ロードバイクは他のスポーツに比べて、単純な反復運動です。
ロードバイクしか乗っていない人は、股関節や大腿四頭筋が硬くなる傾向があります。
これらの筋肉が硬いと、姿勢が悪くなり長期的にはケガにつながります。
ケガを防ぐためには、定期的なストレッチが有効です。
体を柔らかくする、柔軟性を高めるという意味を理解することで、より効果的なストレッチを行えるようになります。
関節可動域と聞くと「柔軟性」や「体の柔らかさ」とどう違うのかという疑問が浮かびます。
関節可動域は(range of motion:ROM)とも呼ばれます。
柔軟性や体の柔らかさという言葉は非常に曖昧です。
筋肉の質的な柔らかさなのか、伸び縮みのしやすさなのか、関節の動きの円滑さなのか。
柔軟性や体の柔らかさは人によってさまざまなとらえ方ができます。
一般的には体の柔らかさ(=柔軟性)は関節可動域で評価されます。
関節可動域とは「四肢や体幹の関節を他動的または自動的に運動させた可動範囲」と定義されています。
他動的関節可動域とは自分以外の人が脚などの関節を動かしてどれくらい動くかを測定するものです。
自動的関節可動域とは自分で関節を動かして可動域を測定するものです。
スポーツの分野で関節可動域と言えば主に自動的関節可動域のことを言います。
ロードバイクのトレーニングに必要な筋トレについてはこちらの記事を参考に
「ロードバイクのトレーニングに筋トレは必要?」「はい!必要です!!」
ロードバイクが速くなりたいならスクワット!スクワットのやり方徹底解説!!
関節可動域は特殊な例を除いて角度で表します。
関節可動域がどれくらいあるかは角度という数字で表せます。
しかし、関節可動域の限界は自分自身で決めることになります。
同じ関節可動域を持っている人でも測定方法に慣れている人とそうでない人とでは誤差が出ます。
関節可動域を測定する方法は色々ありますが、測定方法に慣れることも大切です。
関節可動域は2種類の要因で決まります。
①物理的な要因
②感覚の変化
①物理的な要因とは関節の可動域を狭くしていた骨格筋やじん帯などが改善され可動範囲が大きくなることです。
②感覚の変化とは自分が「痛みに慣れる」ことです。
関節可動域は自分が痛みに耐えれる限界の範囲を測定するので、回数を重ねて痛みに慣れると関節可動域は大きくなります。
関節の可動域を測定した後にストレッチングをして再度関節の可動域を測定すると可動範囲は大きくなります。
これは関節が改善したのではなく、感覚の変化であると報告されています。
ロードバイクのトレーニングは水泳などの全身運動に比べると制限された動きを繰り返します。
ロードバイクのトレーニングであまり使われない筋肉が関係する関節は可動域が小さくなります。
ロードバイク以外にも一日中座りっぱなしのデスクワークの人も関節可動域が小さくなります。
なぜ筋肉を使わないと関節可動域はなぜ小さくなるのでしょうか?
デスクワークの人は一日を通して筋肉を使う機会が減ります。
更に筋肉を極端に使わない場面としてケガをした時のギプス固定があります。
脚を骨折してギプスで数か月固定すると脚は細くなり、動かしずらくなります。
この時、体の中では何が起きているのでしょうか。
関節可動域を小さくする要因の多くは関節周囲の軟部組織にあります。
軟部組織とは骨格筋や皮膚、腱、じん帯、関節包です。
骨格筋とは骨格を動かす筋肉です。
「筋肉」と聞いて一般的に頭に思い浮かべる筋肉です。
腱とは骨格筋と骨を結合する組織です。
じん帯は骨と骨とを結合しています。
関節包とは関節を包む袋状の膜のことです。
関節包の中には関節がスムーズに動くように粘り気のある液体が入っています。
これらに障害があると関節可動域が小さくなってしまいます。
ギプスで脚を固定すると脚の筋肉を動かさない「筋肉の不動化」が起こります。
筋肉が不動化すると骨格筋の筋繊維のサイズや数が減少します。
筋繊維が小さくなり数が減ると筋容積が小さくなります。
筋容積が小さくなると筋繊維の間に隙間ができます。
筋繊維の間にできた隙間を埋めるために筋周膜が肥大化します。
筋周膜が肥大化すると骨格筋に占める筋膜の割合が増えるので筋肉の伸張性が低下してしまいます。
ギプスで脚を数か月固定すると脚が細くなったり動かし辛くなるのはこういう理由です。
ギプスで数か月固定するのは極端な例ですが、ロードバイクのトレーニングで偏った筋肉の動かし方をしていたり、デスクワークで一日中座っていると体内で筋肉の不動化が起きてしまいます。
筋膜は主にコラーゲン繊維とプロテオグリカン集合体から構成されています。
筋膜は骨格筋の伸張性にとても重要な役割を果たします。
筋膜はコラーゲン繊維なので伸張性はほぼありませんが、網目状構造なので骨格筋の収縮や伸張に応じで可動します。
筋膜はコラーゲン繊維なので伸張性はありませんが、網目状になっているので筋肉の収縮に合わせて動けます。
関節可動域の改善には長期間のストレッチングやその部位に応じたトレーニングが有効です。
使用頻度の低い部位の筋肉を動かすことにより筋繊維のサイズを大きくし、数を増やします。
筋繊維の隙間を埋めていた筋周膜が縮小することで骨格筋の収縮がスムーズになり、関節可動域が大きくなります。
自分の関節可動域が十分にあるかは数種類のテストで分かります。
今回は代表的な4種類のテスト方法を紹介します。
他の人に見てもらいながらテストすると、より正確な結果が分かります。
肩の関節可動域をテストします。
拳と拳の距離が自分の手のひらの長さ(中指から手首までの長さ)以下なら合格です。
この距離は概ね20cm前後です。
ショルダーモビリティテスト
両方の腕で試しましょう。
股関節の可動域をテストします。
1⃣仰向けに寝て両足をまっすぐに伸ばします
2⃣両腕は45度に開きます
3⃣片脚を床につけたままもう一方の脚をまっすぐに上げます
くるぶしが大腿の中間点と上前腸骨棘(腰に手を当てた時に出っ張っている骨)の間にあれば合格です
体幹の安定性をテストします。
1⃣うつ伏せで寝て手のひらを顔の額の位置に置きます
2⃣脚のつま先を立てます
3⃣腕立て伏せの要領で体を持ち上げます
1⃣四つん這いになります
肩の真下に手のひら、腰の真下に膝がくるようにします
2⃣その状態で右腕と右脚を地面と平行になるようにまっすぐに伸ばします
次に伸ばした腕と脚がお腹の前で肘と膝がつくように曲げます
左腕と左脚でも行います。
3⃣次は対角線上の腕と脚を地面と平行になるようにまっすぐに伸ばします
体幹の安定性と股関節の可動域をテストします。
健康に末永くトレーニングを続けるためには故障を未然に防ぐことが大切です。
同じ部位を使ったトレーニングを繰り返しているといつの間にか偏った体になってしまいます。
筋トレやストレッチをすることで関節可動域を大きくしていつまでも健康にトレーニングできる体を作りましょう!