ロードバイクに乗る人は、トレーニング方法や食事などに深い関心があります。
その反面、体の柔軟性やメンテナンスへの関心が低いことがあります。
ロードバイクトレーニングをしていると疲労が蓄積したり筋肉痛になったりします。
疲労の蓄積や筋肉痛、筋肉の張りを放置しておくとロードバイクトレーニングの質が低下したりケガにつながります。
ロードバイクは比較的同じ動作を繰り返す運動です。
ペダルを回し続けるため、脚を完全に伸ばしたり広げたりすることはありません。
ロードバイクに乗っている時間は、関節の可動域を大きくする動きはありません。
ストレッチングについてはこちらの記事を参考に
健康にロードバイクトレーニングしたい!!関節可動域(ROM)の話
ロードバイクトレーニング必須!骨盤コントロール能力向上のためのトレーニング!!
マラソンなどの持久系種目にストレッチが必要かどうかは、意見が分かれています。
ストレッチをすると運動時の筋肉の収縮が増えるため、余計なエネルギーを消費するという説もあります。
成績の良いマラソンランナーと柔軟性に関係性はあまりないことも分かっています。
ロードバイクは、筋肉が伸びながら力を出す動き(エキセントリック収縮)がほぼないスポーツであるということも話を複雑にしています。
関節可動域と混同しがちなのが、筋の硬さです。
筋の硬さは、「筋が張っている」「やわらかい筋肉」などと表現されることがあります。
筋の硬さは、筋肉そのものの硬さであり、関節可動域との相関関係は低いです。
陸上の短距離選手は、筋の硬さが硬い傾向があります。
逆に長距離選手は、筋の硬さが柔らかい傾向があります。
筋の硬さはバネの役割があるため、硬い筋の方が瞬発力に優れていると考えられています。
筋の硬さは、遺伝的要素が大きいとされています。
筋の硬さは、関節可動域の大きさで評価することはできません。
ストレッチは関節の可動域を大きくする目的があります。
関節可動域が小さいと、体の動きも小さくなります。
「柔軟性がない」と言われる状態になります。
関節可動域が小さいと、姿勢が悪くなりケガのリスクが高まるだけでなくパフォーマンスも低下します。
ロードバイクの前傾姿勢は、股関節が硬くなる傾向があります。
この傾向は、腰痛の原因となり日常生活にも影響します。
トレーニング後などで、太ももを触ると固い部分があります。
筋肉が固まった部分がトリガーポイントです。
トリガーポイントをほぐすことで、ケガの防止や関節可動域を大きくする効果があります。
ストレッチの大きな目的の一つは、トリガーポイントをほぐすことです。
人の体は頭からつま先まで筋膜に覆われています。
筋膜はネット状に編み込まれた繊維です。
筋膜は筋肉だけでなく、内蔵や骨(骨膜)も覆っています。
筋膜はコラーゲンと水でできた繊維質です。
筋膜自体はコラーゲン繊維なので伸縮しません。
日頃から動いている筋膜は水分が適度に供給されるので良い状態を保っています。
バランスの悪い体の使い方をしたりケガをすると動かない筋肉ができます。
筋膜は筋肉の収縮に合わせて網目状に動きます。
筋膜自体が伸びたり縮んだりするのではありません。
筋肉が伸展すると筋膜も伸展します。
動かない筋肉は筋膜に水分が供給されません。
筋膜に水分が供給されないと、筋膜が乾燥し固まります。
固まった筋膜は筋肉と癒着し収縮しにくくなります。
筋膜自身は収縮しないので、筋肉と癒着すると筋肉が収縮しにくくなります。
筋膜と筋肉が癒着した場所をトリガーポイントと呼びます。
トリガーポイントは張りがあったり、押すと痛みがあります。
トリガーポイントは筋肉だけでなく、皮膚やじん帯にできることもあります。
トリガーポイントをフォームローラーを使ってほぐすことでパフォーマンス向上やけがの予防ができます。
リガーポイントをほぐすことで、筋膜に水分が供給されて滑らかに動くようになります。
筋膜をほぐすので「筋膜リリース」や「筋膜はがし」という呼ばれ方もします。
筋膜は筋肉を密着して覆っているので、筋肉からはがれたりすることはありません。
「筋膜リリース」や「筋膜はがし」は筋膜をほぐすイメージ的な言葉です。
本当に筋肉から筋膜がはがれたら大けがです。
強烈な痛みを伴い、動けなくなります。
筋膜が皮膚の上からの刺激で本当にほぐれるかは、様々な意見があります。
しかし、トリガーポイントをほぐすことで関節可動範囲が改善、向上することは体感できます。
科学的な裏付けにはしばらく時間がかかりそうですが、パフォーマンス向上のためにトリガーポイントをほぐすのはメリットがあります。
ロードバイクのトレーニングについてはこちらの記事を参考に
張りがあったり、押すと痛みのある部分を探します。
そこがトリガーポイントです。
フォームローラーをトリガーポイントに当て、体重をかけてほぐします。
ほぐす時間は一か所につき30秒間から45秒間が最適です。
ほぐす場所を変えながら2分間程度続けます。
振動を与えながらほぐすと効果的です。
ロードバイクトレーニング前にトリガーポイントをほぐすことで、トレーニングの質が上がります。
トレーニング前はトリガーポイントをほぐした後にダイナミックストレッチングをしましょう。
ダイナミックストレッチングについてはこちらの記事を参考に
強い痛みがある場合はトリガーポイントではなく筋肉が損傷している可能性があります。
自分の体の状態を判断することが大切です。
うつ伏せになりフォームローラーを大腿四頭筋に当ててトリガーポイントを探します。
トリガーポイントが見つかったら体重のほとんどをフォームローラーにかけます。
①圧迫しながら前後に4往復します。
②左右に4往復します。
③膝関節の伸展、屈曲を4回繰り返します。
①から③を2回繰り返します。
特に重要なのが③膝関節の伸展、屈曲を4回繰り返すことです。
トリガーポイントに関係する関節を動かすことが、効果的です。
圧迫した部位に関連する関節を動かすことで、より効果が出ます。
ロードバイクの筋トレについてはこちらの記事を参考に
ハムストリングスは股関節の可動域にも関係する重要な筋肉です。
ロードバイクトレーニングの影響も大きいのでトリガーポイントがないようにケアしましょう。
腰痛など日常生活に支障が出る場合もあります。
ロードバイクは、ハムストリングスは張りやすくなる運動です。
①座って手を床に付きハムストリングスにフォームローラーを当てます。
②片方の脚を曲げ、フォームローラーに体重をかけます。
③前後に4往復します。
④左右に4往復します。
⑤ ③と④をもう一度繰り返します。
⑥圧迫位置を内側と外側に変えて2セット繰り返します。
⑦脚を伸展・屈曲させます(踵を臀部に引き付ける)。
重要なのは⑦脚の伸展です。
ハムストリングスに関係する関節を動かすことが大切です。
ロードバイクトレーニングでは臀筋が股関節を動かします。
臀筋はペダリングに影響する非常に重要な筋群です。
トリガーポイントのない臀筋は故障のリスクを下げ、パフォーマンスを向上させます。
①フォームローラーの上に座ります。
②ほぐしたい臀部の反対側の脚を膝上に交差させます。
③トリガーポイントを探します。
④トリガーポイントが見つかったら体重をかけ30秒間圧迫します。
⑤脚を伸展させます。
⑥もう一方の臀部もほぐします。
ここでも重要なのは脚の伸展です。
トリガーポイントをほぐすのと関節の伸展はセットで行います。
トリガーポイントをほぐすためのフォームローラーは様々な製品があります。
大腿四頭筋やハムストリングス、臀部をほぐすには直径15cm、長さ30cm程度の商品が使いやすいです。
フォームローラーの素材はウレタンやポリエチレンなどです。
商品によって硬さや凹凸に違いがあります。
フォームローラーが硬すぎると体重をかけたときに痛みがあります。
柔らかすぎると刺激が足りなくなります。
価格:3,399円 |
どれを買うか迷ったらグリッドフォームローラーを選びましょう。
他の商品に比べると割高ですが、程よい硬さで耐久性もあります。
場所によって凹凸の形状が違うのでトリガーポイントをほぐしやすいです。
上級者向けのフォームローラーです。
突起が大きいので強い刺激が与えられます。
最初は痛く感じるので初めてのフォームローラーにはおススメしません。
柔らかいので硬いフォームローラーが苦手な人向けです。
3種類の凹凸があるのでほぐしたい場所に応じて使い分けることができます。
トリガーポイントがなぜできるのか
なぜほぐす必要があるのかを理解して行うと効果的だよ!
ほぐした後は関節を伸展させるのが大切だね
価格:3,399円 |