的にもきついものです。
トレーニング強度を上げるよりも、距離を伸ばす方が身体的には簡単です。
ロードバイクのトレーニングは、ついつい距離を伸ばす方に傾いてしまいます。
距離を伸ばすことだけが目的で、体力の向上が望めないのがジャンクマイルです。
月間走行距離を基準にトレーニングしている人は、ジャンクマイルに陥りがちです。
ちょっとハードな強度で心地よく走るのが、ジャンクマイルの典型的なパターンです。
心地よく苦しいので、程よい達成感を得ることができます。
通常、全てのトレーニングには目的があります。
低強度でも、リカバリーや有酸素能力向上などの目的があります。
リカバリーについてはこちらの記事を参考に
ロードバイクのリカバリーを最大化させる食事のタイミング・内容・効果を徹底解説
目的が明確になっているトレーニングは、長時間・長距離でもジャンクマイルではありません。
距離を伸ばすだけのライドは、リカバリーを目的とするには強度が高すぎ、有酸素能力を向上させるには強度が低すぎる場合が多いです。
この様なトレーニングはジャンクマイルと言えます。
ロードバイクのパフォーマンス向上には、ハードなトレーニングが不可欠です。
残念ながら、心地よい強度では強くなる事はできません。
リカバリーには、本当に楽な強度が必要です。
VO2MAXを引き上げるには、本当にハードなトレーニングが必要です。
ジャンクマイルを続けると、良くても現状維持であり最悪の場合は燃え尽きてしまいます。
時間と労力をつぎ込んでいるのに、強くなれない自分に嫌気がさしてしまいます。
余計な走行距離は、身体能力や筋力を向上させるのではなく体を消耗するだけです。
VO2MAXについてはこちらの記事を参考に
ZWIFTでパワー解析 最大パワー・VO2MAX・FTPを見る方法
ジャンクマイルを避ける最も確実な方法は、全てのトレーニングに目的を設定することです。
ロードバイクが強くなるには、計画的なトレーニングが不可欠です。
走行距離を増やせば、ロードバイクはある程度速くなります。
しかし、距離を伸ばすだけではそのうち限界を迎えます。
時には、距離を伸ばすことが逆効果になる場合もあります。
距離はトレーニングの指標の一つに過ぎません。
トレーニングには、TSSなど様々な指標があります。
トレーニングの目的に応じた指標を使い分けることで、ジャンクマイルを避ける事ができます。
トレーニング前にペースや強度を決めずに、何となく走り出す場合は、ジャンクマイルに陥る可能性が高くなります。
TSSについてはこちらの記事を参考に
ロードバイクのための筋トレをTSSで数値化し、レースに活用する方法
【ロードバイク】TSSが完全に理解できる計算方法とトレーニングへのTSS活用方法・4つの限界
ロードバイクを始めたばかりの頃は、ジャンクマイルでも驚くほど強く速くなる可能性があります。
しかし、長期的な成長は望めません。
走ると体が痛くなり、いつでも完全に回復していない気がします。
トレーニング時間が長時間になり過ぎ、やる気の出ない時が頻繁に起こります。
余分で無意味な距離は、身体的にも精神的にも大きな負担がかかります。
モチベーションが上がらなくなった時は、トレーニングプランを見直す良いきっかけです。
ジャンクマイルが増えていないか、振り返る時期かも知れません。
燃え尽き症候群についてはこちらの記事を参考に
バーンアウト(燃え尽き症候群)を防げ!~いつまでも情熱的にレースするために~
ジャンクマイルは、レースに勝つためにトレーニングしている人が避けるべきことです。
同じ持久系種目であるマラソンと異なり、ロードレースは強度のアップダウンがあります。
レース中はインターバルの連続です。
強度の上げ下げに対応できないと、レースは完走する事も困難です。
具体的なパフォーマンスの目標があり、そのためにトレーニングに励んでいるのであればジャンクマイルは避けるべきです。
ロードバイクを楽しんでいる人が、ジャンクマイルを楽しむのは良い事です。
ジャンクマイルは、サイクリングと言う事もできます。
長距離をサイクリングする事が楽しいのであれば、それを避ける理由は全くありません。