FTPとは、1時間の最高平均パワーです。
1時間出し続けることができるパワーを意味します。
FTPは、ロードバイクの能力を示す指標に使われます。
FTPの本来の定義は、「疲労することなく、維持できる最高パワー」です。
FTP以上のパワーは、疲労が急激に蓄積します。
FTP以下のパワーは、かなり長く維持することができます。
自分のFTPを知る最も大きな目的は、トレーニングのパワーゾーンを設定するためです。
ロードバイクは、スプリント、VO2MAX、有酸素能力など様々なパワー域の能力が求められます。
それぞれの能力を個別にトレーニングするための基準が、FTPです。
トレーニングゾーンは、FTPのパーセンテージに応じて設定します。
トレーニングゾーン | FTP比 |
回復走 | ~55% |
耐久走 | 56~75% |
テンポ走 | 76~90% |
SST・スイートスポット | 88~94% |
LT(乳酸閾値) | 91~105% |
VO2max | 106~120% |
無酸素運動容量 | 121~150% |
神経筋パワー | – |
パワーゾーンのトレーニングについてはこちらの記事を参考に
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ワークアウトは、FTP比に基づいて行われます。
FTPは、他人と比べるためのものではありません。
トレーニングに活用することが大切です。
正しいトレーニングを行うためには、正しいFTPを知る必要があります。
FTPを数か月ごとにテストすれば、トレーニングの進捗状況が数値化できます。
正しいトレーニングをしていれば、FTPは上がります。
ロードバイクを始めたばかりなのに、FTPが停滞するか、下がる場合はトレーニング方法を見直す必要があります。
FTPが上がれば、トレーニングゾーンも上げる必要があります。
トレーニングゾーンは、FTP比で設定します。
FTPが上がり、能力が向上しても、トレーニングは楽になることはありません。
ただし、ロードバイクは速くなります。
FTPテストは、屋内でも屋外でもできます。
屋内でする場合は、スマートトレーナーかローラー台を使います。
屋内と屋外で、FTPテストの結果が異なる場合があります。
一般的に、屋外の方が数値は高くなる傾向があります。
屋内は体温が上がりやすく、ポジションも限定されるためと考えられます。
屋内のFTPが低くなる原因についてはこちらの記事を参考に
屋内でトレーニングする時のパワーゾーンは屋内でテストした時の値を使います。
実走でトレーニングする時のパワーゾーンは実走でテストした時の値を使います。
屋内でする場合、車などに注意する必要がないのでテストに集中することができます。
風の影響など、天候に左右されないのでいつでも同じ条件でテストできます。
屋内でFTPテストをする時に最も気をつけるのは室温です。
屋内でFTPテストをする時の室温は17度程度にします。
体温の上昇は、想像以上にパフォーマンスを低下させます。
真冬なら、窓を開けてFTPテストをします。
夏場は、クーラーと扇風機を活用しましょう。
屋内トレーニングのベストな室温についてはこちらの記事を参考に
ZWIFTに最適な快適室温は何度!?暑すぎる・寒すぎるとどうなるの!?
ZWIFTを使っている場合は、ペダルを漕ぐだけで自動的にFTPテストができます。
初めてのFTPテストは、残り5分が非常にきついです。
一緒に励ましてくれる人がいれば、残り5分を乗り越えることができます。
初めてFTPテストをする場合は、叱咤激励委してくれるコーチ役の人がいればベストです。
ZWIFTのFTPテストについてはこちらの記事を参考に
ZWIFT FTPテスト全4種類徹底解説 20分テスト・ランプテスト ベストなFTPテスト方法を紹介
屋内でFTPテストをする場合は、集中力を保つのが大変です。
特にローラー台の場合は、前日からモチベーションを高める必要があります。
必ずやり遂げる強い気持ちが大切です。
ZWIFのFTPテストは4種類あります。
大きく分けて、20分走とランプテストです。
20分走は、20分間全力でペダルを回します。
ランプテストは、徐々に高くなる負荷に合わせて限界までペダルを回します。
どちらのテストも限界まで追い込む必要があります。
ウォーミングアップの時間や、負荷の上がり方で種類が分かれます。
ランプテストは、徐々に上がる負荷に合わせるだけなのでペース配分が不要です。
初めてFTPテストをする場合は、ランプテストが適しています。
ZWIFTのFTPテストイベントに参加する方法もあります。
ZWIFTのFTPテストイベントに参加すれば、世界中の人とFTPテストができます。
一人ではくじけそうな場合でも、周りに人が居れば不思議と頑張れるようになります。
イベントでは、3分間と2分間のインターバルを行った後に、20分間の全力走をします。
予め脚を疲労させることで、FTPテストの精度を高めます。
屋外でFTPテストをする場合は、コース設定が重要です。
緩やかな上りが20分続き、曲がり角や信号のないコースを選びます。
理想的なFTPテストができるコースは、非常に限られています。
FTPテストは、トレーニングの進捗状況を確かめるために定期的に行う必要があります。
あまりに家から遠方だと、定期的にテストすることが困難になります。
利便性だけでコースを決めると、正しいFTPが側的できません。
家からそんなに遠くなく、適正なコースを見つけることが重要です。
屋外は、風向きや天気など様々な変数があります。
FTPテストを行う際は、なるべく同じ気象条件で行います。
特に風向きは重要です。
FTPテストは、無風の時に行います。
道路がウェットかドライかでもテスト結果は異なります。
条件を合わせ、変数をなるべく小さくしましょう。
もし近所に信号のない20分の緩やかな上りのコースがあれば、かなり幸運です。
距離がとれない場合は、8分間テストを試すこともできます。
ウォーミングアップ | 20分 |
全力走 | 8分 |
レスト | 10分 |
全力走 | 8分 |
クールダウン | 15分 |
2回の8分テストで高い方の数値の90%がFTPとなります。
初めてFTPテストをする場合は、3回行うことをおすすめします。
20分間追い込むのは非常に難しいです。
最初は、ハードに追い込みすぎて、途中で失速してしまいます。
FTPテストはコツが必要です。
回数をこなせば、目標のワット数が分かります。
20分間集中することも出来るようになります。
FTPテストは後半にかけて、徐々に追い込む必要があります。
最初のFTPから1週間毎に3回FTPテストをします。
恐らく、1回目より3回目の方がFTPが高いはずです。
FTPテストは、安定したパワーを出すことが重要です。
スタートから素早く、しかしコントロールしたパワーでペダリングします。
ゴール間際で急激にパワーを上げると、正しいFTPが出ません。
逆に、後半に失速しても正しいFTPになりません。
ハード過ぎず、イージー過ぎないのが大切です。
疲労は後半にかけて蓄積します。
FTPの目安が分かっているなら、その数値の少し下からスタートします。
10分後に少しパワーを上げ、残り5分から更にパワーを上げます。
最後の1分は、限界まで追い込みます。
テスト中は、5分毎に平均パワーをチェックします。
もし余裕があるなら、数パーセントづつパワーを上げます。
急激なパワー上昇は、失速の原因になります。
重要なのは、最後の5分です。
最後の5分に余裕があるなら、もっと追い込める可能性があります。
最後の5分でオールアウトするのがベストです。
FTPテストにベストなケイデンスは、いつもトレーニングしている時のケイデンスです。
推奨されるケイデンスは85rpmから95rpmです。
安定したパワーを出すためにも、ケイデンスは一定値を保ちます。
実走の場合は、小まめにシフトチェンジします。
安定したパワーやケイデンスを保つためにも、一定の傾斜のコースが理想です。
ZWIFTでFTPテストをする場合は、ERGモードが自動的に解除されます。
自由にケイデンスを選ぶ事ができます。
ランプテストの場合は、ERGモードが維持されます。
ケイデンスを極端に上下させると、正確なFTPが計測できなくなります。
ERGモードについてはこちらの記事を参考に
ZWIFTワークアウト ERG徹底ガイド 3つのメリットと5つのデメリット
FTPテストの目的は、正しい数値でトレーニングすることです。
自分の能力より低いFTPでトレーニングしても、意味がありません。
FTPテスト自体が、最高のトレーニングとなります。
最初のFTPテストから3か月以内に、次のFTPテストをします。
定期的にFTPテストをして、トレーニングの進捗状況を確認します。
正しいFTPを知るには、1時間全力で走る必要があります。
しかし、1時間全力で走るのは多くのアマチュアレーサーにとって不可能です。
精神的にきつく、ペーシングも困難です。
そのため、20分間の平均パワーからFTPを知る方法が考えられました。
20分間のFTPテストで分かるのは、FTPの推定値です。
FTPテストは、スピードを出すのではなく、パワーを出すことが大切です。
リラックスしたポジションでテストしましょう。
ダンシングではなく、シッティングで行います。
ZWIFTでFTPテストする場合は、4種類の方法があります。
初めてFTPテストをする場合は、徐々に負荷が上がるランプテストがおすすめです。
少しづつ負荷が上がるので、最後まで集中して取り組めます。
この方法は、実走ではできません。
負荷が自由にコントロールできるスマートトレーナーならではのFTPテストです。
ローラー台や屋外でFTPテストする場合、次の手順でします。
ウォーミングアップ | 軽く | 20分 |
高ケイデンス | 1分×3回(レスト1分) | |
軽く | 5分 | |
全力走 | 5分 | |
メインセット | 軽く | 10分 |
FTPテスト | 20分 | |
クールダウン | 軽く | 15分 |
ウォーミングアップの5分間のオールアウトは、予備疲労の目的があります。
5分間オールアウトすることで、20分間のパワーは少し下がります。
予備疲労により、より正しいFTPが推定できます。
サイクルコンピューターにFTPテストモードがある場合もあります。
FTPテストモードがあれば、指示に従ってペダルを漕げば自動でテストができます。