「脂質=悪者」は大きな間違い
「タンパク質」「糖質」と並ぶ三大栄養素の一つが「脂質」です。
脂質は悪者にされがちですが、「良い脂質」はロードレーサーだけでなく、すべての人の健康に欠かせないものです。
「脂質=悪い」ではないよ!
摂っていい脂質、悪い脂質を見分けよう!
タンパク質についてはこちらの記事を参考に
糖質についてはこちらの記事を参考に。
三大栄養素についてはこちらの記事を参考に。
脂質の働きでトレーニング効果アップ
脂質は細胞の修復、体内組織の維持、免疫の働きに大きく関わります。
極端に脂質をカットすると皮下脂肪が少なくなりすぎ抵抗力が落ちたり、脂溶性ビタミンが吸収されにくくなります。
イヌイットは高脂肪の食事を摂ることにより皮下脂肪を蓄え、極寒の環境に適応しています。
脂質は1gで9kcalもあります。これはタンパク質の2倍以上です。
少しの量でもカロリーが高いんだね!
高カロリーなので体重増加につながりやすいですが、逆に言えばエネルギーを蓄えるのに優れた栄養素です。
脂質は色々な種類に分類できます。
ここでは、大まかに「飽和脂肪酸」「一価不飽和脂肪酸」「多価不飽和脂肪酸」「トランス脂肪酸」の4種類に分類します。
飽和脂肪酸
一価不飽和脂肪酸
・オメガ9系脂肪酸とも呼ばれる
・常温で液体
・エネルギーとして使われにくい
・物質として不安定
・オリーブオイル、菜種油、アボガド、イワシ油に多く含まれる
一価不飽和脂肪酸は積極的に摂るべき脂質!
多価不飽和脂肪酸
・オメガ3系、オメガ6系脂肪酸に分類される
・体内で合成できない必須脂肪酸を含む
・魚油、サラダ油、クルミに含まれる
魚に含まれる多価不飽和脂肪酸も摂った方が良いんだね!
トランス脂肪酸
・植物油を高温にする過程で生成される脂肪酸
・健康にマイナス
・マーガリン、加工油脂に含まれる
最近のマーガリンにトランス脂肪酸はあまり含まれていないよ!
一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸が多いのは魚全般、オリーブオイル、アボガドです。
積極的に摂りましょう。
飽和脂肪酸が多いのは牛肉、豚肉、鶏肉の脂です。
摂りすぎ注意です。
トランス脂肪酸が多いのはマーガリン、ケーキ、ハンバーガーです。
摂る必要はありません。
魚やオリーブオイル、アボガドなど「何となく健康そう」な食品は良質な脂肪が多いです。
「ヘルシーな感じ」の食品には良質の脂質が含まれているよ!
ジャンクフードは体重が増えるだけ
ケーキやファーストフードなど「健康に悪そう」な食品にはトランス脂肪酸が多く含まれています。
男性の場合、一日に60gから90gの脂肪を摂る必要がありますが、この脂肪をどの食品から摂るかが大切です。
ケーキやクッキーから必要な脂肪は摂れません。魚やオリーブオイルなど、良質な脂肪を摂りましょう。
お菓子やパンを買う時にパッケージ裏の成分表を見る癖をつけると、脂肪の多い食品、少ない食品を見分けられるようになります。
「ジャンクで美味しい」にはトランス脂肪酸が多いんだね・・・
シュークリーム、菓子パン、カップラーメンには多くの脂質が含まれています。
20gから30gは含まれています。
大きな菓子パンやカップ麺だと50gを超える商品もあります。
これらの脂肪はほとんどがトランス脂肪酸なので、摂取しない方が良い脂肪です。
菓子パンやカップ麺の裏の成分表を見る癖をつけようね!
お菓子を食べるなら和菓子を選びましょう。
シュークリームをどら焼きやまんじゅうに変えるだけで脂質摂取量は劇的に減らせます。
ロードバイクトレーニングを長時間・低強度でするときに脂質のエネルギーは不可欠です。
短時間で高強度のトレーニングには糖質が使われます。
持久系スポーツは脂肪をエネルギーとして使える選手が勝利するよ!
体を絞ったサイクリストでも脂肪により5万から10万キロカロリーは蓄えられています。
糖質は僅か2000キロカロリーくらいです。
強度の高いトレーニングばかりしていると糖質を優先的に使う体になってしまいます。
低強度や中強度のトレーニングを長時間することによって脂肪を効率的に使う体になります。
脂肪を効率的に使えるようになるとトレーニングの上限とパワー出力が上昇します。
強度の高い場面に糖質を使うことができるからです。
糖質は短時間・高強度の運動であっという間に消費されるよ!
脂質を使える体になると長時間のレースでも戦えるようになるね
低強度のトレーニングを長時間行うことによりエネルギーの70%から90%を脂肪から供給できるようになります。
アタックやスプリントで糖質のエネルギーを使えるようになります。
強度の高いトレーニングばかりしていると、低強度の出力でも60%の糖質を使ってしまう体になります。
必要な時にエネルギーが枯渇して対応できなくなります。
ZWIFTレースに例えるなら、糖質優先で使う人は絶えずブーストアイテムを使っているようなものです。
ブーストアイテムは上り坂や最後のスプリントなど、効果的な場所で使うべきなのです。
「ゆっくり走れば速くなる」はランナーの間では有名なメソッドですがサイクリストにも当てはまります。
シーズンオフは「基礎トレーニング」と良質な脂肪摂取で効率的なサイクリストを目指しましょう!
低強度・長時間のトレーニングで脂肪を使える体になるよ!