戦術に長けた選手が勝つのがロードレース
FTPが高いだけではロードレースに勝てない
ロードレースはパワーを競うのではなく、誰が一番にゴールラインを通過するかを競う!
ロードレーサーの強さを表す指標の一つがFTPです。
FTPの高い選手は概して最大酸素摂取量(VO2MAX)も高いです。
FTPの高い選手はレースに勝つ可能性が高いですが、全ての選手が当てはまる訳ではありません。
VO2MAXとレース結果の関係についてはこちらの記事を参考に
戦術が勝敗を決する
ロードレースは戦術が非常に大切です。
レース経験を積むほど、多彩な戦術で走れるようになります。
レーステクニックを組み合わせて自分の能力を最大限に引き出せた選手が勝利します。
コースの長短、地形、風向きなど一つとして同じレースはありません。
しかし、レース展開は何パターンかに分類することができます。
アマチュアレースに多い展開
- スタート直後に散発的なアタックがかかるが決まらない
- その後、5人から6人の逃げ集団ができる
- 追走集団はペースが落ち着く
- 追走集団に力のある選手が含まれていない場合は、逃げ集団がタイム差を広げる
- レース終盤に逃げ集団から数名がアタック
- 数名によるゴールスプリント
ゴールスプリントまで残れる選手になるには戦術が必要です。
クリテリウムレースの走り方についてはこちらの記事を参考に
タイムトライアルの走り方についてはこちらの記事を参考に
①集団前方に位置どる
前々で展開
ロードレースの鉄則は絶えず集団前方に居ることです。
集団前方に位置すると先頭を曳くことも多く、体力を消耗します。
しかし、集団前方に位置することで多くのアドバンテージを得ることができます。
カーブの立ち上がりは集団が伸び、後方の選手は脚を使って追いつかなければなりません。
カーブの度にインターバルがかかります。
アタックがかかるのは集団前方です。
集団後方に居ては有力な逃げに乗ることは不可能です。
集団前方に位置すると風を受け、脚が削られますが、レースに勝つためには譲れないポジションです。
集団前方に位置するとトラブルが回避できて、レース展開に対応しやすくなるよ!
②脚を使うのは必要な時だけ
ロードレース中は脚を使わなければならない場面が数回訪れます。
- 有力選手のアタックに反応する
- 逃げ集団とのギャップを縮める
- 登りで遅れないようにする
- ゴールスプリントを制する
必要な場面以外で無駄な脚を使わないようにします。
脚を使える回数は限られています。
レース展開を読んで、脚を使うべき場面かどうかを見極めましょう。
多くのレースは後半3分の1で大きく動きます。
③有力選手を事前にチェック
スタートリストを必ず確認しましょう。
多くのレースで有力選手は数名です。
有力選手が複数含まれる逃げ集団は要注意です。
そのままゴールまで逃げ切る可能性が高いです。
有力選手が含まれる逃げ集団に乗らなければ、レースは終わってしまいます。
強い選手から取り残された集団はペースが上がらなくなるね・・・
有力選手の居なくなった追走集団は統制がとれません。
追走も人任せになります。
ローテーションが上手く回らないことが多く、追走のための動きが取れなくなります。
有力選手の含まれた逃げ集団とのタイムギャップは広がっていきます。
④逃げとのタイム差を知る
タイム差は縮まってる?広がっている?
逃げ集団と追走集団との関係で大切なのはタイム差が広がっているか、縮まっているかです。
周回コースで1周ごとに10秒縮まっているなら3周で30秒縮めることができます。
逃げている選手とのタイム差と合わせて計算すれば、あと何周で追いつくかが分かります。
沿道でサポートしてくれる人が居るなら、事前にタイム差だけでなく、差が縮まっているか広がっているかを教えてもらえるように頼んでおきましょう。
タイム差が20秒程度なら集団の力で比較的容易に追いつくことができます。
タイム差20秒を保ったまま、あえて泳がせることで、逃げている選手の脚を削ることもできます。
⑤数種類のアタックを使い分ける
誰かがアタックすると集団内で駆け引きが始まります。
自分以外の誰かが追って欲しいと、みんなが願います。
アタックへの反応は5秒以内にしないと、手遅れになります。
反応が早ければ早いほど、対処しやすくなります。
有力選手のアタックは人任せにせず、自分で対処しましょう。
ベストなアタックのタイミング
アタックするベストなタイミングは自分が疲れている時です。
自分が疲れている時は相手も疲れています。
嫌なタイミングでのアタックほど決まりやすいです。
平坦のアタック・登りのアタック
平坦では切れのあるアタックが必要です。
スプリン力を発揮して全力でアタックします。
登りではソフトアタックが有効です。
シッティングでジワジワとペースを上げましょう。
登り切ってもペースを落としてはいけません。
頂上を超えて更に踏み込むと、ギャップを広げられるよ!
登りの後の平坦や下りは有効なアタックポイントです。
このタイミングで踏むと、大きなギャップを作ることができます。
⑥風を上手く利用する
試走で風向きチェック
追い風は逃げに有利になります。
集団の利点が少なくなるからです。
向かい風は逃げにくくなります。
しかし強烈な向かい風は誰も集団の先頭に立ちたがらなくなるので、逃げのチャンスでもあります。
⑦集団を自分でコントロール
集団を活性化させる
集団をコントロールできれば大きなアドバンテージになるよ!
逃げに追いつきたい時は単独で追わず、集団を活性化させることが大切です。
活性化のきっかけを作ることで、エネルギーを節約して逃げに追いつくことができます。
集団に逃げを追わせる雰囲気を作ります。
集団が離れない程度の速さで先頭に立ち、ペースアップします。
集団のスピードが上がったタイミングで先頭交代します。
このまま数人の選手が先頭を回ってくれれば良いのですが、また集団のペースが落ちる場合もあります。
集団のペースが落ちる前に再度先頭に立ち、ペースを上げます。
何度か繰り返すことで集団が活性化し、ペースアップする場合があります。
集団が充分に活性化したら、先頭を曳く時間を減らし、力を蓄えます。
逃げに追いつい時は集団のペースが緩むタイミングです。
この時にカウンターアタックすると多くの場合、逃げることができます。