ツール・ド・フランス・ファム アヴェック ズイフト
2022年の女子プロロードレースで最も大きな話題は女性版ツールドフランス「ツール・ド・フランス・ファム アヴェック ズイフト」の開催です。
女性版ツールドフランスは2014年から行われていましたが、ツールドフランスの合間に開催するワンデーレースでした。
ツール・ド・フランス・ファム アヴェック ズイフトはツールドフランスの直後である7月24日から8日間にわたって開催されます。
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ジロ・ローザの復活
2番目に大きな話題はジロ・デ・イタリア・ドンネの復活です。
ジロ・デ・イタリア・ドンネ(正式名称:ジロ・ディタリア・インテルナツィオナーレ・フェミニーレ)は女性版ジロ・デ・イタリアです。
2016年から2020年までワールドツアー大会として開催されていました。
9ステージで開催されていました。
第1回大会が開催されたのは1988年です。
主催者を変えながら続けられてきました。
2022年に第33回大会を迎える女子レースで最も歴史ある大会です。
日本からは萩原麻由子選手や與那嶺恵理選手も参加しています。
萩原麻由子選手は2015年第6ステージ優勝という快挙を成し遂げています。
主催者がUCIの規定に従わなかったため2021年はワールドツアーから降格されていました。
2022年は7月1日から7月10日まで10日間にわたり開催されます。
女子プロロードレースで最長のステージレースとなります。
女性版ツール・ド・フランスとジロ・デ・イタリアが揃う2022年は「ダブルツール」を狙う絶好のチャンスです。
男子がツール・ド・フランスとジロ・デ・イタリアのダブルツールを成し遂げたのは過去10回です。
最後に成し遂げたのはマルコ・パンターニで1998年のことでした。
女子のダブルツールとしては1995年から1997年にかけて3回と2000年に1回あります。
男子はダブルツールの間に約1ヶ月の期間が空きます。
女子は約2週間の期間しか空きません。
女子プロロードレーサーについてはこちらの記事を参考に
女子プロロードレース界を牽引するレジェンド マリアンヌ・フォス
ステージレース
注目レースは女性版ツール・ド・フランスとジロ・デ・イタリアだけではありません。
ステージレースとして8月9日から14日にBattle of the Northが開催されます。
Battle of the Northは「北の戦い」の名前のとおり、デンマーク、ノルウェー、スウェーデンで開催される6日間のステージレースです。
主催者は女性版ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアに並ぶステージレースとなることを目論んでいます。
UCIの基準を満たすために45分以上のテレビ生中継がされる予定です。
ワンデーレース
ワンデーレースは2021年と同規模で開催されます。
シーズンは3月5日のストラーデ・ビアンケから始まります。
パリ〜ルーベは本来のスケジュールである4月10日に開催されます。
男子レースでもお馴染みのツール・デ・フランドル、アムステルゴールドレース、フレッシュ・ワロンヌ、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュも開催されます。
10月18日のツアーオブ広西(中国)が最終レースです。
開催日 | レース名 | 開催国 |
5月5日~7日 | Tour of Chongming Island | 中国 |
5月13日~15日 | Itzulia Women | スペイン |
5月19日~22日 | Vuelta a Burgos | スペイン |
5月27日~29日 | RideLondon Classique | イギリス |
6月6日~11日 | Women’s Tour | イギリス |
7月1日~10日 | ジロ・デ・イタリア・ドンネ | イタリア |
7月24日~31日 | ツール・ド・フランス・ファム アヴェック ズイフト | フランス |
8月9日~14日 | Battle of the North | ノルウェー |
8月30日~9月4日 | Boels Ladies Tour | オランダ |
9月8日~11日 | Ceratizit Challenge by La Vuelta | スペイン |
開催日 | レース名 | 開催国 |
3月5日 | ストラーデ・ビアンケ | イタリア |
3月13日 | Ronde van Drenthe | オランダ |
3月20日 | Trofeo Alfredo Binda | イタリア |
3月24日 | Oxyclean Classic Brugge-De Panne | ベルギー |
3月27日 | Gent-Wevelgem in Flanders Fields | ベルギー |
4月3日 | ツール・デ・フランドル | ベルギー |
4月10日 | パリ~ルーベ | フランス |
4月17日 | アムステルゴールドレース | ベルギー |
4月20日 | フレッシュ・ワロンヌ | ベルギー |
4月24日 | リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ | ベルギー |
8月6日 | Postnord Vargarda (チームタイムトライアル) | スウェーデン |
8月7日 | Postnord Vargarda (ロードレース) | スウェーデン |
8月27日 | GP Lorient Agglomération-Trophée Ceratizit | フランス |
10月18日 | ツアーオブ広西 | 中国 |
2023年から男子選手と同条件
2023年から女子選手の最低給与保証が男子と同額まで引き上げられます。
2022年は現在の20,000ユーロ(約260万円)から27,500ユーロ(約357万円)に引き上げられます。
2023年には更に32,100ユーロ(約414万円)に引き上げられます。
選手には、健康保険と傷害保険、出産休暇、最低30日の有給休暇が与えられます。
レース出場日は最高75日です。
出産休暇の期間は3ヶ月間は給与の100%、その後5ヶ月間は50%が支給されます。
5チームが加わり全14チームに成長
女子ワールドツアーは2021年の9チームから2022年は14チームに増加します。
新たに5チームがツアーライセンスをUCIから与えられました。
UCI規定では最大15チームが登録可能です。
1チーム足りない状態で2022年シーズンを戦います。
女子チームは10名以上20名以下で構成する必要があります。
2022年シーズンは少なくとも140名以上の女子プロロード選手がワールドツアーを走ります。
チームの平均年齢は26歳です。
新たに加わったのは次のチームです。
Jumbo-Visma
EF Education-Tibco-SVB
Human Powered Health(旧Rally Cycling)
Roland Cogeas Edelweiss
Uno-X Pro Cycling Team
女子ワールドツアーは次の14チームです。
2021年ワールドランキング1位
SD Worxは2021年ワールドランキング1位でした。
2020年のダブル世界チャンピオンであるAnna van der Breggen選手が数々の勝利をもたらしました。
Anna van der Breggen選手は引退を表明しました。
2022年はAnna van der Breggen選手なしで戦わなくてはなりません。
新エースはDemi Vollering選手
チームの主役となるのはDemi Vollering選手です。
26歳のDemi Vollering選手はオランダのチャンピオンです。
自己主張をしつつも冷静沈着な走りをします。
ゴールスプリントに定評があります。
チームの平均年齢は28歳です。
SD Worxはチーム戦術を重視します。
引退したAnna van der Breggenが新たにチームカーから指示を出します。
Niamh Fisher-Black選手やBlanka Vas 選手など若手選手も揃っています。
結成3年目 SD Worxからワールドランキングを奪い返す
Trek-Segafredo Womenは2022年で結成3年目を迎えます。
2020年はワールドランキング1位でしたが2021年にSD Worxにその座を奪われました。
2022年は主力であったWinder選手とTrixi Worrack選手を失います。
経験豊富な選手が春のクラッシックレースとツール・ド・フランス・ファム アヴェック ズイフトを狙う
Elizabeth Deignan選手はイギリス人です。
2021年パリ~ルーベの石畳第1セクターでアタックしそのまま独走優勝しました。
Elizabeth Deignan選手はワンデーレースを得意とします。
33歳のElizabeth Deignan選手はキャリアの集大成としてツール・ド・フランス・ファム アヴェック ズイフトも狙います。
Ellen van Dijk選手はオランダ人です。
34歳のEllen van Dijk選手はチーム内で最も経験豊富な選手です。
タイムトライアルの世界チャンピオンでもあります。
石畳のクラッシックレースで実績がありますが2021年のパリ~ルーベは思うような走りができませんでした。
2022年のパリ~ルーベでのリベンジに燃えています。
結成17年目 ツール・ド・フランス・ファム アヴェック ズイフト総合優勝を目指す
FDJ Nouvelle Aquitaine Futuroscope はCecilie Uttrup Ludwig選手、Grace Brown選手、Marta Cavalli選手という強力な布陣です。
結成17年目を迎えるフランス国籍のチームにとってツール・ド・フランス・ファム アヴェック ズイフトは最大の目標になります。
選手層の厚みがFDJ Nouvelle Aquitaine Futuroscopeの長所です。
強力なトリオ選手
Cecilie Uttrup Ludwig選手はデンマーク人です。
2021年に自身初となる女子ワールドツアー優勝を果たしました。
Grace Brown選手は2021年に女子ワールドツアー2勝しています。
FDJ Nouvelle Aquitaine Futuroscope へは新規加入となります。
Marta Cavalli選手は2021年に優勝はなかったものの、安定してトップ10入りしています。
アシスト役として活躍することを期待されます。
2022年はダブルエース体制
Team DSMはLorena Wiebes選手と Charlotte Kool 選手のダブルエースでワールドツアーを狙います。
チームの平均年齢は22歳です。
Team DSMはワンデーレースと平坦基調のステージレースに強いチームです。
若手選手の育成に力を入れています。
教育プログラムを組んで複数年契約で選手を育てます。
26歳のMackaij選手と31歳のKirchmann選手がチームを引っ張ります。
Lorena Wiebes選手は2021年シーズンはレース中の落車で脳震盪になったのを始め、怪我によりレースから遠ざかっていました。
2022年は復活を目指すシーズンになります。
Charlotte Kool 選手はLorena Wiebes選手のリードアウト役を担います。
平坦基調のコースが得意な選手です。
Jumbo-Visma Womenはフランス籍のチームです。
2022年にワールドツアーチームに昇格します。
Jumbo-Visma Womenはランキング6位でエースのマリアンヌ・フォス選手が4位につけています。
2022年は2人の有能な若手ライダーを軸に更なる飛躍を目指します。
チームリーダーであるマリアンヌ・フォス選手についてはこちらの記事を参考に
女子プロロードレース界を牽引するレジェンド マリアンヌ・フォス
Amber Kraak選手はボート競技のU23世界選手権で優勝経験があります。
半年前に自転車競技に転向し2021年途中でJumbo-Visma Womenと契約した異色の経歴を持ちます。
レース経験が浅いだけに伸びしろが楽しみな選手です。
Aafke Soet選手はオランダ人です。
2018年ヨーロッパ選手権U23タイムトライアル優勝、ロードレース2位です。
2020年はほとんどレースに出場しませんでした。
2021年に結果を残し、契約延長となりました。
若いチーム
Uno-X Pro Cycling Teamは17歳から24歳の選手で構成されます。
育成を主眼においたチーム構成です。
注目選手はSusanne Andersen選手とHannah Ludwig選手です。
Susanne Andersen選手はノルウェー人です。
ツアー・オブ・ノルウェー第1ステージで2位です。
Hannah Ludwig選手はドイツ人です。
U23個人タイムトライアルチャンピオンです。