トレーニングをしている人の、タンパク質への関心は高いです。
プロテインの市場は、年々拡大し続けています。
高タンパク質を謳った商品が、コンビニに並ぶようになりました。
商品によっては、科学的根拠ではなく企業の誇大広告による神秘性を謳ったものもあります。
ロードバイクしているから、何となくプロテインを飲んでいる、という人は多いと思います。
食事やプロテインからタンパク質を摂取するのは良い事です。
なぜタンパク質が必要かを知る事で、より効率よく栄養摂取が出来るようになります。自分に必要な一日当たりのタンパク質の量ってどれくらいでしょうか。
そもそも、なぜタンパク質を摂る必要があるのでしょうか。
糖質についてはこちらの記事を参考に。
脂質についてはこちらの記事を参考に。
三大栄養素についてはこちらの記事を参考に。
私たちの体は毎日、新しく作り変えられています。
目に見えやすい部分では、髪の毛や爪です。
体の中でも、臓器や筋肉が常に新しくなっています。
筋肉だけじゃなく、血液、骨も新しくなっていきます。
体のあらゆる部分を新しくする材料が、タンパク質です。
ロードバイクは必ず筋収縮が伴います。
体内のタンパク質を適正な状態にすることは、ロードレースにおいて非常に重要です。
タンパク質は、20種類のアミノ酸から構成されています。
タンパク質は、筋肉の代謝と機能に重要な役割があります。
筋肉におけるタンパク質の役割は次のようなものがあります。
体重60kgの人は、一日に180gの臓器を分解し、合成すると言われています。
この180gのタンパク質のうち、80gは食べ物から摂取する必要があります。
つまり、運動をしていなくても最低80gはタンパク質を摂取する必要があります。
タンパク質の摂取が不足すると、臓器が十分に生まれ変わらないことになります。
タンパク質の合成と分解のバランスを正にすることが必要です。
タンパク質を増やすことは、ミトコンドリアの量や、筋原線維タンパク質を増大させることと関係します。
ミトコンドリアについてはこちらの記事を参考に
ミトコンドリアを増やすとロードバイクが速くなる理由と効率的なミトコンドリアの増やし方
ロードバイクでトレーニングしている人は、通常よりも多くのタンパク質が必要です。
タンパク質を一日80g摂取するだけでは、運動で傷ついた筋肉の補修はできません。
プラスαのタンパク質を摂取することで、より大きな筋肉を作る事ができるのです。
また、タンパク質は体内に蓄えられないため、毎日継続して摂取する必要があります。
良質なタンパク質を摂取することで、体内のバランスを正の状態に保てます。
一日に必要なタンパク質摂取量は、体重の0.8%と言われています。
体重60kgの方なら48gです。
タンパク質48gは、卵2個、大きなチキンステーキ2枚(200g)です。
この食事で、約54gのタンパク質が摂取できます。
一日に食べればいいので、そんなに難しくありません。
強度の高い運動をしている人は、体重の2%摂取する必要があると言われています。
体重60kgの人なら、タンパク質は120gになります。
タンパク質120gは、卵2個、納豆2パック、ご飯3杯、鶏むね肉2枚で摂ることができます。
意識して食事しないと、摂れない量です。
タンパク質の必要量は、諸説あります。
その人の代謝能力や消化能力によっても、異なります。
生活習慣やトレーニング量などによっても、異なります。
タンパク質摂取のタイミングは、トレーニング前、トレーニング中、トレーニング後が考えられます。
トレーニング後は間違いなく、タンパク質摂取の良いタイミングです。
筋肉のタンパク質の代謝は、トレーニング後の24時間後から48時間後まで亢進します。
毎日トレーニングしている人は、トレーニング中以外は全て「トレーニング後」という考え方もできます。
タンパク質の状態が十分かを、摂取量からのみ判断することはできません。
タンパク質を始めとする各種の栄養素は、摂取のタイミングも重要です。
タンパク質は小まめに摂取し、一日を通して高い状態を保つ必要があります。
トレーニング前のタンパク質摂取が、トレーニング後よりも合成を高めるとする研究はありません。
トレーニング時間が比較的短い場合は、トレーニング前にタンパク質を摂取すると効果的な可能性があります。
タンパク質は消化・吸収に時間がかかるため、トレーニング直後からアミノ酸を供給できるようになります。
トレーニング時間が長い場合は、消化にエネルギーを使うため効果的ではありません。
90分を超えるトレーニング中は、体内のタンパク質バランスが負の状態です。
しかし、トレーニング中にタンパク質を摂取してもバランスが改善されるかは不明です。
トレーニング中にタンパク質を摂取しても、合成は高められないとする説が有力です。
トレーニング後半にタンパク質を摂取すると、トレーニング後すぐに合成が始まる可能性はあります。
この場合でも、消化器に負担がかかる可能性があります。
トレーニング後のタンパク質摂取が、タンパク源合成を高めることに疑いはありません。
タンパク質は、リカバリーに必要な栄養の中心です。
トレーニング後はできるだけ早くタンパク質を摂取する必要があります。
以前は、トレーニング後30分以内のタンパク質摂取を推奨する「ゴールデンタイム」が言われていました。
現在では、30分以内に拘る必要性は少ないとされています。
トレーニング後に大量のタンパク質を一気に摂取する必要はありません。
体重80kg以下の人がトレーニング後に20gのタンパク質を摂取すると、筋合成が促進されます。
しかし、摂取量を倍の40gにしても20gの場合より筋合成が高まることはありません。
一度に吸収できるタンパク質の量には上限があります。
トレーニングはできるだけ早くタンパク質を摂取し、その後は小まめに摂取します。
動物性タンパク質は、植物性タンパク質より必須アミノ酸が多く含まれています。
必須アミノ酸が多く含まれるものや、消化速度が早いものがタンパク質合成を速やかにします。
プロテインは、魅力的なキャッチフレーズが書かれており効果絶大な気がしてしまいます。
しかし、タンパク質は食品から多く摂取することが大切です。
食品から摂取することで、他の栄養素も同時に摂れます。
タンパク質は、肉以外にも含まれています。
牛ももにく100g | 19.2g |
鶏ももにく100g | 16.6g |
鶏むね肉100g | 21.3g |
豚ひれ肉100g | 22.2g |
紅鮭1切れ | 15.8g |
卵1個 | 6g |
納豆1パック | 8g |
牛乳1杯200ml | 7g |
ご飯茶碗1杯 | 4g |
食パン1枚 | 5g |
効率よく摂取できるのは、肉類です。
コンビニに売っているサラダチキンも良い食品です。
最近は自宅で鳥ハム作りもできます。
鳥ハムの作り方についてはこちらの記事も参考に
鳥ハム作りに最適! 低温調理器 アイリスオーヤマ LTCー01
大豆製品もタンパク質が豊富です。
大豆に含まれるソイプロテインは、肉に比べてゆっくりと体内に吸収されます。
タンパク質は摂れば摂るだけ良い、という訳ではありません。
人間には、タンパク質を吸収する限界があります。
タンパク質の過剰摂取は、腎障害の要因になると言われています。
筋肉の再合成に有効で、かつ人体に影響のない最大値が体重の2%とされています。
トレーニングをしている人に推奨される摂取量は体重1kgあたり1.2gから1.7gです。
過剰に摂取したタンパク質はエネルギー産生のために酸化されます。
一回の食事で摂取できるタンパク質の最大量は、30gとされています。
一回の食事で大量にタンパク質を摂取するのは、無意味です。
プロテインは、手軽に飲めるのでタンパク質の過剰摂取につながりやすくなります。
食事から必要なタンパク質を摂取するのが理想的だということを、頭に入れておきましょう。
タンパク質を過剰摂取しても、腎機能に悪影響を与える可能性は低いです。
タンパク質を過剰摂取する弊害は、他の必要な栄養の摂取量が減る事です。
一日の総摂取カロリーは限界があります。
タンパク質を必要以上に摂取すると、他の栄養素にかけるべきカロリーが削減されてしまいます。
タンパク質だけに執着するのは、NGです。
ロードバイクでトレーニングして必要なのは主要栄養素(糖質、脂質、タンパク質)をバランス良く摂取することです。
バランスの良い食事が大切なんだね!
三大栄養素についてはこちらの記事を参考に。
タンパク質は、一日の総摂取カロリーの25%にしましょう。
極端にタンパク質に偏った食事は、長期的に見てマイナスです。
納豆や、豆腐など加工食品には食品成分表が記載されています。
卵や未加工の肉は、ネットで簡単にタンパク質を調べることができます。
食事に含まれるタンパク質を毎回確認する習慣をつけましょう。
数週間で、食事を見ただけでタンパク質の量が分かるようになります。