マリアンヌ・フォス は女性プロロードレーサーの最も偉大な選手です。
2021年のジロ・デ・イタリア・ドンネ第7ステージで30回目の優勝を果たし、自身の持つステージ優勝回数記録を更新しました。
マリアンヌ・フォスはロードだけでなく、シクロクロスやトラック競技でも世界タイトルを獲得しています。
シクロクロスの世界タイトルが7つ、ロードの世界タイトルが3つ、トラックの世界タイトルが2つです。
ロードとトラックのオリンピック金メダリストでもあります。
イギリス人トップスプリンターであるマーク・カベンディッシュはマリアンヌ・フォス を「goat(greatest of all time=史上最高の選手)」と称えました。
キャリア16年目にも関わらず、レースへの情熱が衰えることはありません。
マリアンヌ・フォスはインタビューでモチベーションを保ち続ける秘訣について「まだ勝っていないレースでの勝利がモチベーションになっているのではない。ただレースで自分の力を発揮したいだけ。素晴らしいレースがたくさんあるので常に新しい目標がある」と答えています。
モチベーションについてはこちらの記事を参考に
バーンアウト(燃え尽き症候群)を防げ!~いつまでも情熱的にレースするために~
小さい頃からスポーツ万能
マリアンヌ・フォスは1987年5月13日にオランダのデン・ボスで生まれました。
2021年現在の年齢は34歳です。
デン・ボスはオランダ南部の人口13万人の都市です。
8歳からロードレースをしています。
冬はシクロクロスでロードレースのトレーニングをしていました。
インラインスピードスケートのレースにも参加していました。
14歳の時にインラインスピードスケートに代わりマウンテンバイクを始めました。
オランダは自転車競技が盛んです。
選手層も厚く、男女共に世界トップクラスです。
オランダの自転車事情についてはこちらの記事を参考に
【ロードバイク】オランダ強さをスポーツ政策から考える!【自転車競技】
2006年 19歳で世界タイトル獲得
2002年にオランダ選手権ジュニアロードレースで優勝します。
それ以降は数々のタイトルを獲得しています。
2006年にロードレース世界選手権優勝・シクロクロス世界選手権優勝。
初の世界タイトルを手にします。
賞金の男女同額化や、トップチームのプロ化で女子プロロードレースは大きく飛躍しようとしています。
2022年は女子プロロードレースが大躍進する年になりそうです。
女子ワールドチームを頂点とするピラミッド構造
男子チームはツールドフランスなどに出場するワールドツアーチームを頂点としたプロコンチネンタルチーム、コンチネンタルチームの3層ピラミッドです。
女子プロロードレースは2層ピラミッドになっています。
女子ワールドチームと女子コンチネンタルチームです。
女子ワールドチームは2021年は9チーム登録されています。
9チームの中にはCanyon SRAM Racing 、FDJ Nouvelle Aquitaine Futuroscope、Movistar Team、Trek-Segafredo Women といった男子ワールドツアーチームで馴染み深いチームもあります。
女子コンチネンタルチームは32チームが登録されています。
日本人プロロードレーサーである與那嶺恵理選手が2021年に所属したTeam TIBCO – SVBも女子コンチネンタルチームです。
2022年は女子ツールドフランスが始動
2022年女子プロロードレース界最大のニュースは女性版ツールドフランスであるツール・ド・フランス・ファム アヴェック ズイフトの開催です。
ツール・ド・フランス・ファム アヴェック ズイフトはツールドフランスの直後である7月24日から31日までの8日間で開催されます。
ツールドフランスと同様に4賞ジャージが与えられます。
ツール・ド・フランス・ファム アヴェック ズイフトはZWIFTが冠スポンサーです。
ZWIFTはA.S.O.と4年間のパートナーシップを結び女子自転車競技の発展を支援します。
フランスTVはツールドフランスの中継期間を延長してツール・ド・フランス・ファム アヴェック ズイフトを生中継します。
2022年は女子プロロードレースが世界的に注目される年となります。
ジロ・ローザが復活・ビッグワンデーレースも
ワールドツアーとして2016年から2020年まで開催されていた女性版ジロ・デ・イタリアであるジロ・デ・イタリア・ドンネ(ジロ・ローザ)が2022年に復活します。
ジロ・デ・イタリア・ドンネは最も長い女子ステージレースです。
ワンデーレースはパリ~ルーベやアムステル・ゴールドレース、フレッシュ・ワロンヌ、リエージュ~バストーニュ~リエージュなどビックレースが予定されています。
2022年はステージレースが10大会、ワンデーレースが14大会予定されています。
キャリア17年目に突入
2022年、マリアンヌ・フォスはキャリア17年目に突入します。
2021年からオランダを本拠地とするTeam Jumbo-Visma Women(チーム・ユンボ・ヴィズマ)と3年契約しています。
Jumboはスーパーマーケット、Vismaはソフトウェアサービス会社です。
2022年も引き続きチーム・ユンボ・ヴィズマでレースに参戦します。
チーム・ユンボ・ヴィズマへの移籍はマリアンヌ・フォスにとって大きな挑戦でした。
マリアンヌ・フォスは2006年の世界選手権優勝以来チームスポンサーは異なるものの、同じチーム組織に所属していました。
2021年にCCC-Livからチーム・ユンボ・ヴィズマへの移籍が発表されました。
チーム組織が変るのはキャリアの中で初めてとなります。
2022年 チーム・ユンボ・ヴィズマは女子ワールドチームへ昇格
2022年女子ワールドチームは14チームです。
2021年から5チーム増えました。
チーム・ユンボ・ヴィズマも女子ワールドチームに昇格しました。
マリアンヌ・フォスはツール・ド・フランス・ファム アヴェック ズイフトを含むビッグレースに引き続き参戦します。
チームの指導役
ユンボ・ヴィズマはキャリア豊富ながらも若い選手で構成されています。
チームの平均年齢は26歳です。
経験豊富なマリアンヌ・フォスがチームを牽引する役割を果たす必要があります。
UCIの規定により発足当初の2021年は女子ワールドツアーに参加できませんでした。
2022年は女子ワールドチーム昇格により更に注目度が上がります。
東京オリンピックで7位のアメリカ人女子プロロードレーサーであるCoryn Labeckiが移籍するなど2022年に向けてチーム強化が図られています。
シーズン当初はシクロクロスワールドカップに参戦
2021ー2022シーズンのシクロクロスワールドカップ参戦も表明しています。
12月12日にイタリアで開催されるワールドカップがシーズン初戦となります。
ワールドカップ6戦のうち4戦に出場予定です。
12月112日 | Val di Sole World Cup |
1月18日 | Rucphen World Cup |
1月26日 | Dendermonde World Cup |
2月2日 | Hulst World Cup |
2月9日 | Dutch Championship |
2月23日 | Hoogerheide World Cup |