ロードバイクなどの持久系種目の強さは、トレーニング量とある程度比例します。
質も重要ですが、同じくらい量も重要です。
学生や社会人のロードレーサーの生活習慣は日々変化します。
いつの間にかトレーニング量が減ったり増えたりします。
トレーニングは一貫性が大切です。
自分のトレーニングボリュームを知ることで、長期的な視野に立って強くなることができます。
トレーニングに費やす時間は人それぞれですが、多くの人は限界があります。
トレーニングの時間は限界がありますが、質を上げることでトレーニングボリュームを増やすことができます。
トレーニング時間を測定することは非常に簡単です。
トレーニングを始めたばかりの人は、時間を基準にすると良いでしょう。
トレーニングが進んでくると、質も重要になってきます。
質を測る基準は複雑です。
トレーニングの時間と質の違いを理解すると、ボリュームで管理することが出来るようになります。
トレーニングボリュームを数値化すれば、毎日のトレーニング時間や強度の目安にすることができます。
数年単位でトレーニングボリュームの推移を測れれば、自分の能力の上下とトレーニングボリュームの関係が分かるようになります。
トレーニングボリュームを数値化することで、客観的な視点で観れる様になります。
ロードバイクのトレーニングボリュームは、量と強度で表すことができます。
量とは、時間や距離です。
強度とは、「頑張り具合」です。
強度は、心拍数やパワーに現れます。
パワーは、強度を表す基準があります。
心拍数には、強度を数値化する単位がありません。
心拍数についてはこちらの記事を参考に
一定ペースでロードバイクを漕いでも心拍数が上り続ける「心拍ドリフト」の抑制方法とトレーニングへの活用
ロードバイクのトレーニングボリュームを数値化する基準は3つあります。
最も簡単に数値化できるのが時間です。
ロードバイクの速さ・強さはトレーニング時間にある程度比例します。
強い人のトレーニング時間は長い傾向があります。
毎週ロードバイクに乗る距離も基準の一つです。
距離はサイクルコンピューターが必要になるので、時間よりも少しだけ測定しにくくなります。
ロードバイクに乗る時間と距離は相関関係があります。
長い距離を乗る人ほど、長い練習時間が必要です。
最後の基準がパワーメーターを用いたトレーニングボリュームの数値化です。
パワーメーター、サイクルコンピューター、解析ソフトが必要です。
パワーメーターによる数値化は、時間や距離のよるものよりもハードルが高くなります。
距離や時間は、トレーニング量を数値化できますがトレーニング強度を数値化することができません。
パワーデータは量と強度のどちらも数値化することができます。
ロングライドについてはこちらの記事を参考に
【ZWIFTロングライド列伝】冬のオフトレで6時間ライド コロナ自粛で5時間ライド チャリティーイライド36時間で4600万円寄付【乗りすぎプロロードレーサー】
トレーニング時間を測るのは非常に簡単です。
ロードバイクのトレーニングを始めたばかりの人は、週当たりの時間を基準にするのが良いでしょう。
時間は、トレーニングの量や頻度を数値化できます。
最初の頃は、トレーニング時間を伸ばすほど速くなることができます。
ZWIFTなどの室内トレーニングがメインの場合も、時間でトレーニング量を管理することができます。
ZWIFTについてはこちらの記事を参考に
【ZWIFTセグメント徹底解説】最速タイムを出してジャージをゲットする方法
時間によるトレーニング量の数値化は、強度を表すことができません。
全力で漕いだ1時間も、ゆっくり漕いだ1時間も同じ数値になります。
トレーニング時間は、いつか頭打ちになります。
時間の限界を迎えた次にやるべきことは、強度を上げる事です。
時間によるトレーニングボリュームの管理は、強度を表すことができません。
トレーニングの目標・目的によって、乗るべき時間は異なります。
健康維持が目的の場合は、週3時間から週5時間が適切です。
より速くなりたい場合は、週6時間から週10時間は乗る必要があります。
レースで表彰台を目指す場合は、少なくとも週10時間以上乗る必要があります。
ロードレースについてはこちらの記事を参考に
闇雲に距離を乗れば最速になれる訳ではありませんが、ロードバイクの練習距離とその人の速さはある程度比例します。
強い選手は、長い距離を乗っているのが事実です。
最初の頃は、距離を乗るだけで強くなることが実感できるはずです。
ロードバイクに乗れる時間は、人によって違います。
学校や仕事があると、乗れる時間はかなり制限されます。
プロ選手は最低でも週に500km乗ります。
多い時は1200kmに達します。
ほとんどのアマチュア選手は、これだけの距離を乗るのは不可能です。
アマチュア選手のトップレベルは、少なくとも週250kmから300km程度は乗ります。
週500km乗る人もいます。
目標とするレースの距離が長い程、毎週乗り込む距離を長くする必要があります。
プロ選手についてはこちらの記事を参考に
【ロードバイクのVO2MAX判定】自分のVO2MAXは普通より高いor低い?【海外プロロードレーサーと比較】
パワーメーターと解析ソフトを使ったトレーニングボリュームの管理は、現時点で最も厳密な方法です。
時間や距離による数値化とはレベルが違います。
様々な分析が可能なので、トレーニングに対するモチベーションアップにもつながります。
パワーデータについてはこちらの記事を参考に
ロードバイクでパワートレーニング CTL・ATL・TSBでパフォーマンス管理
CTLとは、過去7週間(42日間)のトレーニングボリュームを数値化したものです。
毎回のトレーニングボリュームを表すトレーニングストレススコア(TSS)を基準に算出します。
毎日のトレーニングボリューム(TSS)の積み重ねがCTLです。
CTLは、過去7週間の単純な平均値ではありません。
直近のトレーニングボリュームを重視した数値になります。
直近のトレーニングボリュームが多いほど、CTLの値は高くなります。
トレーニングは、CTLの増加を目指して取り組みます。
CTLはロードバイクのトレーニングで最も重要な値です。
CTLを最大限に引き上げることは、パフォーマンスが向上する可能性を高めます。
CTLは、良いトレーニングが出来ているかを示す指標の一つです。
「CTLが高い=良いパフォーマンスを発揮できる」とは言えません。
CTLが高い時は、疲労も蓄積しています。
ロードレースで勝利するには、CTLを低下させる必要がある場合もあります。
CTLはトレーニング内容に大きく左右されます。
CTLを最も増加させるのは中強度のロングライドです。
中強度のロングライドを繰り返すと、CTLは大幅に増加します。
逆に、スプリントトレーニングはCTLが増加しにくくなります。
ロングライドを繰り返している人は、CTLが高いので優れたパフォーマンスを発揮できそうですが、実際はそうではありません。
ロングライドのみではVO2MAXやスプリント能力に欠けるため、レースで勝利しにくくなります。
VO2MAXトレーニングについてはこちらの記事を参考に
正確なCTLの算出は、正確なFTP値にかかっています。
FTPが実際の力より低く設定されている場合は、CTLが不当に高く計算されます。
実際よりも多くトレーニングしているように表示されてしまいます。
FTPについてはこちらの記事を参考に
【ロードバイク】初めてのFTPテストで好成績を出すコツと失敗しない方法
CTLを永遠に上昇させることはできません。
トレーニング時間には制限があります。
CTLが頭打ちになるのは、週のトレーニング時間の上限に達した時です。
週のトレーニング時間の上限は、人によって7時間だったり、25時間だったりします。
トレーニング時間に制限があるのは、プロ選手でもアマチュア選手でも同じです。
トレーニング時間が頭打ちになっても毎回のトレーニングのTSSを高めれば、CTLは上昇します。
時間が上限に達した場合にCTLを上昇させる方法は、トレーニング強度を上げることです。
しかし、スプリントトレーニングやVO2MAXトレーニングは疲労度とTSSがリンクしにくい強度です。
従ってトレーニング時間が上限に達し、なおトレーニングの質を高めた場合は、CTLは実際のパフォーマンスを表しにくくなります。
良いCTLや悪いCTLを一概に言うことはできません。
同じCTLでもトレーニング内容や目的が異なるためです。
CTLはトレーニングボリュームを表す指標の一つに過ぎません。
CTLが100の場合、過去42日間毎日1時間全力でトレーニングしたことを表します。
週6時間トレーニングする人のCTLは40程度です。
週25時間トレーニングする人のCTLは170程度です。
両者の数値には、大きな違いがあります。
実際のパフォーマンスにも大きな差があるはずです。
目標とするレースの距離が長いほど、CTLを上昇させる必要があります。
6時間以上のレースを目標とする場合のCTLは最低でも75は必要です。
トラックレースなど、短時間の競技の場合は、目標のCTLが低くなります。
CTLはパフォーマンスの全てを表すことはできませんが、ある程度推測することはできます。
CTLは中強度のロングライドを繰り返すと大きく上昇します。
年間を通してCTLが最も上昇するのは、冬のベーストレーニングの時期です。
ベーストレーニングでは、テンポ走やスイートスポットトレーニングを繰り返すため、CTLが大きく上昇します。
ベーストレーニングでCTLが上昇することは、有酸素能力が向上している事を表します。
CTLが高ければ高いほど、急激に低下しやすくなります。
トレーニングを数日休んだだけで、CTLは劇的に低下します。
CTLはトレーニング量を表しますが、実際のパフォーマンスを表す訳ではありません。
レースで最高のパフォーマンスを発揮するには、CTLの低下が必要です。
CTLを低下させることで、疲労を抜き、パフォーマンスが向上します。
重要なレース前にCTLが低下するのは自然な事です。
ベーストレーニングが終わり、個別の能力を向上させる時期もCTLが低下します。
スプリントトレーニングやVO2MAXトレーニングは、非常に短時間で高強度です。
これらのトレーニングは大きな疲労を伴いますが、TSSは低く算出されます。
短時間・高強度のトレーニングの合間はリカバリーライドが必要です。
トレーニング全体としては、TSSが低くなるためCTLも下降します。
CTLが低下しても、3分間・10分間・20分間の最大パワーや峠でのベストタイムを更新する可能性があります。