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高校生ロードレーサー日本一を決める大会 2022年インターハイ ロードレース
真夏の頂上決戦 インターハイ
インターハイは高体連が主催しています。
高校生日本一を決める大会はインターハイの他に、全日本選手権、全国高校選抜、ジュニアオリンピックカップ、国体などがあります。
インターハイは数ある高校生の全国大会の中でも、最もステータスの高い大会の一つです。
優勝者にはチャンピオンジャージが与えられます。
2021年インターハイロードレースについてはこちらの記事を参考に
【リアル弱虫ペダル】2021インターハイ自転車競技個人ロードレース【コース紹介&リザルト!】
弱虫ペダルとはちょっと違うルール
弱虫ペダルは3日間で争うステージレースです。
実際のインターハイは1日限りのワンデーレースです。
山岳賞やスプリント賞もありません。
インターハイロードレースでは、着順のみを争います。
弱虫ペダルはスタート地点とゴール地点が異なるラインレースです。
ラインレースはヨーロッパなど海外では一般的なレースです。
日本国内では交通規制の問題で、周回コースが多いです。
2022年インターハイロードレースも周回コースです。
インターハイに出場するには
インターハイに出場するには全国高等学校体育連盟自転車競技専門部に加盟している自転車競技部で活動する必要があります。
全国を9ブロックに分け、前年度加盟登録校数に応じた出場枠が与えられます。
開催権である香川県は特別枠として、3名が出場できます。
1校の選手数は3名が上限です。
参加選手上限は144名です。
北海道 | 東北 | 関東 | 東海 | 北信越 | 近畿 | 中国 | 四国 | 九州 | 開催地 |
3 | 19 | 32 | 15 | 9 | 21 | 11 | 11 | 18 | 3 |
各ブロックの出場者はブロック大会の成績上位者から選出されます。
ブロック大会に出場するには県大会で成績上位に入る必要があります。
2022インターハイは3年ぶりの有観客
2022年インターハイ(全国高等学校総合体育大会)は、7月23日から8月23日にかけて開催されます。
コロナ禍により2020年インターハイは中止となりました。
トラック種目は代替大会が開催されましたが、ロード種目は行われませんでした。
2021年インターハイは、2年ぶりの開催でしたが、無観客レースでした。
2022年インターハイは、3年ぶりの有観客レースとなります。
自転車競技はトラック競技、ロードレース共に、有観客となる予定です。
自転車競技は4日間の開催です。
ロードレースは自転車競技の最終日である8月7日に行われます。
女子は8時10分スタートです。
男子は10時スタートです。
2022年 インターハイ自転車競技ロードレース
ロードレースは8月7日(日)香川県綾川町で開催
自転車競技はトラック種目が香川県高松競輪場で8月4日(木)から6日(土)に開催されます。
トラックレースについてはこちらの記事を参考に
トラック競技の走り方!~200mFTT・1kmTT・4kmIP
自転車競技のロードレースは8月7日(日)に開催されます。
ロードレースは、香川県の綾川町特設ロードレースコースで開催されます。
ロードレースについてはこちらの記事を参考に
ヒルクライムが速くなるテクニック3選 ペーシング・補給カロリーを最適化してダンシングを使いこなす方法
クリテリウムの走り方徹底解説!初心者・上級者別レース展開・ZWIFTワークアウト
全長84.8km 総獲得標高1500mの難コース
2022年インターハイ自転車競技ロードレースは1周約21.2kmの周回コースで行われます。
周回は反時計回りです。
男子は21.2km×4周回=84.8kmです。
女子は21.2km×2周回=42.4kmです。
綾川町B&G綾上海洋センターが会場です。
会場へのアクセス
- ことでん琴平線「綾川駅」から、車・タクシーで約9分
- 高松自動車道「府中湖スマートIC」から、車で約15分
ロードレース コース紹介
スタート直後から4kmまで登りです。
200m近く登ります。
平均勾配は5%です。
その後、約70m下った後に約50m登り返します。
アップダウンを繰り返すコースです。
コース後半はやや平坦ですが、細かなアップダウンを繰り返します。
周回あたりの獲得標高は約370mです。
男子の総獲得標高は約1500mとなります。
休むところがないため、実力差が表れやすいコースと言えます。
バーチャルコースレビュー
県道17号線を南下します。
2車線の幅の広い道路です。
4km地点まで登りが続きます。
コースは主に県道を使用します。
全体を通して道幅は広く、路面状況は良好です。
レース展開予想
完走率40%前後のサバイバルレース
レースは140名以上の選手で争われます。
ロードレースは先頭集団から5分から10分遅れると打ち切りになります。
完走率は40%前後になると予想されます。
2021年インターハイロードレースの完走率は46%でした。
ポイントは4kmの上り+高気温
ポイントとなるのは最初の4kmの上りです。
8分程度の上りになると予想されます。
例年、8月上旬の香川県の最高気温は30℃を大きく超えます。
選手は過酷なコースに加えて、気温との闘いも強いられます。
選手の思惑
少人数で逃げ切りたい選手と、集団スプリントの展開にしたい選手に大きく分かれます。
少人数で逃げ切りたい選手は、上りでペースアップして人数を絞ります。
集団スプリントを狙いたい選手は、逃げ切りを狙う選手をマークして、独走に持ち込まれないようにします。
上位選手同士は、これまでのレースを通じて互いの走り方や脚質が分かっています。
お互いの脚質が分かるが故に、保守的なレース展開になる可能性もあります。
その隙をついて、思いがけない選手が勝つ可能性もあるのがインターハイロードレースです。
上位に有力選手が揃う可能性が高いですが、ロードレースは予測不能な側面もあります。
今大会のコースはアップダウンが激しい難コースです。
機材トラブルなどを除けば、実力通りの結果となる可能性が高いと言えそうです。
2022年 インターハイ ロードレース注目選手トップ5
2021年インターハイ・2021年ツアーオブ九州・2022年全国選抜などの実績を基に、注目選手を5選手紹介します。
ツアーオブ九州についてはこちらの記事を参考に
ツアーオブ九州 2021年11月19日開催決定 国内唯一の本格的ジュニアステージレース 全4ステージ&参加チーム紹介
宮崎県 藤村一磨
藤村一磨選手は宮崎県都城工業高校2年生です。
2021年インターハイロードレースで、当時1年生ながら2位入賞の実績があります。
2021年インターハイロードレースの成績上位者は、藤村選手を除き全員が3年生でした。
2022年インターハイロードレース出場選手の中で、唯一のインターハイロード表彰台経験者となります。
藤村選手は独走で勝利することが多いです。
逃げを試みる、積極なレースを仕掛ける選手です。
2022年全国高校選抜ロードでも後半に逃げ切りを図りました。
終盤に集団に捕まり、3位でしたが大きなインパクトを残しました。
個人追い抜きでも強さを見せた宮崎県の藤村くんの存在感がすごかった。
アタックアタックまたアタック
それでも最後3位まで残る力走でした! pic.twitter.com/JFNkFvNeL2
— SAWADY[沢田桂太郎] (@sawady_jpn) March 25, 2022
2022年ジュニアロード強化指定選手です。
2021年インターハイロード | 2位 |
2022年全国高校選抜ロード | 3位 |
2022年全国高校選抜個人パーシュート | 優勝 |
2021年JOCジュニアオリンピックカップ個人パーシュート | 優勝 |
愛媛県 鎌田晃輝
鎌田晃輝選手は愛媛県松山学院高校3年生です。
鎌田選手は、レース中に逃げを狙う積極的な動きが印象的な選手です。
2022年11月に行われたジュニアステージレース「ツアーオブ九州」総合優勝者です。
ツアーオブ九州は4日間開催のステージレースです。
鎌田選手は第2ステージに総合トップに立ち、そのまま最終ステージまで守り抜きました。
2022年4月に行われた九州チャレンジロードレースでは、前述の藤村選手と2名でレースの大半を逃げました。
最後はスプリントを制し、優勝しました。
2022年ジュニアロード強化指定選手です。
コロナ禍で派遣は見送られましたが、2021年ロード世界選手権 日本代表メンバーに選出されています。
2021年ツアーオブ九州 | 総合優勝 |
2021年西日本ロードクラシック広島大会E1クラス | 優勝 |
2020年JOCジュニアオリンピックカップU17ポイントレース | 3位 |
鹿児島県 杉野翔一
杉野翔一選手は鹿児島県立南大隅高校3年生です。
南大隅高校は数々の名選手を生み出した自転車名門校です。
杉野翔一選手は2022ジュニア全日本自転車競技選手権ロードレース優勝、2021年インターハイ4km速度競争優勝の実績があります。
杉野翔一選手は集団スプリントの展開を得意とします。
2022ジュニア全日本自転車競技選手権ロードレースでは30名の集団スプリントを制しました。
2022年全国高校選抜ロードの最終局面で遅れた後方集団から単独ブリッジして先頭集団に追いつき、2位を獲得するなど、レース勘に優れています。
2022年ジュニアロード強化指定選手です。
2022ジュニア全日本自転車競技選手権ロードレース | 優勝 |
2022年全国高校選抜ロードレース | 2位 |
2021年インターハイ4km速度競争 | 優勝 |
福井県 篠島瑠樹
篠島瑠樹選手は福井県科学技術高校3年生です。
2022年11月に行われたジュニアステージレース「ツアーオブ九州」でポイント賞を獲得しています。
全ステージを通して積極的に動き、強さを見せました。
持久力と勝負勘に優れた選手です。
2022年ジュニアロード強化指定選手です。
2021年ツアーオブ九州 | ポイント賞 |
愛媛県 梅澤幹太
梅澤幹太選手は愛媛県松山工業高校3年生です。
梅澤選手はトラック種目のポイントレースで圧倒的な強さを誇ります。
2022年全国高校選抜ポイントレース優勝、2021年インターハイポイントレース2位の実績があります。
トラック種目のポイントレースは、長距離のレース系種目です。
400mトラックの場合は60周回・24キロで争われます。
5周回毎に、上位4名に順位に応じてポイントが与えられます。
ラップすると更にポイントが与えられます。
持久力とレース展開が重要になる種目です。
梅澤選手は持久力に加えて、優れたレース勘があります。
レース勘はロードレースでも発揮されます。
仕掛けるべきところで確実にパワーを発揮し、上位に食い込みます。
コロナ禍で派遣は見送られましたが、2021年ロード世界選手権 日本代表メンバーに選出されています。
2022年ジュニアトラック・ロード強化指定選手です。
2022年全国高校選抜ポイントレース | 優勝 |
2022ジュニア全日本自転車競技選手権ロードレース | 2位 |
2022年全国高校選抜ロードレース | 4位 |
2021年インターハイポイントレース | 2位 |
2021年全国高校選抜ポイントレース | 2位 |
ネット中継
2022年インターハイロードレースはインハイTVで中継されました。
レースリザルト 完走率35%のサバイバルレース
33℃を超える猛暑
レース当日は女子スタート時の8時で気温29℃でした。
男子のスタートする10時に気温は32℃に達します。
湿度も高く、猛暑との戦いにもなりました。
終始逃げができる展開
1周目から都城工業高校 藤村一磨選手と松山工業高校 梅澤幹太選手が積極的に逃げます。
実績のある2人が協調して逃げ、集団との差は最大1分程度まで広がります。
途中で梅澤選手がドロップし、藤村選手の単独逃げになります。
藤村選手は2周目後半まで逃げるものの、集団に吸収されます。
その後も散発的に数名の逃げが形成され、最大1分前後まで開くも吸収される展開が続きます。
上り距離の長いハードコースなので、時間を追うごとに集団も人数を削られていきます。
3周目後半に逃げを吸収したタイミングで再び藤村選手がアタックし、反応した鎌田選手と2名で逃げを形成します。
最終的にこの逃げが決まります。
途中で北桑田高校 長嶋慧明選手がブリッジするも、その後にドロップします。
逃げ集団を形成した藤村選手と鎌田選手ですが、藤村選手が何度も脚を気にするそぶりを見せ、その後遅れ始めます。
後のコメントによると、脚を攣ったとの事でした。
単独先頭になった鎌田選手は後続を順調に引き離し、2時間7分37秒でゴールします。
鎌田選手の所属する松山学院は、男女でロードレースを制し、5度目のインターハイ総合優勝を決めました。
ゴール後は疲労のため倒れ込む選手が続出し、レースの過酷さを物語っていました。
出走146名中完走51名のサバイバルレースとなりました。
最終周回前に有力選手が集団の前にまとまって集団が分裂しかけていたので追いかけて合流し、登りでアタックして藤村選手と抜け出した。藤村選手とは今まで何度か勝負したことがあって、スプリントでは負けたことが無いから、そのまま一緒に行っても勝てる自信はあった。でも藤村選手は脚がつってしまったようで、1人で行くことにした。追走が40秒ほど後ろにいると聞いていたので、フィニッシュラインが見えるまで勝てると思えなかった
シクロワイアード 鎌田選手コメント
— 【記録速報】【公式】全国高等学校体育連盟 自転車競技専門部 (@hscyclingresult) August 7, 2022